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2004/05/25 17:36 更新


統合性を武器にデータセンターに進出するブレード

データセンターで、ブレードサーバに重要なタスクを任せようとする動きが広まっている。IBMなどはブレードの統合性を生かし、スイッチモジュールを組み込むことでこうした需要に対応する考えだ。(IDG)

 コンパクトな設計で書棚に本を並べるようにラックに収まるブレードサーバは、データセンターで主にWebホスティング、キャッシュ、ファイアウォールなどの比較的軽いフロントエンドジョブを処理している。しかし、企業顧客はデータセンター整備のためにブレードを検討する傾向を強めており、データベースなどの重要なアプリケーションをブレードシステム上で稼動させようと考えている。

 ベンダー各社はトランザクション指向のアプリケーションや、より負荷の大きな処理に対応できるようブレードサーバの機能と性能を強化することで、こうした需要に応えている。また、エンドユーザーがブレードをデータセンターアーキテクチャにより容易に統合できるようにする取り組みも進めている。

 IBMは先日、Brocade Communications Systems製のファイバチャネルスイッチをBladeCenterシステムに組み込むと発表した(5月12日の記事参照)。その2週間前には、IBMとCisco Systemsが、CiscoのIntelligent Gigabit Ethernet Switch ModuleをBladeCenterに統合するなどの提携強化について詳細を明らかにした(4月30日の記事参照)。

 システムベンダーの大半はブレードサーバの一部にSAN接続やイーサネット接続機能を提供しているが、ネットワークインフラへの接続には大抵の場合、パススルーボードなどが必要になる。このため、ユーザーは各ブレードを外部のファイバチャネルスイッチやイーサネットスイッチにケーブルでつながなくてはならない。例えば初めてブレード用にファイバチャネルSAN接続機能を提供したHewlett-Packard(HP)は、メザニンカードかホストバスアダプタを使っている。

 IBMは実際のスイッチをBladeCenterに組み込むことで、ケーブルの必要性を減らし、ブレードをシームレスにBrocadeやCiscoベースのネットワークに接続できるようにする考えだ。こうしたスイッチはBladeCenterの筐体の背面に組み込まれ、一連の管理機能を提供する。アナリストは、サードパーティのスイッチをブレード製品に組み込むことを重視したのはIBMが初めてだとしながら、HPとIBMがNortel Networksの技術をベースにしたスイッチをブレードの筐体に統合している点を指摘している。

 Illuminataのアナリスト、ゴードン・ハフ氏は次のように話している。「こうした統合型モジュールがなかったら、ベンダー独自のスイッチを採用するしかなかっただろう。そうしたスイッチはインフラ全体とこれほどうまくは統合されないため、ブレードは孤立しがちになるだろう。あるいはBrocadeかCiscoのスイッチを外付けで利用しなくてはならなくなり、ブレードの統合性という特徴が幾らか失われていただろう。スイッチを統合することで、既存のスイッチインフラを使いながら、統合ブレード環境を利用できるようになる」

 ユーザーは、こうした機能によってブレードシステムでさらに多くのことができるようになると語る。

 ニューヨークのマリスト大学で技術・システム担当ディレクターを務めるハリー・ウィリアムズ氏は、約1年にわたって遠隔学習アプリケーションの運用にIBMのブレードサーバを利用している。同氏は、統合型のCiscoスイッチによって管理面での悩みが減り、ブレードの利用を拡大できると話す。

 「(Ciscoのスイッチモジュールは)従来よりもラックの中で場所を取らず、ほかのネットワーク管理ツールと密接に統合されている。ケーブルも、壊れるものも、購入するものも少なくなる。当大学では、これを使って新規プロジェクトをどう推進できるか見極める考えだ。グリッドプロジェクトの検討も始めており、BladeCenterがその鍵になると見ている」とウィリアムズ氏。

 IBMとCiscoの製品統合によって、同氏のスタッフはこれらの製品がうまく連係するか確認することに注力しなくてもよくなったという。

 「ベンダー間の責任のなすりつけ合いもない。私の仕事場に導入する前から、これらの製品はきちんと連係すると彼らは話している」(ウィリアムズ氏)

 システムベンダーは例外なく、ブレードをストレージ・ネットワークアーキテクチャにより円滑に統合する方法を引き続き検討するとしている。

 例えばRLX Technologiesのマーケティング担当副社長テハス・バキル氏は、同社の管理ソフト「Control Tower」はブレードをデータセンターインフラ全体に統合する鍵となる製品だとしつつも、IBMのようにサードパーティ製スイッチをブレードの筐体に組み込む可能性を否定していない。HPもブレードファブリックスイッチングに関する発表を行う計画だという。

 しかし、ブレードの採用を広げる上ではまだ幾つか障害があるとアナリストは言う。例えば、ブレードはまだ1Uサーバとほとんど同じ値段で、ブレード筐体と併せて購入しなくてはならない。複数のブレードを購入しなくては、実際の節約効果はないとユーザーは話す。

 ベンダーはブレードをデータセンターへ統合する取り組みを推進し続ける必要があるとアナリストは指摘する。

 D.H. Brownの業界標準コンピューティングプラットフォーム担当主席アナリスト、サラング・ガトパンデ氏は次のように語っている。「(対称マルチプロセッシングの)ブレードは大きな強みだ。マルチプラットフォーム、マルチOS対応のブレード製品もそうだ。顧客は1つのアーキテクチャやOSをただブレードに統合するのではなく、複数のOSをブレードフォームファクターに集約しようとしている。1つの筐体にRISC/UNIXシステムと(IntelのItaniumや)Opteronベースのブレード製品(をまとめて載せること)に対する関心は高い。そしてベンダーは、そうすることで筐体内に1種類のブレード製品のみを載せて販売する企業よりも、ずっと魅力的な提案ができるようになると考えている」

 このほかの問題としては、ブレード間の標準が存在せず、別々のベンダー製のブレードを組み合わせることができない点が挙げられる(3月17日の記事参照)。

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