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2004/04/07 20:27 更新


脆弱性情報を管理システムに取り込める、シマンテックが早期警告サービスの新版

シマンテックは4月7日、早期警告サービスの新版「DeepSight Alart Services 6.0」の提供を5月10日から開始すると発表した。

 シマンテックは4月7日、早期警告サービスの新版「DeepSight Alart Services 6.0」の提供を5月10日から開始すると発表した。アラート情報の管理システムなどにインポートできるようにし、問題が解決するまで追跡できるようにした。

 同社が提供しているDeepSightには、ソフトウェアの脆弱性と悪意のあるコードを速報するサービスのAlart Servicesと、インターネット上の脅威をグローバルな視点から提供するThreat Management Systemの2種類がある。今回バージョンアップするのは、前者のAlert Services。

 同社によると、脆弱性や攻撃の情報収集を行う専任のスタッフを抱える企業は30%弱しかおらず、情報収集・活用に課題を抱える企業は50%以上に上っている状況。現在、「1日に7件のペースで脆弱性が見つかっている状況」(米Symantecマーケティングディレクター香川悦子氏)といい、多くの企業が情報量が多すぎることを問題として認識しているという。

 セキュリティ担当者が情報収集に費やす時間は1日当たり平均2.1時間とされ、1時間あたりで社員に支払う費用が4000円で試算すると、そのコストは1年で320万円を超える。「企業は情報収集だけで、これだけのコストを負担しなければならない。DeepSightを利用すれば、その手間と費用を削減できる」と、シマンテックの吉田一貫プロダクトマーケティングマネジャーは説明する。

 DeepSight Alert Servicesは、OSをはじめとして脆弱性と悪意のあるコードに関する情報データベースで、2200ベンダー、4600製品、18000バージョンの脆弱性を常時監視しているのが特徴。専門のアナリストが情報を分析し、パッチや回避策の提案などとともにいち早い情報を提供するサービスだ。

 今回発表されたバージョン6.0では、XML形式によるアラート情報配信に対応した。MLファイルは電子メールで配信され、これを企業が構築した管理システムにインポートすることで、問題が解決するまでトラッキングすることが可能になるという。「例えば、Remedyのヘルプデスクシステムに組み込んで利用できる」。

 また、DeepSight Alart Serviceに管理者を登録できるようにもなった。登録した管理者は、ほかのユーザーが設定した内容を一元的に管理できるようになる。そのほか、インターフェースとなるWebサイトの静的な部分を日本語化したほか、アラート履歴を詳細な項目で検索できる機能などを強化した。

 ライセンス価格も見直しており、シマンテックのほかの製品と組み合わせて購入しやすくした。価格は、1〜9の年間ライセンスで55万円から。XMLによる配信を利用するには、ユーザーライセンスを含むコンテンツマネジャーライセンスを購入する必要がある。価格は1年で220万円。

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[堀 哲也,ITmedia]

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