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2004/05/11 19:23 更新


IPA、一般インターネット利用者と同じ環境の新定点観測システム

IPAは、インターネット上の脅威などを観測しているインターネット定点観測システムを充実させたと発表した。

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は5月11日、インターネット上の脅威などを観測しているインターネット定点観測システムを充実させたと発表した。

 定点観測システムは、IPAに集まるOSやアプリケーションの脆弱性情報をもとにして、インターネット上の不正な目的のポートスキャンが発生しているか、などを観測しているもの。これら観測データを利用した分析結果を、セキュリティーセンター(IPA/ISEC)の緊急対策情報を発行するかの判断材料として活用している。

 これまでの観測システムは、連続されるIPアドレスを持っていたため、観測点が限定されていてもインターネット全体に影響を与える状況は把握できていた。

 だが、従来のシステムはSOHOレベルの環境で動作していたため、今回国内の一般的なインターネット利用者の80%が使っている環境と同じ、大手プロバイダ10社と接続して観測を行うシステムを新たに構築。この両方のシステムを同時運用することで、より効果的な観測が行えるようにする狙い。IPAでは、観測点を設置する条件として地理的な位置や設置台数ではなく、実際の利用者と同一の環境であることを重視しているという。

 新システムで得られた情報は観測データの蓄積が少ないため、すぐには通常時と異常時のデータを比較することはできない。このため、当面はこれまで通りの観測が主流となる。新しいシステムからの観測データが利用できるのは今夏以降になるだろうとしている。

 観測データの公開方法については、従来通りプレスリリースやWebサイト上の緊急対策情報などに利用していくが、定期的な観測データの公開についても検討を進めている。

関連リンク
▼IPA
▼IPA/ISEC

[ITmedia]

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