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2004/05/06 08:55 更新


MS、セキュリティ技術「NGSCB」を修正へ

Microsoftはセキュリティ技術「NGSCB」を修正し、企業ユーザーやソフトメーカーがNGSCB採用のためにアプリケーションを書き換える必要をなくす方針。ただし、これまでのNGSCBを捨てるわけではないと強調している。(IDG)

 米Microsoftは5月5日、セキュリティ技術「Next-Generation Secure Computing Base」(NGSCB)に修正を加える方針を明らかにした。

 企業ユーザーやソフトメーカーから、NGSCB採用のためにコードを書き換えたくはないとの声が寄せられたため、NGSCBを作り替え、アプリケーションを書き換える必要をなくす方針だ。米シアトルで開催のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で同社プロダクトマネジャーのマリオ・ファレス氏が明らかにした。

 MicrosoftはNGSCBに変更を加えるが、これまでのNGSCBを捨てるとか、一から作り直すということではないと同氏は強調している。

 NGSCBは、ソフトとハードの組み合わせでPCのセキュリティを強化しようという技術で、以前はPalladiumというコードネームで知られていた。Microsoftは次世代WindowsのLonghornにNGSCBを組み込もうとしている。

 同社は2002年にNGSCB構想を発表、ちょうど1年前のWinHECで初のデモを行い、昨秋の開発者会議でデベロッパープレビュー版を配布している。

 MicrosoftはNGSCBを、保護されたエージェントを介して、ごく少量のデータを強力に保護するものにする計画だった。この場合、システムの安全領域で実行するエージェントを組み込むためにアプリケーションを書き直す必要が生じる。Microsoftは、アプリケーションを書き換えなくても、より多くのビットの安全化を図れるようNGSCBを書き換えることにした。

 「まだ詳細を固めている最中なので、昨年行ったような細部の話はできないが、年内には、フィードバックに基づいてこの技術をどのように実装するかの詳細を明らかにする」とファレス氏。

 NGSCBには「nexus」と呼ばれるWindows用の新ソフトコンポーネントと、「trusted platform module」と呼ばれる暗号化オペレーションの可能なチップが含まれる。ハードとソフトの組み合わせでPC内部に「第二のオペレーティング環境」を作り、アプリケーション、周辺機器、メモリ、ストレージとの安全な接続によってシステムを悪質コードから守るという仕組みになっている。

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