転職・就職情報サービスで成長を続ける「Re就活」 開発チームはどう活動しているのかユーザーとSIerの垣根を越えた共創による価値創出

変化が激しい転職・就職市場において、10代〜30代のニーズをつかんでいる「Re就活」シリーズ。その成功の裏には2000年から続く開発チームの奮闘と、クラウド移行に始まるブランド展開の戦略があった。

PR/ITmedia
» 2025年07月28日 10時00分 公開
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 「つくるのは、未来の選択肢」をパーパスに掲げ、約50年にわたって転職・就職情報サービスを展開してきた学情。同社は1984年に業界内でも特筆するほど早くから合同企業セミナー「就職博」を開催した他、現在の就活サイトを先取りしたインターネット就職情報サイトを展開したことでも知られる。デジタル施策にも積極的で、コロナ禍での対応環境の変化から、2020年ごろからオンライン型の合同企業セミナーにも取り組んでいる。メッセージアプリ「LINE」を活用したサービスなど求職者のニーズに応える施策を次々と展開中だ。

 転職・就職市場は社会情勢や規制、求職者のライフスタイルにも左右されやすく、サービス提供に当たっては折々のニーズに応えることが重要だ。素早いサービス展開が求められる一方で、個人情報を含む重要データを扱うことから安全かつ確実な開発・運用体制が欠かせない。

 高度なデータ管理とサービス品質の両立が求められる中にあっても同社は続々とサービスを拡大、刷新して新たなニーズに応え続けている。2004年に立ち上げた20代専門転職サイト「Re就活」は、「既卒」「第二新卒」という言葉が認知されていない状況での新たな市場への挑戦だった。同サービスは求職者に「未来の選択肢」を示すサービスとして認知されつつあり、順調に登録者数を伸ばしている。

 学情の転職・就職情報サービスをシステム面から支えてきたのが日本システム技術(JAST)だ。

photo 学情の澤井則明氏(メディアビジネス本部 Webメディアデザイン部 上席マネージャー)

 両社の関係は、大阪市を拠点にしていた学情が現社名に変更した2000年ごろにさかのぼる。同じく大阪市に本社を構えるJASTと物理的な距離が近いだけでなく、社風も近いものがあったという。

 学情の澤井則明氏は「われわれの事業の根本にあるのは『困っている人がいたら助けたい』という気持ちです。求職者に寄り添うサービスを提供する中で、JASTさまとは画一的ではない形で付き合いを深めてきました。両社の社風はよく似ていると感じます」と話す。

10〜30代の転職・就職を支える「Re就活」ブランドの狙い

 学情とJASTが2016年から取り組んでいるのが「Re就活」ブランドで展開するさまざまなサービスのリニューアルだ。

 「2017年にRe就活をリニューアルし、クラウドにサーバを全面移行しました。その後も、新卒向けの『Re就活キャンパス』(旧あさがくナビ)のスカウト型就職サイトへのリニューアル、コロナ禍におけるオンラインイベントの負荷分散対応、Re就活およびRe就活キャンパスの再構築などのプロジェクトを共に進めてきました。30代を迎える20代後半から30代を対象にした転職支援サービス『Re就活30』の提供などを2024年に始めた他、新たなサービスや機能を素早く市場に提供すべくアジャイル開発プロジェクトを発足させました」

 Re就活ブランドで展開しているサービスは、10代〜20代の学生向け就活支援にとどまらず、既卒、第二新卒、さらに30代の転職まで一貫してサポートできるラインアップに発展している。

photo Re就活のラインアップ(本稿取材時点、出典:学情のWebサイト)

 澤井氏は学情とJASTの関係性をこう説明する。

 「当社の社内スタッフはサービス企画職が中心のため、システム開発部門のパートナーとしてJASTさまは欠かせない存在です。困った人を助けたい、未来の選択肢を提供したいという思いを共に抱きながら、一緒にビジネスを作り上げてきた大切な仲間です」

複数サービスの設計・開発と運用を一手に担い、サービス提供スピードと品質を高める

photo 学情の鈴木陽介氏(メディアビジネス本部 Webメディアデザイン部 プロダクトグロースチーム サブマネージャー)

 学情とJASTとの関係性がより深まったのが、2016年に実施した「Amazon Web Services」(AWS)へのシステム移行だった。学情の鈴木陽介氏はこう振り返る。

 「JASTさまとはもともと取引がありましたが、クラウド移行以前はアプリケーション開発の一部を依頼するという限られた関係でした。クラウド移行プロジェクトが立ち上がったときに、複数のシステム会社に提案を依頼し、われわれの目的に最も適した提案をしてくれたのがJASTさまでした。複雑な要件が幾つかある中で、要件整理を含めて開発から運用まで一元的に担ってくれる点が決め手になりました」

 学情が提供するサービスの対象者層は、学生や若手社会人などを中心に数十万人から数百万人規模となる。取り扱うデータは学歴、職歴、資格、趣味趣向など、外部に漏らすことが絶対に許されない個人情報だ。従来は「プライバシーマーク」に代表されるさまざまな情報取り扱いルールに則して、サービス基盤をオンプレミスで運用してきた。

