ケーススタディ
2004/03/03 14:47:00 更新


ANAラーニング、業務効率アップにオンラインCRM「salesforce.com」導入


 オンラインCRMサービスを提供するセールスフォース・ドットコムは3月2日、ANAおよびANAグループのビジネスサポートを行うANAビジネスクリエイトの教育・研修事業部「ANAラーニング」が、オンラインCRMのsalesforce.comを導入したと発表した。

 ANAラーニングは、部門の営業、業務、講座の講師向けに約1カ月でsalesforce.comの導入を完了し、顧客情報や商談および講座状況などの情報を一元化し、社員間での共有化を実現した。また、講座開催のための業務処理の効率化、申込み状況のリアルタイムでの把握、見込み客や受講者のフォローなどが可能になった。

 ANAラーニングでは、さまざまな教育講座の開講や講師の派遣などにより管理ファイルが複数あり、煩雑な状態だったという。また、講座の申し込みや入金確認メールを手動で返信し、受講票を郵送するなど、膨大な事務作業が発生していた。さらに、受講申込み者リストは紙に手書きし、日々の申込み状況は黒板に掲示していた。セミナー申込者、受講者情報、講師のスケジュール情報などをリアルタイムに把握するには程遠い状況だった。

 そこで、同社は蓄積された顧客情報を有効利用できる形にデータベース化し、さらに営業や業務担当、講師の諸業務を簡素化することで負担を軽減するためのシステムの導入を検討した。salesforce.comを選択した理由は、サーバやソフトウエアの導入の必要がなく、メンテナンスも不要なため低コストで導入できること。また、Webサービスであると同時に業務内容に合わせたカスタマイズもできるなどの機能も評価したという。

 salesforce.comの導入により、多数のファイルに分散していた情報を一元化、部員による共有を実現した。情報が一元化されたことにより、各商談や講座の状況をリアルタイムに把握することが可能になった。また、ホームページからの講座申込み情報をsalesforce.comに取込み、手作業で行っていた申し込み対応も自動化した。さらに、各種帳票の作成をワンクリックで行えるようになった。

 その結果、業務効率は大幅に改善し、事務作業にかかっていた時間を受講者や見込み顧客の対応に費やせるようになるといった効果が出ているという。

 ただし、部員のITスキルのレベルの違いや活用度合いにばらつきがあるため、システムをフルに活用できていないのも事実とする。今後は、部員のシステム活用の徹底とスキルアップを行う予定としている。

関連リンク
▼ANAビジネスクリエイト
▼セールスフォース・ドットコム

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