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2004/03/12 17:42 更新


NECとTAO、新開発の量子暗号システムで150km単一光子伝送に成功

NECとTAOは、平面光回路技術を応用した独自の量子暗号システムを開発し、世界最長となる150Kmの単一光子伝送に成功したと発表した。

 NECと通信・放送機構(TAO)は3月12日、平面光回路技術を応用した独自の量子暗号システムを開発し、世界最長となる150Kmの単一光子伝送に成功したと発表した。今回開発した量子暗号システムにより、首都圏広域光ネットワークへの適応に十分な伝送距離をカバーできるという。

 量子暗号システムは、単一光子(光子1個)の状態が測定前後で変化することを利用して盗聴を検出する。光子1個で1ビットの情報を伝送するため、微弱な光信号の中から光子1個が含まれているか、検出できる高度な技術が受信機側に要求される。従来のシステムでは、光ファイバの光散乱戻り光による雑音で100Km程度の伝送距離に制限されていた。

 今回の150Km伝送には、TAOからの委託研究「量子案後技術の研究開発」プロジェクトで、NECが独自開発したシリコン基板上に構成した全固体量子光符号復号器と、科学技術振興事業団(JST)創造科学技術推進事業の研究プロジェクト「今井量子計算機構プロジェクト」でJSTとNECが共同開発した低雑音光子受信器を組み合わせて実現した。

 全固体量子光符号復号器を用いた片道単一光子伝送システムを独自に開発。従来の往復伝送システムで問題となっていた光ファイバ中の散乱戻り光による雑音を10分の1以下に低減し、光ファイバ中の波長分散効果を打ち消すことで、長距離伝搬で発生する光子検出感度の低下を防止するなどしたという。

 NECは、あらゆる盗聴に対して高度な安全性を持つ広域光ファイバネットワークシステムの実現に大きく貢献すると期待される、としている。NECとTAOでは、今回の成果を生かし、首都圏広域ネットワークでの量子暗号システムの早期の実用化に向けて、研究開発を一層加速していく。

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[ITmedia]

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