IDG ニュース
2004/01/22 12:20:00 更新


「SCO対策のユーザー免責保証は不要」、IBMが明言

Linux陣営各社がユーザーの免責保証に踏み切る中、IBMは「不要」の立場を貫いている。その根拠は?

 Novell、SUSE Linux、Sun Microsystems、Hewlett-Packard、Red Hat。これらの会社はすべてLinuxを使っている顧客を、想定される法的脅威から守るための保護プログラム、免責保証を提供しているが、業界リーダーのIBMはその陣営に加わっておらず、静かにその姿勢を維持していた。

 しかし、LinuxWorld Conference & Expoの初日、IBMは記者会見の席上、同社は公の場で自社が抱える6300のLinux顧客(その数は増え続けている)に免責保証の必要はないと主張した。その論拠は、昨年3月にThe SCO GroupがIBMに仕掛けてきた30億ドル訴訟は根拠がない、というものだ。

 「われわれの立場は変わっていない」とIBMのLinux担当ジェネラルマネジャーであるジム・スターリングズ氏。「SCOがIBMに対して行っている主張にはまったく根拠がない」ため免責は不要だ、と同氏は主張する。

 仮に顧客が心配だとすれば、主要Linuxディストリビューションの2社、SUSE LINUXとRed Hat Enterprise Linuxが、SCOからの法的行為に対してユーザーを保護するための顧客保護プログラムを持っている、とスターリングズ氏。さらに、非営利の企業向けLinux推進団体であるOpen Source Development Labs(OSDL)はユーザーが訴訟に巻き込まれた場合に利用できるよう、1000万ドルの基金を集めようとしている。

 SCOが企業のLinuxユーザーに、提訴するとの法的脅しをかけているにもかかわらず、ビジネス分野でのLinux採用は伸びているとスターリングズ氏は指摘する。Linuxを導入したということは「ユーザーがそう判断した、ということだ。これだけの情報があるにもかかわらず、数千もの顧客は覚悟を決めてくれている」し、SCOの法的な挑戦は根拠がない、というのだ。

 IBMの技術・戦略担当副社長であるアービング・ウラドースキー=バーガー氏もスターリングズ氏と同じ意見だ。ウラドースキー=バーガー氏によれば、SCOの主張を認めている裁判所はまだ一つもないのだから、免責は不要だという。

 「(SCO)訴訟には何のメリットも見いだせない」とウラドースキー=バーガー氏。「当社の法務システムにおいては、裁判に出かけて対処しなければならない。われわれはいま、それを遂行しているのだ」と同氏。

 「米国の一部には、法的問題はメディアの中で明らかにされるべきだと考える人たちがいる、というのはわかっている。しかし、この問題はメディアにおいて勝ち取ることはできない。われわれは、この問題を解決するために正しい行動を取っていると信じている」とウラドースキー=バーガー氏。

 Progressive Strategiesのアナリストであるマット・プロシアック氏は、顧客に免責保護を提供しないというIBMの姿勢は理解できるという。

 「免責を提供するということは、何か問題があるかもしれない、と言っているようなものだ」と同氏。「IBMは、問題は何もないのだから、それを法廷で証明する、と言っている。この戦略は筋道が通っており、明らかに彼らの顧客はその戦略に満足している」と同氏。だから、顧客はLinuxを買い続け、使い続けているのだとプロシアック氏は考える。

 IDCのアナリスト、アル・ギレン氏は、IBMは免責保証を回避する一方で、OSDLが設置した基金には寄付を行っていると指摘する。「顧客がSCOの主張に関連する訴訟に巻き込まれなければ、免責保証を提供する本当の必要性はないと考える」とギレン氏。「顧客が訴訟に巻き込まれることになれば、何かをしなければというプレッシャーは高まるだろう」と同氏。

 1月20日、Red Hatは新たにOpen Source Assurance Programを発表した。これは既存のRed Hat Enterprise Linux顧客に対し、このソフトウェアを使用している限りは法的問題から保護するという内容だ。このプログラムに含まれるIntellectual Property Warrantyに基づき、問題があったり他のコードを侵害しているソフトウェアコードはRed Hat側で交換するので、ユーザーおよびデベロッパーは製品を使い続けることができる、という。著作権侵害問題で顧客が提訴された場合には、Open Source Nowという法的保護基金により資金を提供する。

 Red Hatの動きは、買収したSUSE Linuxの顧客を、想定されるSCOからの法的訴訟から免責するとのNovellの決定に続くもの。

 UNIXベンダーであるSCOがIBMに提訴したとき、同社はIBMがSCOのSystem V UNIXコードをオープンソースLinuxプロジェクトに違法に提供したと主張した。その後、Red Hat、Novellとの間で訴訟および反訴が起こされている。

関連記事
▼波紋を広げるSCOの知的所有権問題

[IDG Japan]

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.



Special

- PR -

Special

- PR -