ニュース
2004/04/12 18:34 更新
堅調なERP総市場、2004年は二ケタ成長へ
矢野経済研究所は国内ERPパッケージ市場の実態調査を行い、分析結果を発表した。同レポートでは、2002年から2004年までのライセンス売上高によるベンダー別シェアと、2007年までのERPパッケージライセンス売上高の市場規模が算出されている。中堅市場を中心に2004年はニケタ成長が見込まれている
矢野経済研究所は国内ERPパッケージ市場の実態調査を行い、分析結果を発表した。同レポートでは、2002年から2004年までのライセンス売上高によるベンダー別シェアと、2007年までのERPパッケージライセンス売上高の市場規模が算出されている。大企業および総市場ベースでSAPの強さが目立つ結果となっている。また、中堅企業市場では、GLOVIA-Cがトップとなった。
|
2004年は二桁の大幅成長へ
調査によると、出荷ベースによるERPライセンス総市場規模は、2002年は649億3800万円で対前年比107.3%、2003年は698億4300円で対前年比107.6%で堅調に拡大。同社は、2004年の予測を817億9500万円、対前年比117.1%と3年ぶりの二ケタ成長を見込んでいる。
2003年のERP総市場のエンドユーザーへの渡し価格ベースによるライセンス売上高シェアでは、SAPが25.6%でトップ、Oracleは11.4%で2位、3位はGLOVIA-Cで10.8%となった。
だが、大企業だけを見た場合、2002年は104%、2003年は102.9%と微増に留まっていた。一方、中堅企業向けERPのライセンス売上高は2003年は280億6300万円と、対前年比115.4%と二ケタ成長を続けている。
同社は、2004年については、大企業でも119.5%の成長を予想している。市場が飽和し始めたとも見方もある大手企業向けERPだが、これを「導入の延期、ステップバイステップによる部分的な導入などの要因から一時的に市場が停滞している」との判断を示した。2004〜2005年にかけては、国内企業の約7割がレガシーシステムを使い続けており、これらのサポート満了時期が近づいていることによるリプレース需要が、市場を押し上げるとの見解を示している。
ERP市場の大企業および中堅市場の規模、2007年までの予想。
激化する中堅、IT投資は年商の1.5%?
SAPやOracleは、2003年以来、潜在的な巨大と言われる中堅ERP市場に対し、さまざまな取り組みを行うことを明らかにしている。今後、同市場がさらなら激戦区になることは必至という見方が強い。矢野経済研究所は、中堅企業のIT投資可能額について、「年商の1.5%が上限」と考えているという。
また、大企業では、ステップバイステップによるピンポイントソリューションへの回帰が見られるという。大企業は、小さく軽いパッケージを継続的に提案し、ユーザーを手放さないことがテーマになってくる。
ERPのコンセプトとしては、Suiteとしてのいわゆるビッグバン導入が理想。データモデルの統一など、全社的視点でシステムを稼動させることが成功への前提とも言われているが、その導入手法が国内市場の事情にマッチしているかには疑問が残ると指摘している。
関連記事ケーススタディチェンネル
関連リンク
矢野経済研究所
[Enterprise 編集部,ITmedia]
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.