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2004/04/07 20:39 更新


UFJグループ、新BIS規制対応システムにSASのBIプラットフォーム導入

SASインスティテュートジャパンは、SAS Systemの最新バージョン「SAS 9」が、UFJグループが開発中の新BIS規制対応システムの分析ツールとして採用されたことを明らかにしている

 SASインスティテュートジャパンは4月6日に、SAS Systemの最新バージョン「SAS 9」が、UFJグループが開発中の新BIS規制対応システムの分析ツールとして採用されたことを明らかにしている。SAS 9は、ビジネスインテリジェンス(BI)を実現するための基盤となる製品で、3月31日に限定出荷を開始したばかり。

 UFJグループは、総合金融グループとしてリスクをコントロールし、経営の健全性と効率性を同時に高めていくため、信用・市場・オペレーショナル・流動性といった各種リスクに対する管理体制を、グループベースに拡大するための体制整備を進めている。

 2006年12月末から施行される新BIS規制(Basel II)に向けた対応を、UFJグループのIT会社であるUFJISを中心に、新BISシステム開発プロジェクトが推進しているという。

 新BIS規制では、信用リスクアセットをよりリスクセンシティブなものにするために、標準的手法・基礎的内部格付手法・先進的内部格付手法の3つの手法が提示される。内部格付手法により信用リスクアセットを計算する場合には、「デフォルト率」「デフォルト時損失率」「デフォルト時エクスポージャー」といった統計指標を自行推計する必要がある。

 これに対応するため、UFJISは「SAS 9」を導入することで、統計分析の速度と精度を高め、より高度なリスク管理手法に対応する新たなBIプラットフォームの構築を目指す。

 また、UFJグループは、SASを利用することで、大容量で高速なエンドユーザーコンピューティング(EUC)環境の実現を目指す。ALM(Asset Liability Management)や、CRM(Continuous Relationship Marketing)、与信ポートフォリオ分析といった分野では、ユーザーが直接数百万件のオーダーのデータを加工し、分析およびレポーティングといった業務を行っている。

 UFJIS情報システム部の澤村亨氏は「SASによる大容量分析、EUC環境と、スーパーコンピュータを組み合わせることで、フレキシブルな超高速演算環境を構築している。新BIS規制対応では、リテールポートフォリオのLGD・EAD推定など、従来にない規模のデータ解析が必要になるため、SAS 9の高度分析能力とデータ処理能力が、システム全体の機能と効率を向上することを期待している。」と話している。

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