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2004/03/15 16:25 更新


ターボリナックスよどこへ行く、今度はライブドアの子会社に

「UnitedLinux」が事実上の終焉を迎えた今、ターボリナックスの親元がSRAからライブドアへと変わることになった。

 SRAは3月15日、同日に開催された取締役会において、同社の100%子会社であるターボリナックスをライブドアとの株式交換により同社の完全子会社とすることについて決議し、ターボリナックスとの間で株式交換契約を締結したことを発表した。

 株式交換の条件は、ターボリナックスの株式1株に対して、ライブドアの株式0.60153株の割当て交付を受ける。この交換比率は、第三者機関がターボリナックスDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法およびライブドア直近3か月間のマザーズ市場株価の平均を検討した上で決定されているほか、3月25日に実施予定のターボリナックスの増資(普通株式:37万株)も考慮したものとなっている。

 今後のスケジュールとしては、3月下旬にターボリナックス臨時株主総会の開催、5月6日に株式交換期日・株券交付日となっている。

なぜ手放す? なぜライブドア?

 SRAがターボリナックスを子会社化したのは、2002年8月のこと。「UnitedLinux」の一角を担うターボリナックスを子会社化し、自社で商用サポートしているPostgreSQLとの組み合わせで、エンタープライズLinuxの分野にビジネスを展開するのが狙いであった。

 確かにその後、国内サーバにおけるLinuxのシェアは順調に伸びてはいたが、ターボリナックスが成果を上げているクライアント領域とSRAの事業ドメインである企業向け領域におけるシナジーは十分に発揮されていなかった。

 関連する市場における競合も激化していることから、SRAは自社が強みとしている企業向けの領域に経営資源を集中することが不可欠であると判断し、今回の決断に至っている。

 SRAは今後、ターボリナックスをはじめLinuxディストリビュータ各社と偏りのない連携を積極的に進めていく方針。

 今回ターボリナックスを子会社化するライブドアは、旧エッジ時代に発表したLindowsOSの日本語版に見られるように、クライアントOSとしてのLinuxを市場に提供しており、クライアント領域で成果をあげているターボリナックスを傘下とすることで、一層の事業拡大を狙う。特に、日本語環境の作りこみで少なくないノウハウを持つターボリナックスのリソースを活用したい考えだ。

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[西尾泰三,ITmedia]

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