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2004/03/07 00:00 更新


特集：Linuxカーネル2.6で実現するACL (5/5)


Linuxカーネル2.4のシステムでACLの恩恵を受けるには？

　冒頭でも解説したが、LinuxにおけるPOSIX ACLはカーネル2.6で初めてサポートされた。もし、これ以前のLinuxカーネルのシステムでACLを使用したい場合は、システムをカーネル2.6に移行するか、もしくはカーネルにACLパッチを当てるかのどちらかを行う必要がある。これらの作業について、各ディストリビューションおける具体的な方法は解説しないが、幾つかポイントをまとめておくので、参考にしていただければ幸いである。

●2.6カーネルへ移行する

　積極的な解決策としては、システムに2.6カーネルを導入するという手がある。ただし、まだ正式リリースから十分に時間が経過しておらず「枯れている」とは言いづらいためにためらうかもしれない。個人的に管理しているPCなどでカーネルのアップグレードに対するリスクを容認できるのであれば、これを機にLinuxカーネル2.6の世界を楽しんでみるのもいいかもしれない。

　Red Hat LinuxなどRPMベースのディストリビューションの場合は、こちらのサイトなどでRPM化された2.6カーネルを入手できる。

　Debian GNU/Linuxの場合はsid向けに2.6カーネルのパッケージが提供されているほか、backports.orgを含む幾つかのサイトでwoody向けに構築されたカーネルパッケージが公開されている。

●ACL対応パッチ当てた2.4カーネルを適用する

　2.6カーネルにマージされたACLパッチは、Linux Extended Attributes and ACLsから入手可能だ。同サイトで提供されているパッチを適用すれば、2.4カーネルでもACLを利用可能だ。2004年2月現在、このサイトではカーネル2.4.23向けのパッチ（パッチバージョン0.8.65）、「coreutils 5.0-0」「nfs-utils 1.0.6」向けのパッチが公開されている。

　また、Debian GNU/Linuxでは先ほどのパッチが「kernel-patch-acl」というパッケージで提供されており、これを利用してACL対応の2.4カーネルを構築できる。サーバとして運用しているシステムなど、2.6カーネルへのアップグレードが躊躇われる場合は、このようなパッケージを利用するとよいだろう。

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[長谷川 猛，ITmedia]

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