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2004/05/23 02:28 更新


サイボウズが教える「成功するポータル構築のための3ステップ」 (1/2)

サイボウズ、誰でも使える、「ポータル型」グループウェアの最新バージョンを5月17日から出荷開始した。今回は、新機能の紹介と、成功するポータル構築のための3ステップを解説しよう。

グループウェアの本質は情報共有による業務効率アップ

 ひとりひとりの社員が持っている業務のノウハウや顧客に関するデータは、企業にとってかけがえのない財産であることに異議を唱える人は少ない。誰もが必要なときにそれらの情報を自由に取り出して参照できれば、新たなビジネスにも応用でき、成功への最短距離を進むことができるようになる。

 また、部署全員のスケジュールを共有しておけば、人が集まらない会議や無駄な待ち時間、行き違いなどを減少させることができる。つまりはチームワークを最大限に発揮して、スムーズに業務を進めることが可能になるわけだ。

 「情報共有による、業務効率の飛躍的な向上」、これを実現するのが、「グループウェア」というソフトウェアである。メンバーの仕事をデータベース(情報源)にして、そこに集まったナレッジ(知識)をスムーズに取り出し、業務に活かしていくことがグループウェアの大きな役割といえる。全社員で1つのシステム手帳を共有する、そんな風にイメージすればよいだろう。

「ポータル型」グループウェアとは?

 数あるグループウェアの中でも、最近特に注目を集めているのが「サイボウズ ガルーン」のような「ポータル型」のグループウェアだ。

 ポータルとは、英語で「入り口」や「門」を意味する。ポータル型グループウェアとは、1つの画面からさまざまな社内システムやWebサイトに自由にアクセスできる「情報の入り口」を備えたグループウェアのことである。

 ポータル型グループウェアはトップページを見るだけで、最新のデータやスケジュール、自分のやるべき仕事がすぐに分かるレイアウトになっている。今まで「情報を探す」ためにかかっていたコスト・時間を減らし、「最新の情報をリアルタイムで知らせる」ことで、業務のクオリティ、スピードを劇的に向上させることができる。

 「サイボウズ ガルーン」では、複数のポータルページをタブで切り替えて使用する。社員全員が共有する「全社ポータル」、その部署の全ての業務に通じる「部署ポータル」、個人のスペース「My ポータル」など、それぞれのポータルページから自分に必要な情報をキャッチでき、すぐに仕事を始めることができるのです。

成功するポータル構築のための3ステップ

 こうして作成したポータルページも、社員全員が日常的にアクセスして、実際に利用されなくては宝の持ち腐れとなる。全てのメンバーが毎日同じポータルにアクセスするからこそ、日々の業務の動きが情報として集約され、会社の活力となっていくのだ。

 何事にもあてはまることだが、成功するためには「小さく生んで、大きく育てる」ことが大事である。サイボウズでは、以下の3つのステップで“ポータル”を少しずつ導入し、ユーザーの間に浸透させていくことをお勧めしたい。

  • STEP1:毎日、誰もが使うグループウェア機能を盛り込む

 導入初期は、誰もが利用する「スケジュール」「掲示板」などのグループウェア機能をポータルページに盛り込んで構築する。スケジュールの共有や、掲示板での連絡を日常的に行うようにすることで、毎日ポータルにアクセスし、情報を発信・受信させることをユーザーに習慣化させる段階だといえる。

  • STEP2:業務内容にフィットしたポータルページの作成

 利用者が定着した段階で、少しずつ情報を増やしていく。このとき、単に情報の量を増やすのではなく、ユーザーの目的に合わせてポータルページを構成することが重要となる。

 例えば開発部の場合であれば、技術文書や仕様書へのリンクはもちろんのこと、最新のクレーム履歴をチェックできる仕組みが求められよう。管理部なら、重要な契約書や申請書などをすぐに取り出せるようにする必要があるだろう。

 業務内容が異なれば、必要な情報も違ってきます。ユーザーにとって使いやすいポータルページを作成するには、まず各部署の業務内容を十分に洗い出しておくことが不可欠といえる。

  • STEP3:基幹システムとの連携を実現

 最終的には、基幹システムとも連携させ、売り上げ・在庫状況の最新データなどもポータルから把握できるようにします。これにより、スピーディで、精度の高い経営判断が可能となる。

 成功するポータルのポイントとして、情報の鮮度を保つことが挙げられる。せっかくアクセスしたポータルページに新しい情報がなかったり、古い情報がいつまでも残っていると、ユーザーが離れていってしまうこととなる。ユーザーの信頼を勝ち取るには、手間を惜しまず、少しずつでも新しい情報を提供し続けることが大事なのだ。

 「いつでもここに来れば、自分に必要な、最新の情報が手に入る」、ユーザーにそう確信させることができれば、もうポータルなしで業務を進めることは考えられなくなっているはずだ。そこから、ポータル型グループウェア導入による、本当の業務改革が始まるのだ。


 次ページでは、5月17日にリリースされた「サイボウズ ガルーン 夏版 2004」の新機能を紹介しながら、ポータル作成の流れを見ていこう。

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