特集
2004/03/25 18:00 更新


特集:第3回 JBossのインストールから基本的な使い方まで (1/8)

Webアプリケーション構築で拡張性を持たせるEJB。オープンソースとして提供されているアプリケーションサーバソフト「JBoss」を取り上げ、インストールから基本操作までを解説する。

 第1回「EJBの仕組みを知ろう」、第2回「インタフェースとBeanクラス作成でEJBの核を知る」と重ねてきた特集「JBossで始めるEJBの基礎入門」も、今回でひと区切りとなる。第2回目まででEJBの基礎を理解したことを踏まえ、今回は実際の稼働環境で使用するアプリケーションサーバ「JBoss」のインストール、そしてこれまでに解説したEnterprise Beanを配置し、実行をしてみよう。

見 出 し 一 覧
1. JBossはオープンソースのJ2EE対応アプリケーションサーバソフト
2. 入手方法からインストール−通常はバイナリ版を利用
3. まず最初にフォアグラウンドでのJBoss実行
4. フォアグランドのJBoss終了はCtrl+Cで
5. 実用的なバックグラウンドでの起動と停止方法
6. JBossにEnterprise Beanを配備する−ソースファイルのコンパイル
7. Enterprise Beanを配備のJNDI名を定義するjboss.xmlファイル
8. 実行形式のjar形式へとまとめる
9. 配備するだけで実行準備完了するホットデプロイ
10. JNDI名の確認
11. EJBを利用するスタンドアロンアプリケーションを作る
12. JNDI検索後にホームオブジェクトを取得する
13. Enterprise Beanのインスタンスを作る
14. Enterprise Beanを使う
15. J2EEのクラスファイルを用いコンパイルと実行をする
16. JNDIの設定で注意すべき点
17. Enterprise Bean作成は容易、難しいのはコンパイル後の配置など

JBossはオープンソースのJ2EE対応アプリケーションサーバソフト

 JBossは、JBoss Groupによって作られたオープンソースのJ2EE対応アプリケーションサーバソフトだ。J2EE 1.3仕様を完全にサポートし(JBoss 3.2の段階)、LPGPライセンスの元で自由に利用できる。2004年3月19日現在は、JBoss 3.2.3が最新バージョンとなっている。なお、現時点ではJ2EE 1.4仕様のJBoss 4.0(3月16日公開バージョンは4.0.0DR3)も存在するが、JBoss 4.0はデベロッパーリリースであり、正式版ではない。

 また、JBossはWebコンテナとしてTomcatを採用している(関連特集)。そのため、JBoss 3.2.3をインストールすれば、EJBだけでなく、JSP/サーブレットも実行できる。

入手方法からインストール−通常はバイナリ版を利用

 JBossには、ソース版とバイナリ版が用意されている。バイナリ版といっても一般的なマシン依存コードではなく、JavaのVMコードで構成されたものだ。そのためプラットフォーム依存はない。一般的にはソースから構築する必要はなく、バイナリ版を利用すればよい。

 JBossは、JBossのダウンロードページから入手できる。ダウンロードページには、zip形式、tar/gzip形式、tar/bzip2形式があるが、内容は同じなので、自分の環境に合ったものを利用するとよい。今回は、tar/gzip形式のjboss-3.2.3.tgzをダウンロードし、Red Hat Linux 7.2上で利用する方法を説明する。JBoss 3.2.xの実行には、JavaVMの(J2SE)の1.3以上が必要となる。既にインストールしていないのであれば、先にJavaVMをインストールしておこう。


EJBの開発には、J2SEではなくJ2EEが必要だ。しかし、JBossにはJ2EEに準拠するクラスファイルが含まれているので、JBossを使って開発する場合には、J2EEではなくJ2SEで構わない。

 JBossは、インストール作業が特に必要なく、tarコマンドで展開後、適当なディレクトリに配置するだけでよい。まずは、jboss-3.2.3.tgzファイルを展開する。

$ tar xzvf jboss-3.2.3.tgz

 カレントディレクトリにはjboss-3.2.3というサブディレクトリができ、その中にファイルがある。そのままのディレクトリで実行してもよいが、以降の解説で分かりづらくなる可能性がある。そのため、以下の説明では次のように展開した内容を/usr/local/jboss/ディレクトリに移動する。

# mv jboss-3.2.3 /usr/local/jboss

      | 1 2 3 4 5 6 7 8 | 次のページ

[大澤文孝,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.