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2004/04/09 21:35 更新


通信事業者向けマルチサービスエッジ製品を開発中、ノーテル

ノーテルネットワークス(ノーテル)は4月9日、記者説明会で通信事業者向けの「マルチサービスエッジ」(MSE)を開発していると話した。

 ノーテルネットワークス(ノーテル)は4月9日、記者説明会で通信事業者向けの「マルチサービスエッジ」(MSE)を開発していると話した。これまで通信事業者(キャリア)は、電話、データサービスなどのネットワークをサービスごとに異なるバックボーンで支えてきた。これを、複数サービスを集約できるエッジ製品に置き換え、MPLSを利用したバックボーンネットワークに統合することで、キャリアのネットワーク効率を最大限に高められるようにする狙いだ。

 ノーテルで通信事業者向け事業を担当するワイヤーラインネットワークスキャリアパケットソリューションズの清水謙二ディレクターは、「TDM、データ、ワイヤレスなどと通信事業者はこれまで個別に発展させてきた。だが、このビジネスモデルは成り立たなくなってきた」と指摘する。キャリアの固定網の売上は年々減少し、携帯電話やDSLオペレータなどに売上を侵食されている状況で、いままでのインフラ投資のやり方に限界がきているという。

 そこで、ノーテルはコスト高になっているサービスエッジに注目した。ATM交換機、エッジルータ、IPサービススイッチ、イーサネットスイッチなどを統合できるMSEの開発し、既存サービスと新規サービスを1つのIPネットワークに統合化できるようにする。

 MSEは理想ではあるものの、「これを作るのが難しい」と近藤卓司マネジャー。「伝統的なサービスと新規サービスの両方をサポートしなければならないし、パケット系でも絶対に落ちない信頼性が必要になる。ハードウェアだけでなくソフトウェアもモジュール化していく必要がある。また既存の構成にスマートに統合できる機能も必要だ」。

 近藤氏が「魔法の箱」と表現するMSEは既存製品では実現できない。そのため、ノーテルでは一から開発を行っている。ちなみにバックボーンコアには提携関係にあるAVICI SYSTEMSのコアルータを採用して、コンバージョンを提案していく予定という。

 既存の電話網をIPに置き換えるというのは簡単なことではないが、「ノーテルには交換機ビジネスで培ってきた実績と技術がある」と清水氏は胸を張る。

 北米キャリアのVerizonは1月、公衆交換電話網をIPベースに置き換える契約をノーテルと結んでいる。

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[ITmedia]

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