インタビュー
2004/04/27 12:57 更新

インタビュー
IFSのジョンソンCTO、「ERP導入はビッグバンよりもステップバイステップの方が効率的」

「IFS World Conference 2004」では、コンポーネントベースで、必要な機能をステップバイステップで構築するIFS Applicationsの特徴が紹介された。同社のCTOを務めるダン・ジョンソン氏に話を聞いた。

 米フロリダ州オーランドで開催された「IFS World Conference 2004」では、コンポーネントベースで、必要な機能をステップバイステップで構築するIFS Applicationsの特徴が紹介された。同社は、自動車、ハイテク、製造業、プロセス、サービス、ユーティリティ、防衛など業種別に組織が分かれ、それぞれの分野を深く掘り下げている。

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ダン・ジョンソン氏

 また、導入する企業に対して、IFS Applicationsのソースコードが開示されることもほかのアプリケーションベンダーとは異なる点。これは、顧客の要求を受け入れ、パッケージに反映させ、機能を高めてきた同社の戦略の表れでもある。ユーザーにとっては、ソースコードを見られることは、運用するにあたっての安心感につながるとの意見も聞かれた。

 一方で、アーキテクチャとしてのIFS Applicationsの特徴はどんなものがあるか。同社のCTOを務めるダン・ジョンソン氏に話を聞いた。

ITmedia 技術的な側面から、IFS Applicationsで最も強調するべきことは何ですか?

ダン 1つは、コンポーネントモデルのアーキテクチャーであること。もしエンジニアリングに利用するならば、必要なコンポーネントを使い、その後で、人事や財務などのコンポーネントを随時導入することができる点で、柔軟なソリューションと言えます。

ITmedia ERPとして見たときに、SAPやOracleなどでは、いわゆる全社的にパッケージシステムを一括導入するいわゆるビッグバンプロジェクトが基本になります。一方、IFSはコンポーネントアプローチを取り、ステップバイステップでERPを構築していく点が非常に対照的な点だと思います。ビッグバンとステップバイステップという2つのアプローチについてどう考えているでしょうか。

ダン ビッグバンによる導入プロジェクトは一般に、システム設計から開発、テスト、カットオーバーまでに2年程度かかることが多いと言われています。そのため、いくら最初に設計を最適化したとしても、その前提となるビジネスは、導入プロジェクト期間中も移り変わっていき、2年後のカットオーバーの頃には、そのときの業務を反映しない「使えないシステム」になるといったリスクが存在します。

 この点で、コンポーネントごとに導入するステップバイステップ方式の場合、技術の進化やビジネスルールの変更といった環境の変化に、柔軟に対応しながらシステムを導入できるのです。

 また、IFS Applicationsがオブジェクト指向で開発されていることも強みとなっています。オブジェクト指向であったことで、この10年間の技術の変化、例えば、XMLやSOAPによるWebサービスを基盤とするJavaの動きや.NETの登場といった大きな流れにも、アプリケーションのコアとなるソースコードをあまり変更せずに対応することができました。

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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

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