特集
2004/01/23 23:50:00 更新
全3回「WebプログラミングPHP言語入門」
特集:第2回 ショッピングカートの作成で分かる「PHP」の力 (1/5)
同特集の第1回目では、PHPについて簡単な解説を行った。第2回となる今回は、実際にPHPのコードを作ることで、PHPスクリプトのプログラミングに必要な基礎技術を身に付けてもらおうと思う。お題は簡易ショッピングカートの作成だ。
はじめに
同特集の第1回目では、PHPが如何に馴染みやすいスクリプト言語であるかを解説した。記事を読んで、比較的容易に習得できそうな雰囲気だと感じていただければ幸いである。
今回は、目的を設けてPHPのコードを作ることで、PHPスクリプトのプログラミングに必要な基礎技術を身に付けてもらおうと思う。
今回の最終目的は、簡易ショッピングカートの作成とする。カタログの中から商品を選択してカート(買い物かご)に入れ、レジでカゴの中身を確認する。こう書くと難しいと感じる人もいるかもしれないが、個人のWebサイトで使う程度の簡単なショッピングカートであれば、今回の記事を熟読するだけで十分に作れる筈である。
PHPスクリプトの記述ルール
PHPの記述ルールは前回も少し触れたが、今回はもう少し詳しく説明していこう。
PHPでは、HTMLタグの中にPHPのコードを埋め込み、HTMLファイルの拡張子を「.php」に変更することで、スクリプトとして動作する。PerlなどのCGIスクリプトでは、ファイルのパーミッションは実行権限を有効にする必要があるが、PHPではその必要は無い。
PHPスクリプトの記述法には、次の2種類の方法が存在する。
1つ目は、主にブラウザへの出力の前処理(リクエストの解析やDBアクセスなど)を行う場合に用いられる記述法である(サンプル1-1)。
サンプル 1-1:演算と結果表示を一括りにした記述<?php $value1 = 123; $value2 = 456; $answer = $value1 + $value2; echo $answer; ?> |
ここではスクリプトの実行時に演算結果が分るように、5行目でブラウザへ演算結果を出力している。しかし、このような演算と表示を一括りにしたプログラミングは、規模の大きなスクリプトの作成時に、HTMLの至る箇所にPHPが点在してしまい、内容を把握し辛くなるという問題があるので注意しよう。
もう一つの方法は、前述の問題点の解決策となる記述法である。この方法は、変数の値や関数の実行結果をブラウザへ出力する場合に用いられる(サンプル1-2)。
サンプル 1-2:結果を出力するための記述法<html><body> today: <b><?=date("Y-m-d")?></b> </body></html> |
この2つの記述法を組み合わせることで、演算と結果表示を綺麗に切り離すことが可能になる(サンプル1-3)。サンプルでは、6行目を境にして演算と結果表示が綺麗に切り分けられている。
サンプル 1-3:演算と結果表示を分離させた記述法<?php $value1= 123; $value2= 456; $answer= $value1+ $value2; ?> <html><body> <b>$value1</b>+<b>$value2</b>=<i><?=$answer?></i> </body></html> |
今回は、演算と表示を切り分けしたプログラミングを行うが、これを更に突き詰めていくと、「MVC」と呼ばれる3層構造のプログラミング法にたどり着く。
MVCとは、演算(Model)、表示(View)、制御(Control)の3種類に切り分けるプログラミング技法で、複数のプログラマで共同開発を行う際に重宝する。このMVCについては、次回で詳しく解説する予定なので、楽しみにしてほしい。
以上でPHPスクリプトの記述法の説明は終わりである。次章では、PHPの基礎を説明する。
[照井進吾,ITmedia]
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