エンタープライズ:ニュース 2003/10/30 11:31:00 更新


FORUM 2003開幕、山火事で考えさせられる「データ保護」「ディザスタリカバリ」のあり方

山火事が迫る米カリフォルニア州・サンディエゴで、Storage Technologyの年次カンファレンス「FORUM 2003」が開幕した。同社はここで、新型テープライブラリをはじめ数多くの新製品を披露する計画だ。

 カリフォルニア州南部からメキシコにかけての一帯を、史上最大規模とも言われる山火事が襲っている。同時多発的に複数発生している山火事の中でも、最も勢力が強い「CEDER Fire」の風下に当たるサンディエゴで、米Storage Technology(StorageTek)の年次カンファレンス「FORUM 2003」が米国時間の10月29日、開幕した。

 今回で15周年という節目の年に当たるFORUMだが、実は過去にも、アクシデントによってイベント自体がキャンセルされたケースがある。一昨年に発生した米国連続テロ事件だ。この年は、ワシントンで開催される予定だったイベントそのものが中止になった。そして2年後の今回は、カンファレンスそのものは順調に進んでいるが、山火事による交通機関の乱れのために参加予定者の足に影響が出ている。

 StorageTekでは、企業にとって、またユーザー個々人にとって最も大切なデータを適切に保護し、ストレージシステムのアベイラビリティを高めることをフォーカスの1つとしている。その同社のプライベートカンファレンスに合わせたようにアクシデントが起こるのは、無論偶然なのだろうが、改めてデータ保護やディザスタリカバリのあり方を考えさせられる思いだ。

 同社は10月29日、30日にわたって行われるこのカンファレンスにおいて、短時間でのバックアップ/リカバリを可能にする「EchoView」やローカル、リモート双方のレプリケーションを行うアプライアンス「MirroStore」といったアプライアンス型の製品について紹介するほか、新たなアーキテクチャを採用した新型テープライブラリなど、数多くの新製品を披露する計画だ。また並行して行われるセッションでは、同社製品の顧客によるさまざまな事例紹介も行われる。

会場

写真では分かりにくいかもしれないが、昨日まで空はどんよりとした雲に覆われ、時折灰が舞い降りていた


 普段ならば青い空と海が望めるはずのサンディエゴだが、折からの強風にあおられて吹き付ける煙やちりのせいか、市内はどんよりとした雲(煙)に覆われ、視界の良くない日々が続いていた。しかしFORUMが開幕した29日になって、ようやく日差しが差し込み始めている。ややこじつけじみているけれど、ITバブル崩壊後の不況・停滞が続いていたストレージ業界にも、ようやく日が差し込んできたという具合に考えることができるかもしれない。

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[高橋睦美,ITmedia]