エンタープライズ:ニュース 2003/11/04 21:37:00 更新


Red Hatが無償版Linux開発を中止、企業版に専念

企業向けバージョンに専念することを理由に、Red Hatが無償公開版Linuxの開発を終了すると宣言した。(IDG)

 Linuxベンダーの大手であるRed Hatは11月3日、無料のLinux製品ラインを終了し、顧客には有料のEnterprise Linuxに移行するよう求めていくと発表した。

 自社のウェブサイトに掲載された声明文の中で、Red HatはLinux version 7.1から8.0までのメンテナンスおよびエラータサポートを2003年12月31日に、最新版のversion 9を2004年4月30日に終了すると発表した。Red Hat Linuxの無償ダウンロードは継続されるが、39.95ドルと149.95ドルのパッケージ版は既に廃止されている。同社によれば、今後新しいバージョンの開発は行われないという。

 Red Hatは無料版Linux製品の方向付けを行った企業で、1994年から提供してきた。その売り文句は「すべてのものをすべての人々におくる、汎用で低コストなソリューション」というものだ。

 対照的に、Enterprise Linuxは広範囲なハードウェアとアプリケーション・ソフトウェア・ベンダーによって認証されているとRed Hatは述べている。

 同社はユーザーに2種類のアップグレードパス−−179ドルから始まる安定版Enterprise Linuxにアップグレードするか、無償ダウンロードできるデベロッパー向けのFedora Projectに切り替えるか−−を提供している。

 Enterprise Linux製品には3種類のバージョンがある。大規模な企業環境向けのAS、小さな規模の企業向けがES、ワークステーション/デスクトップ用がWS。これら製品にはサポートレベルによってベーシック、スタンダード、プレミアムの各エディションに分かれる。

 Enterprise Linux WSのベーシックエディションは179ドルで、IBM zSeriesおよびS/390向けASの価格は1万8000ドルである。

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