エンタープライズ:ニュース 2003/11/21 20:03:00 更新


スウェーデン発のERP「IFS Applications」、日本市場での展開を強化

スウェーデンのERPソフトウェアメーカー、IFSのマイケル・ハレンCEOに、製品と日本市場での戦略について聞いた

 自動車メーカーの生産管理システムは、各企業の特性が示されることもあり、パッケージアプリケーションの採用が比較的難しい部分とも言われる。そんな中、外資系のBMWやRoverなどが採用しているシステムが、スウェーデンのERPソフトウェアメーカー、IFSの「IFS Applications」だ。同製品は、CRM、SCM、プロジェクト管理、会計、品質管理、文書管理など、すべての機能がモジュール化されており、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に組み合わせて利用できるという。

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マイケル・ハレンCEO

 IFSは、世界45カ国に拠点を持ち、グローバルの売り上げは3億5000万ドル。顧客は2500に上り、ユーザーは35万人。23の言語に対応している。

 自動車業界のほか、ハイテクや医療、産業用機械の製造、サービス・設備管理などにフォーカスして、日本市場でも展開するという同社のマイケル・ハレンCEOに話を聞いた。

 「業界ノウハウを持つチームが研究開発に貢献している」とR&Dについて話すハレン氏。ターゲットとする業界を絞り込んでいるため、より業務に直結した形でシステムを提供できる点が、SAPやOracle、PeopleSoftといった大手ERPベンダーと比較して優位になっているという。日本市場ではNECと協業しており、顧客への導入プロジェクトもNECが担当する。

 次のバージョンとして、2004年にリリースが予定されている「IFS Applications 2004」では、Linuxにも正式に対応し、Javaアプリも動作する。

 さまざまな機能がコンポーネント形式で提供される同製品だが、特に生産管理に強さを発揮している。自動車メーカー関連だけでなく、日本では、プロジェクターなどを提供するエレクトロニクスメーカー、日本アビオニクスの生産管理、販売物流システムに採用されている。

 IFS Applications 2004の特徴としてハレン氏はさらに、リーン生産(マサチューセッツ工科大学が1985年に日本の自動車メーカーの強さを研究して提案した“無駄な肉を削ぎ落とした”システム)、グローバルソリューションの拡張などを挙げた。

 特に、優位性を持っているサプライチェーンマネジメントでは、これまでは、工場における実際の在庫管理などを行う実行系システムに強みを持っていたが、次のバージョンでは、需要予測や生産計画の立案などを行う計画系の機能も強化する。

 日本は、「グローバル戦略でカバーすべき市場として重視している」という。西ヨーロッパや米国だけでなく、中国や東欧、南米にも力を入れたいとするが、「日本のメーカーは世界中に拠点を持つ企業が多い」ために、積極的な投資を続けるという。

 稼動プラットフォームとしては、OSはUNIX、Windows 2000 Server、データベースはOracleを基本としている。技術的には、ハレン氏はシステム統合を重視しているという。XMLを用いたツールとしては、BizTalk ServerやJ2EEベースの対応製品との連携をスムーズにしていきたいと話している。

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▼IFSジャパン

[怒賀新也,ITmedia]