 「環境の変化や新しいニーズに対応したサービスを展開し、システム規模を柔軟に拡張していくには、オンプレミスのシステムでは対応し切れない課題が出てきました。必要なときに機能を素早く追加したりインフラリソースを増やしたりするのが難しいので、オンプレミスを管理しつつ、個人情報を厳格に保護しながら新しいチャレンジをサポートしてくれることが重要でした。JASTさまは、クラウドへの移行だけでなくインフラの運用管理やセキュリティ管理といったさまざまなサポート体制を含めて提供していただきました」(鈴木氏)

 JASTが提案したのは、既存サービスをクラウドにそのまま移行するクラウドリフトではなく、サービスを構成するアプリケーションとシステムインフラをクラウドに適した構成に変更しながら、徐々にクラウドのメリットを引き出す形にシフトしていくアプローチだった。その際に、インフラ管理やセキュリティ管理も丸ごと受け持つことで対応スピードと安全性、品質を高めた。

 「AWS移行の翌年に取り組んだRe就活のリニューアルにも、われわれと同じ視点で取り組んでいただきました。アプリケーションを改修しつつ、Webサイトアクセスのピークに対応すべくオートスケールの仕組みを取り入れるなど、インフラリソースを柔軟に管理できる仕組みも併せて開発したことでサービスを以前よりもはるかにフレキシブルに管理できるようになりました。個人情報の管理体制の強化にも取り組んでいただいています」(鈴木氏)

アジャイルな開発体制で課題と実装方法を共に議論

photo JASTの徳満 聡氏(デジタルイノベーション事業本部 第五事業部 ソリューションサービス部 一課 課長)

 AWSへの移行を機に、さまざまなシステムやサービス開発を学情とJASTが二人三脚で実施する体制が当たり前になっていった。JASTの徳満 聡氏は、こう話す。

 「システム開発は、お客さまが定義した要件に基づいてシステム会社がアプリケーションやインフラを開発するのが一般的です。もちろん、JASTもそうした体制で支援していますが、学情さまとはさらに近い距離で取り組みを進められる体制となっています。プロジェクト立ち上げ時は要件定義の段階からご一緒し、全体的なビジョンを踏まえて必要なシステムやサービスを開発します。プロジェクトごとに専任チームを作り、システム開発後も継続的にサポートする体制を整えています」

 こうした関係は、課題解決のスピードアップにも役立っている。例えば、合同企業セミナーの受付では、これまで来場者カードを手書きしてもらっていたが、2次元コードの提示で済むようにサービスをアップデートした。2次元コードの実装は、学情からの相談を受けたJASTが提案したものだ。データベースインフラからアプリケーションまで理解するJASTだからこそ、課題に対して複合的な解決策を提案できたと鈴木氏は語る。

 「JASTさまにはアプリケーションや2次元コードを読み取る仕組みの開発、システムの運用、サービスに対するフィードバックの受け付けなども担当していただきました。その後も機能改良を続けています」

photo JASTの大西昇吾氏(デジタルイノベーション事業本部 第五事業部 ソリューションサービス部 一課 プロジェクトマネージャー職)

 こうした柔軟なシステム開発と継続的なサービス改善のための工夫も行っている。JASTの大西昇吾氏はこう話す。

 「2024年からアジャイル開発の手法を取り入れ、全体ミーティングとプロジェクトごとの定例ミーティングを開き、その場で都度ビジネスゴールを明確化してアクションを決定する体制を採っています」

JAST内で技術やノウハウを共有し、複数プロジェクトを効率良く推進できる体制に

 システム構成や技術面で注目したいのは、オンプレミスでレガシー化しつつあったアプリケーション実行環境について全体を把握して計画的にモダナイズしている点だ。既存のシステムをクラウドにリフトした後、さらに柔軟な仕組みを求めてAWSネイティブサービスへの移行や開発基盤の刷新を段階的に進めている。

 JAST内のさまざまなチームが、学情に関する情報を日々共有しているので、サイロ化を防げる。システムの全体像を把握でき、開発した機能やサービスの横展開、セキュリティ対策につなげやすい。こうした点が、JASTと学情が長期的な関係を包括的に構築していることの大きなメリットだ。

 Re就活サービスの対象である10〜30代の転職・就職市場は、少子高齢化の影響もあり人材の奪い合い状態だという。競合企業も多く、サービスの内容や機能、品質でいかに差別化するかが事業成長のカギになる。

 澤井氏は、将来を見据えて「転職・就活市場でより支持されるサービスを目指して、プレゼンスを高めたい」と語る。学情の展望を受けて、徳満氏と大西氏は「JASTは今後も学情に寄り添います」と口をそろえる。システムパートナーとして学情のサービスをより良いものに進化させるべく、JASTのDNAを継承する姿勢だ。

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