エンタープライズ:ニュース 2003/11/01 12:57:00 更新


ITIL導入でビジネスとITを体系化する東芝ソリューション

企業のIT推進における問題のひとつは、トラブル発生時の対処方法。東芝ソリューションは「ITIL」導入によってビジネス面からの管理を最優先する。その管理手法とは。

 シスコシステムズ(シスコ)主催によるプライベート技術カンファレンス「NETWORKERS 2003」。最終日の10月31日には、東芝ソリューションによる「IT管理のスタンダードITILによるネットワーク管理構築技法のご紹介」セッションが開かれた。スピーカーは、同社プラットフォームソリューション事業部の花井克之氏。

 自社について花井氏から、「東芝のIT部門が10月1日に分社化したばかり。ITプロ集団が顧客ニーズに応え、その期待も上回るよう目指すソリューションパートナー」だと語られた。講演では、ITILの概要から導入ポイント、そして同社の取り組みが紹介された。

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講演を行った東芝ソリューション、プラットフォームソリューション事業部の花井克之氏


ITILの必要性とITにおける問題点の提示

 「ITIL(IT Infrastructure Library)とは、ITサービス管理のベストプラクティスのこと。規格ではなくノウハウを集約したもの」だと花井氏。ITILの歴史にも触れ、82年に発案、89年に英国政府の「CCTA」(Central Computer & Telecommunications Agency)よって第1版、2000年には英国大蔵省オフィス「OGC」(Office of Government Commerce)から改訂版がリリースされており、類のない業界スタンダードだという。

 講演を通して花井氏が強調したのは、「ビジネスからの観点と、ITにおけるテクノロジー追求は顧客に対して相反する面がある。それを結びつけるためには、ITIL導入で体系立てることであり、結果として顧客満足度向上にもつながる」との見解だ。

 ITサービス管理を導入するとどのような効果が見込まれるのかに対し花井氏からは、「サービスの質や組織間のコミュニケーション、スタッフのモチベーションを高めるためにも役立つ」。さらに「顧客からの要求はインシデント管理され、要求を受けた際、決められた時間内でいかに速く解決するかがポイント」だという。

 このような発想はITに執着すると生まれず、ビジネス面からの要求を大前提に捉えているからだと強調した。そして、この繰り返しのアプローチでは根底問題が解決されないため、ビジネス面の解決後には次なるステップとして「問題管理」にて原因の追求、その先には必要によってパッチを当てるなどの「変更要求」が体系立てられる。初期における問題追及は時間のロスに結びつき、決して顧客満足度に結びつかないという。

ITIL導入のポイントはできることから始めること

 ITサービス管理を成功に導く3つのポイントが示された。まず最初は「できることから始める」ことだという。ITILにおけるプロセスフローに従うことが効果が高いといい、そのフロートとは「サポートデスク」→「インシデント管理」→「問題管理」などの体系。そうとはいえ、このようなフローに当てはめる基準が分からないユーザーに対しては、英文であるものの米国「itSMF」からの「セルフアセスメント(自己診断)」が利用可能だ。国内では日本語サイト「itSMF Japan」(ITサービスマネージメントフォーラムジャパン)が参照でき、米国、英国、オーストラリア、日本など14カ国で啓蒙、推進を行うフォーラムとして運営されている。これらの取り組みに興味があれば「itSMF Japan」に加入することで情報交換が可能だ。

 2つ目は「3つのPを確立する」ことだといい、スタッフ人員のスキルアップを挙げた。3つのPとは、「People」(顧客、ITスタッフ、サーバ管理者など)、「Process」(目標、手順など)、「Products」(ツール、技術)を指す。さらにトレーニングのために認定資格(ISEB、exin)にも触れ、世界各国で通用する資格だと紹介する。サービスの質が高まるだけでなく、組織間のコミュニケーション強化やITスタッフのモチベーション向上にもつながるだろう。

 そして3つ目は「継続する」ことだと語り、効果が見えるまでにはタイムラグがあることを認識しておかなければならないという。そのためには現場スタッフだけでなく、管理層からの支持も必要なため、予算、要員、時間を考慮した上で取り組まなければならない。

東芝ソリューションは体系化した運用管理を用意

 最後には、東芝ソリューションによる運用管理ツール体系が紹介された。総合管理を取り巻く8つの管理が挙げられ、導入しやすいものから提案できるよう用意されているという。

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導入しやすいものから始めるとよい。各機能が体系化されており、ニーズに合ったサービスが提供できるという


 ITインフラストラクチャ管理の具体的なツール例として、シスコと関わる「CiscoWorks」が挙げられた。これはネットワーク管理を行うサービスツールであり、ビジュアルに機器の稼働状況を把握することが可能だ。また、シスコの「CiscoWorks」が96年から120サイトの実績を持つことを始め、ヒューレット・パッカードの「OpenView」が95年から450サイト、IBMの「Tivoli」は95年から45サイト、「JP1」は2000年から40サイトへ導入しているという。ほかにもSolarisでの技術蓄積や構築ノウハウ、Windows、HP-UX、AIX、Linuxでのソリューションも用意されている。

 「東芝は、ナンバーワンでなくオンリーワンを目指す」。そう花井氏は語り、止めどないビジネスサービス提供には体系立てることが必要だといい、講演を締めくくった。

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[木田佳克,ITmedia]