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2004/03/25 21:24 更新


NovellがIBMおよびHPと提携強化

米IBMはLinux大手となったNovellに対し、約束通り5000万ドルを出資、両社の技術提携を強化した。一方、Hewlett-PackardもデスクトップPC事業の推進に向けてNovellとの提携を拡大する。

 3月23日の発表によると、今回の契約の一環として、IBMはNovellのSUSE Linuxを直接自社のブレードサーバおよびサーバの4シリーズすべてに搭載できるようになる。現在は、顧客の要望を受けてIBMがSUSEに再発注する形を取っている。

 IBMのライバルであるHPは既に、自社サーバにSUSE Linuxを搭載することが認められているが、SUSEの元CEOで現在Novellの欧州事業責任者を務めるリヒャルト・ザイプト氏によれば、今回この契約をデスクトップPCにも拡大する。

 HPとの提携の拡大は、米ソルトレークシティーで開催の「Novell BrainShare 2004」カンファレンスで24日発表された。これにより、現在デスクトップ用ソフトウェアで独占状態にあるMicrosoftへの圧力が増すことになる。現在デスクトップPCの販売でシェア1位のHPは今月、アジアでLinux搭載PCの販売に乗り出すと発表、Microsoftとある程度距離を置く姿勢を見せている。

 HPでLinuxを担当するマーティン・フィンク副社長は、「Novellとの提携がデスクトッププラットフォームに拡張されることになった。今後、広範なデスクトップおよびノートPCでNovell SUSE Professionalの認証、テスト、サポートを行う。年内に最初のモデルを投入する予定だ」と述べた。

 現在、各社のLinuxの売り上げの大半はサーバ(顧客データベースの格納やWebサイトの運用などのタスクを処理する強力なネットワーク型マシン)によるもの。市場調査会社によると、サーバ市場全体ではIBMが最大のシェアを確保しているが、Linuxサーバ分野ではHPがリードしている。

金銭的条件

 IBMは昨年11月、NovellがSUSE LINUXを2億1000万ドルで買収する計画を発表した際、同社への出資を約束した。SUSEはLinux販売でRed Hatに次ぐ業界2位の大手ベンダー。しかしNovellとIBMは、1月にSUSEの買収作業が完了するまでに契約条件で合意に至らず、Novellのジャック・メスマンCEOは3月22日、金銭的な条件で折り合いがつかなかったことを明らかにした。

 IBMの出資は、同社とNovellとの関係強化につながる。NovellのSUSE部門も、IBMの全サーバシリーズをサポートすることに関してRed Hatよりも意欲的な姿勢を示している。

 今回の取引でIBMはNovellの優先株を取得した。この優先株は、800万株の普通株(1株当たり6.24ドル)に転換することができる。配当は年2%で、Novellは四半期毎に現金で支払う。

 Novellによると、IBMは株式転換により、Novellの発行済株式3億9000万株のうち2%弱を保有することになる。

 IBMが昨年11月に出資計画を発表して以来、Novellの株価は上昇しているため、Novellでは、IBMが購入した優先株の転換条項の価値に関連して今四半期に約2600万ドルの非現金配当を達成できると見込んでいる。Novellによると、この転換条項では、今四半期、1株当たりの利益が約7セント減少するが、純利益が減少することはないとしている。

 Red Hatも3月23日、IBMとの提携を発表した。POWERプロセッサを搭載するIBMのサーバで同社版Linuxを利用可能にするというもの。IBMは既に、自社のIntelプロセッサベースのシステムでは「Red Hat Enterprise Linux」の搭載が認められている。

 IBMのLinux部門ゼネラルマネジャー、ジム・ストーリングス氏はBrainShareでのスピーチの中で、「Novellとの提携には、販売、マーケティング、トレーニングの各分野での取り組み強化が含まれる」と述べた。ストーリングス氏によると、この取り組みでは、MicrosoftのWindows NT 4のユーザーをLinuxに引きつけるという、既に発表したプログラムだけでなく、電子メール/予定表サーバソフトウェア「Microsoft Exchange」のユーザーをNovellの競合製品である「GroupWise」に乗り換えさせるという新しいプログラムも含まれるという。

 一方、デスクトップLinuxも勢いづき始めている。Novellは「完璧なデスクトップLinux」を目指しており、Red Hatは3月23日、デスクトップ向け製品を年内にリリースすると発表した。

 デスクトップLinuxをサポートするハードウェアメーカーはHPだけではない。Sun Microsystemsでは「Java Desktop System」製品を提供している。また、ストーリングス氏によれば、IBMもデスクトップLinuxに関心を持っているという。「これは顧客に大きく訴求する分野だ。彼らはWindowsよりもLinuxの方がずっとセキュリティが高いとみている」(同氏)

著作権紛争

 NovellとIBMは、Linuxが自社の知的財産を侵害しているとするSCO Groupの主張に対抗している二大勢力である。SCOは、UNIX技術をLinuxに流用したのは契約違反だとして、IBMに対して50億ドル以上の損害賠償を求める訴訟を起こしている。しかし、UNIXの元所有者で、少なくともその技術の一部をSCOの前身企業に売却したNovellは、現在も自社がUNIXの著作権を保有していると主張している。

 HPとNovellはLinuxユーザーに法的免責措置を提供しているという。「われわれはNovellと協力して、免責プログラムをさらに拡大するつもりだ」とフィンク氏は話す。

 Novellとの提携強化により、Linuxは従来よりもはるかに広範なコンピューティング機器に対応するようになる、とフィンク氏は付け加える。「ノートPCからデータセンターに至る一貫したプラットフォームでLinuxが利用可能になる」と同氏。

 フィンク氏によると、HP社内でも、電子メールのルーティングやインターネットのドメインアドレスサービスなど用途で4500台のLinuxシステムを使用しているという。

 Novellも、Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェアの採用に積極的だ。同社のクリス・ストーン副会長によると、今年の夏までにMicrosoft Officeから「OpenOffice.org」に移行し、年末までにLinuxデスクトップに移行することを目標にしているという。

 Novellは以前から「NetWare」というOSを販売しているが、同OSはMicrosoft Windowsとの競争に敗れ、次第に利用者が減少してきた。同社ではLinuxを利用して顧客とビジネスパートナーに新たな将来を示すべく、NetWareのネットワークサービス(ファイル/プリンタ共有など)をLinuxに移植する考えだ。

 Novellでは、年末にリリース予定の「NetWare 7」から、「Open Enterprise Server」と呼ばれるパッケージに「SUSE Linux Enterprise Server」を含める予定だとしている。ジャック・メスマンCEOは3月22日のインタビューで、「Linuxは単独でも提供されるが、NetWareには必ずLinuxが添付される」と答えている。

原文へのリンク

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[ITmedia]

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