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2004/05/21 15:21 更新


PeopleSoftユーザー、ソフト所有プログラムを絶賛

PeopleSoftが昨年打ち出したソフト所有を強化するプログラムを複数のユーザー企業が賞賛。ソフトのアップグレードにかかる時間などが劇的に改善されたと賛辞を贈っている。(IDG)

 米PeopleSoftは、ソフト所有を強化するプログラムへの投資を実益に結び付けている。同社製品のユーザーは、このプログラムによりアプリケーションが導入・メンテナンスがより安価で簡単になったと評価している。

 PeopleSoftは今週、米ラスベガスで開催の顧客カンファレンス「Leadership Summit 2004」で、前年のLeadership Summitでトータルオーナーシップエクスペリエンス(TOE)プログラムを立ち上げた後に達成した多数の成果を披露した。この取り組みは、アップグレード、カスタマイズ管理、アプリケーションのモデリングのプロセスを自動化するツールを生んだ。

 PeopleSoft最高マーケティング責任者のナンシー・カルドウェル氏によると、同社はエンドユーザーの生産性を向上させるなどの取り組みを通じて、ソフトウェア所有関連費用を60%削減するという目標の達成に向け、現在折り返し地点に立っている。同社は1000人以上の開発者をこのプロジェクトに割り当て、既にTOEを強化するリリースを5つ以上完成させている。

 「この市場には大げさな売り込みがたくさんある。当社はこれまで通りの製品を提供できていることを非常に心強く感じている」とカルドウェル氏。

 PeopleSoftはTOEに関して、顧客の問題を解決するのに必要な時間を44%短縮し、アプリケーションのアップデートを導入する上で必要なステップの数を80%削減し、導入時間全体を20%減らしたとうたっている。

 Leadership Summit 2004では、ユーザー企業数社がTOEに賛辞を送った。地方銀行のHarris Trust & Savings BankのIT担当者は、計画しているPeopleSoft Financials Version 8.3から8.8へのアップグレードを、わずか8週間ほどで完了する見通しを示していると同行金融管理部門副社長のウィリアム・クラーグ氏。この期間の短さは、この業界ではほかに例を見ないものだと同氏は語り、2年以上かかっている進行中のほかの製品のアップグレードを引き合いに出した。

 「PeopleSoftと取引をして、彼らがわれわれの言葉に耳を傾け、時間を割いてくれていることに気が付いた」とクラーグ氏。同氏は米国企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)に準拠するためのツールなど、PeopleSoftのほかの幾つかの新アプリケーションにも関心を示している。

 TOEのメリットについて語ったのは、クラーグ氏だけではない。

 「それ(TOE)がセールスポイントだ」と話すのは牛肉供給業者Agri BeefのIS担当ディレクターを務めるケーシー・マクマレン氏。同氏はまだこれらのツールを使ったわけではないが、「PeopleSoftはカスタマイズ部分を追跡するツールや、必要なアップグレードを特定するツールなどについて理解させてくれた」と語る。

 同社は1月に、6週間にわたるテストを経て、2つのレガシーシステムに代えてPeopleSoftの「Enterprise Financials」を導入した。

 フロリダ大学ゲインスビル校のデータインフラ担当ディレクター、マイク・コンロン氏は、TOEがPeopleSoftの事業の中で重要な部分になっていると話す。同大学はPeopleSoftのポータルを利用しており、来月には人材管理・金融ソフトを導入する計画だ。コンロン氏によると、同大学はPeopleSoftの製品に関連するおびただしい数のパッチやアップグレードを適用しているが、カスタマイズ部分を特定・管理する診断ツールによって、このプロセスは簡単になっているという。

 またコンロン氏は、PeopleSoftソフトの特定のバージョンにどのパッチが必要とされているかをITスタッフが理解する手助けをする修正補助ツールの導入に関心があるとも話している。

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