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2004/02/27 00:13:00 更新


OASIS、PKIの利用促進に向けたアクションプランを策定

標準化団体のOASISはRSA Conference 2004に合わせ、PKIの利用促進を目指す取り組みをまとめた「PKIアクションプラン」を発表した。

 標準化団体のOASISはRSA Conference 2004に合わせ、PKIの利用促進を目指した「PKIアクションプラン」を発表した。

 PKIは電子署名や認証といった仕組みを支える重要なセキュリティ基盤だ。日本でも、企業間の電子商取引のほか、自治体が展開する公的個人認証サービスや各種の電子申請システムなどに利用されている。しかしその普及は、当初言われていたほどのスピードでは進展していない。「今年こそPKI元年だ」と言われながら裏切られる状態が毎年続いてきた。

 PKIアクションプランは、こういった状況を変え、PKI導入、採用を促進するため、OASISのPKI TC(Technical Committee)によってまとめられた。

 「PKIは、そこから得られるメリットの割にコストが高くついていた。このアクションプランを通じてコストとメリットのバランスを変え、PKIがより多くの人に必要とされるようにしていきたい」と、PKI TCの共同チェアで、同プランの作成にかかわった米Sun Microsystemsのスティーブ・ハンナ氏は述べている。

 「過去9カ月をかけてPKI採用企業に対する調査を行い、200以上の回答を得た。その結果、“対応アプリケーションが少ない”“コストがかかりすぎる”“相互運用性に欠ける”といった問題点が浮上してきた。あまりに技術に偏りすぎ、ビジネス上のニーズを反映していない点も課題の1つだ」(同氏)。

 アクションプランには、PKI利用促進のための具体的な取り組みと実行時期がまとめられている。たとえば2004年春には、PKIと親和性の高いアプリケーション、具体的には電子文書への署名、安全な電子メールや電子商取引といった3種類のアプリケーション開発のためのガイドライン策定を進めるほか、相互運用性のさらなる向上を目指したテストを拡大する。他にも、アプリケーションベンダーからの要望調査や、導入の最終判断を下す経営陣を対象とした資料の作成などが盛り込まれている。

 ハンナ氏は、PKIはガートナーの「ハイプ曲線」でいう反動期を越え、回復期に向かっているところだという。「ベンダーやシステムインテグレータ、それ以外の人々も巻き込んだ、業界全体の取り組みとして次のステップを踏み出したい」(同氏)。

関連リンク
▼OASIS PKI TC
▼IPAセキュリティセンター(PKI関連技術情報)

[高橋睦美,ITmedia]

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