エンタープライズ:ケーススタディ 2003/11/06 19:14:00 更新


資本提携でe-コマース市場の本格立ち上げを目指すニューズウォッチとベイテック

ニューズウォッチとベイテックシステムズは9月中旬に、資本提携を結ぶことを明らかにした。顧客基盤の共有や、技術的な相互補完でサービスを組み合わせていくといった相乗効果を見込んでいる。

 ニューズウォッチとベイテックシステムズは9月中旬に、資本提携を結ぶことを明らかにした。ニューズウォッチのWebマーケティングと、ベイテックのeCRMとe-コマースおよびサイト構築サービスを連携することにより、顧客基盤の共有や、技術的な相互補完でサービスを組み合わせていくといった相乗効果を見込んでいる。

 現在、コクヨ、ニッセン、伊藤忠商事の自動車部品調達システムなど、既に多くのユーザーを抱える両社は、今後さらなる発展が見込まれるe-ビジネス、e-コマース市場を底上げしていくことが期待される。

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ニューズウォッチの金田直之社長

 ニューズウォッチの金田直之社長は、「外資系ベンダーの製品よりも、安くて導入も早い。」とアピールする。

 ニューズウォッチの製品は主に、メール配信によるニュースクリッピングを行う「Brain/BrainInfocast」、掲示板書き込み分析ツールの「CSウォッチ」、企業のポータルサイトに検索エンジンを提供する「検索ASPサービス」、検索ポータルサイト「Fresheye」が挙げられる。

 一方、ベイテックは、ワンツーワンメールなどを可能にするeCRMツール「BayMarketing」、e-ビジネスでサイト構築を支援する「BayCommerce」、企業間受発注管理などを行う「BayMarketPlace」など、いわゆるB2B向け製品に強みを持っている。

 両社が提携によって目指すシナジーは、ターゲットユーザー層が重なっていることが1つのポイントになる。ニューズウォッチは、マーケティング、企画セッション、消費財、流通業などを重視しており、ベイテックも消費財、流通業分野には力を入れたいという。また既存ユーザーが重なっていないことにも市場機会を見出しているという。

 例えば、eCRMを提供するベイテックは、コクヨやエイデンなど、従来から通販やコンシューマー向け製品メーカー、流通業などが顧客に多かった。ニューズウォッチは、これらのユーザーに対して、検索ASPやCSウォッチなどの製品を提供するターゲット顧客になっていくという。

 そして、重要なのは、両社のサービスを組み合わせて、トータルなマーケティングソリューションとして顧客に提案できること。例えば、Weサイト構築を依頼してきた顧客に対して、付加価値として、ニュースクリッピングサービスや検索ASPサービス、コンテンツ管理などの機能を組み込んだ形で提供できるようになる。

 ユーザー事例として、ニッセンのeCRMシステムがある。同社では、従来複数に分散していた顧客情報をBayMarketingに集約し、ネット上でプロモーション活動を展開している。顧客情報を中心に、ワンツーワンメールの配信や、プロモーション分析機能、ホームページ経路分析機能など、いわゆるeCRMらしい取り組みが行われている。

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[怒賀新也,ITmedia]