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2004/05/27 14:46 更新


「NetWareはLinuxと統合させる」――ノベル、エンタープライズLinux国内戦略を発表

ノベルは5月27日、都内で発表会を開催し、同社の国内におけるエンタープライズLinux戦略を説明するとともに、今後の製品ロードマップを紹介した。6月から順次リリース予定となる。

 ノベルは5月27日、都内で発表会を開催し、同社の国内におけるエンタープライズLinux戦略を説明するとともに、今後の製品ロードマップを紹介した。

 同社のLinux国内戦略について説明を行った同社の代表取締役社長、吉田仁志氏は、「エンタープライズLinux普及の課題は、サポートなど信頼性の面、訴訟問題の不安などが挙げられる。ノベルはビジネスのソリューションにまで昇華しないとテクノロジーは意味がないと考えている。今回、サポート面も充実した包括的なLinuxベースの企業向けソリューションを提供することで、雲の上で作って下に降ろすというプロプライエタリなものから、より現場に近い形での選択肢を提供していく」と意気込みを語る。

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「市場はRed HatとSUSEの2つになっていくのではないだろうか」と吉田氏

新製品は6月以降順次リリース

 今回発表された製品は、次のように主にエンタープライズ向けの製品である。

  • Novell SUSE LINUX Enterprise Server(SLES):基幹系業務向け
  • Novell SUSE LINUX Standard Server (SLSS):中小企業・部門向け
  • Novell SUSE LINUX Desktop (SLD):企業用途でのLinuxデスクトップOS
  • Nterprise Linux Services:Windowsとのユーザー情報の同期を行うためのソフトウェア
  • Open Enterprise Server:NetWareからの移行パスとしてのOS

 SUSE LINUXの特徴として、シングルソースからなるユニバーサルOSとしての顔を持つ点が挙げられる。この特徴により、インテルやAMDの32ビット/64ビットプロセッサだけでなく、IBMのpSeriesやiSeriesなどの各プラットフォームで同時にセキュリティパッチをリリースすることが可能となる。

 SLES/SLSSはエンタープライズ向けに拡張性も重視している。32ビットで最大32CPU、64ビットで最大64CPUのマルチプロセッサに対応、メインメモリは32ビットで最大64Gバイト、64ビットで最大512Tバイトを搭載可能となっているほか、ストレージ対応では、イーサネット、SCSI、ファイバーチャネルなど複数の経路が利用できるマルチパス機能を備える。こうした機能の拡充により、これまでLinuxが多く採用されていたエッジ部分から、基幹業務や勘定系にも対応できる製品となっていると吉田氏は話す。

 SLD 1は、Novell SUSE Linux製品群のクライアントOSとしての位置づけとなる。Windowsに似たGUI構造を持つほか、Windowsアプリケーションの実行環境(Crossover Office)や、現在のOS環境を残したままのデュアルインストール/デュアルブートも可能となっており、Windowsとの共存や段階的な移行を行うことが可能となっている。

 Open Enterprise Serverは、同社のプロプライエタリなOSである「NetWare」からのマイグレーションパスとして位置づけられる予定だ。「同製品は、NetWareとLinuxを統合した製品となる」(吉田氏)とのことから、事実上、NetWareの名前を冠するOSの次期バージョンはリリースされないといえる。これに合わせて、この夏からはマイグレーションを支援するコンサルティングサービスを提供していく予定であるという。

 これらの製品が市場にリリースされる時期としては、6月1日から、ぷらっとホーム経由でSLES/SLSS 8およびSUSE Linux Professional/Personal 9.1のInternational版がリリースされ、7月1日からノベルのパートナー経由でSUSE Linux Professional 9Jがリリースされる予定となっている。SLD 1についても今後2カ月以内にリリースされる見込みだ。

 その後、2004年8月を目処にLinuxカーネル2.6を採用したSLES/SLSS 9Jが、年末までにSLD 1J、SUSE Linux Professional/Personal 9.2J、Open Enterprise Serverのリリースを予定している。

 なお、日本語版に関しては、600ページ以上にも及ぶユーザーガイド(管理者ガイドは700ページ以上)、商用日本語フォント、日本のプリンタベンダーから提供を受けたプリンタドライバなどが同梱される。

 価格は全製品ともオープン価格となっているが、予想される市場価格は、それぞれ次のとおり(いずれも1年間のアップグレード保証付き)。

  • Novell SUSE LINUX Enterprise Server 8:11万円〜
  • Novell SUSE LINUX Standard Server 8:4万8000円
  • Novell SUSE LINUX Desktop 1:6万1000円(5ユーザー)
  • SUSE Linux Professional 9.1J:1万1000円

 また、製品名に関しては今後、「Novell SUSE LINUX」としてノベルのブランディングを図っていく予定だが、急激な変化は市場にも受け入れられにくいとの判断から、当面は「SUSE LINUX」として販売していくという。

サポートプログラムの拡充も

 合わせて、パートナービジネスを支援する新パートナープログラムとして「PartnerNet 2004」。こちらは「ソリューションパートナープログラム」「テクノロジパートナープログラム」「OEMパートナープログラム」という、よりパートナーのニーズに即したサポート内容を提供するものが発表された。

 また、エンドユーザーを支援する新サポートプログラムとして発表された「Novell Premium Support」は、同社製品を購入したユーザーを対象とし、24時間365日のサポート、エンジニアリングに直結した日本でのLevel3サポートなどを提供する。

「Level3のサポートができるのは、Red Hatとノベルくらいのもの」(吉田氏)

 そして、SCO関連の訴訟からエンドユーザーを支援する「免責保証プログラム」。こちらは、メンテナンスサービスを購入したユーザーに対し、無制限の弁護士費用の全額負担などを含めた保障を行うという。

「ノベルはUNIXの知的所有権を保持しているという点で、他社のディフェンスファンドとは一線を画すといえる」(吉田氏)

 PartnerNet 2004とNovell Premium Supportは2004年6月25日から、免責保証プログラムは2004年7月1日からそれぞれ提供される予定だ。

オープンソースコミュニティーには「Give more than Take」を

 オープンソースコミュニティーに関しては、今後もその継続的な発展を支援する姿勢であることも明らかにされた。すでに同社のソフトでオープンソース化された製品には、管理ツールの「YaST」「iFolder」「Ximian Connector」などがある。

 吉田氏は「コミュニティーに対しては『Give more than Take』の精神で臨みたいと思う。また、オープンソースコミュニティーの中で著名な技術者の何人かは弊社の社員。今後もMono Projectなどリーダーシップを発揮していく場があると思う」と述べ、コミュニティーとの良好な関係も明らかにした。

[西尾泰三,ITmedia]

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