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2004/04/13 21:12 更新


それぞれにJavaアプリサーバを改良したBEAとSun

BEA SystemsとSun Microsystemsはそれぞれ、Javaアプリケーションサーバの強化を発表した。BEAはVeritasとの提携を、またSunはJ2EE 1.4への準拠を打ち出している。

 BEA SystemsとSun Microsystemsは4月12日、それぞれ自社のJavaアプリケーションサーバを強化した。BEAは、Veritas Softwareとの提携を通じてユーティリティコンピューティングのための基盤を顧客に提供した。一方、Sunは、最新のエンタープライズJava標準をサポートするローエンド版アプリケーションサーバをリリースした。

 BEAがVeritasと交わした契約は、BEAのアプリケーションサーバ「WebLogic」とVeritasの3製品(サーバのプロビジョニングを自動化する「Veritas OpForce」、アプリケーションのパフォーマンス管理用の「Veritas Indepth」、複数のサーバを結び付けてグループ化する「Veritas Cluster Server」)との連携を改善するという内容(関連記事参照)。このアップグレード版は、J2EE(Java 2 Enterprise Edition)規格のバージョン1.4をサポートする。Sunのシニアプロダクトマーケティングマネジャー、デニス・マクニール氏によると、Platform EditionはSunのJavaソフトウェアのローエンド版で、主としてパイロットプロジェクトや部門用アプリケーション向けだという。

 J2EEバージョン1.4における主要な改良点の一つが、Web Services Interoperability(WS-I)グループの「Basic Profile」のサポートである。Basic Profileは、異なるベンダーの製品間で相互運用性を実現するために主要なWebサービス規格の実装方法を規定したもの。WS-Iのメンバーには、Microsoft、IBM、Sun、BEAといった大手ソフトウェアメーカーのほか、大手ユーザー企業などが含まれる。J2EE 1.4では、各種のWebサービス技術のサポートも組み込まれ、開発者は異なるタイプのソフトウェアアプリケーションを連携するのが容易になる。

 Platform Edition 8は、「JavaServer Faces 1.0」という新規格もサポートする。JavaServer Facesは、J2EEアプリケーションのユーザーインタフェースの開発とそのコードの再利用を容易にするAPIセットである。

 「従来、J2EEアプリケーションのインタフェースの作成では特定のツールや特定のベンダーに依存しなければならず、作成したインタフェースがすべてのアプリケーションサーバ上で動作するとは限らなかった。この部分を標準化したので、開発者が作成したユーザーインタフェースは任意のアプリケーションサーバで動作し、JavaServer Faces規格をサポートする任意のツールに対応するようになった」とマクニール氏は話す。

 Sunはアプリケーションサーバ市場では比較的小さなシェアしか確保しておらず、市場リーダーのIBMおよびBEAにかなり水をあけられている。しかしSunでは、J2EE 1.4をサポートする商用製品を出荷するのは同社が最初だという点をアピールしている。マクニール氏によると、Sunのアプリケーションサーバのハイエンド版でJ2EE 1.4に対応するバージョンは今年下半期にリリースする予定だという。

 さらにSunは4月12日、35社のベンダーが現在、同社のアプリケーションサーバをOEMベースで利用していることを明らかにした。「アプリケーションサーバの市場シェアの数字は製品の売上高に基づいたものであり、当社の製品の無償版をダウンロードした開発者が考慮に含まれていない」とマクニール氏は指摘する。

 「今年、当社のアプリケーションサーバのダウンロード数が100万件以上だったことを考えれば、当社の実績は正当に評価されていないと思う」(同氏)

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