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2004/03/26 21:57 更新


Solarisが標的? デルがUNIX移行支援サービスを発表

デルが主にサンのSolarisを標的にしたUNIX移行支援サービスを5月から開始する。同社では「2004年はUNIXからLinuxへのマイグレーション元年になる」と話す。

 デルは3月26日、マイケル・デル会長兼CEOの来日に合わせ、新しいエンタープライズ戦略を発表した。SunのSolarisのようなUNIXからLinuxやWindowsへの移行を提案・支援するサービスを5月から開始するほか、運用・保守面では今年後半に「プラチナサービス」を追加し、UNIXシステム並みのサービスレベルを提供していく。

 記者会見に同席した日本法人の浜田宏社長は、「IT投資に対する目がますます厳しくなる中、デルは標準技術を採用したROIの高いソリューションを提供していく」と話した。

 今回のエンタープライズ戦略の核となるのが、5月からスタートする「移行支援サービス」。デル・プロフェッショナル・サービス(DPS)では既に個別で多くの移行支援を行い、ノウハウを蓄積してきたが、その移行プロセスを標準化し、より短期間で移行が図れるよう体系化した。顧客のシステム環境をモデル化し、モデルごとに適した移行プランを提案するという。製品だけでなく、サービスにも標準プロセスを取り入れ、その迅速化と低コスト化を図るのが同社の「デルモデル」だ。オンラインでシステム移行の評価が行えるよう「Dell Solution Online」を開設するのもデルらしい。

 移行支援サービスは、大きく分けて3つ。データの移行・統合、ERPのようなパッケージアプリやデータベースの移行、そしたカスタムアプリケーションの移行だ。ストレージの移行で保守・運用コストを10分の1に削減した大手通信会社、SAP R/3システムをIBM RS/6000からPowerEdgeサーバに移行して保守・運用コストを4分の1に引き下げるなど、既に多くの成功事例があるという。

 同社エンタープライズ・システムズ・マーケティング本部の多田和之本部長は、「ハードウェア、ソフトウェアどちらの分野でも標準技術が独自技術を上回る変曲点に達した。2004年はUNIXからLinuxへのマイグレーション元年になる」と話す。

 多田氏は今年1月、サン・マイクロシステムズからデルに移籍したばかり。「最も広範に使われ、標準に最も近いSun Solarisからの移行が結果的に多くなる」(多田氏)というのは皮肉だ。

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[浅井英二,ITmedia]

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