脱ベンダーロックイン 社内データを活用して“自社主導”でクイックに進める生成AI活用法Boxの最新プランで実現

「ChatGPT」などの生成AIはビジネスの可能性を広げた。だが、自社データとの連携や業務への本格的な適用には専門知識やコストの壁を乗り越える必要がある。こうした状況に一石を投じるサービスが「Box Enterprise Advanced」だ。専門商社のマクニカがいち早く導入してその効果を検証した。その効果とは。

PR/ITmedia
» 2025年05月21日 10時00分 公開
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 「ChatGPT」が2022年末に登場して以降、生成AIは瞬く間に世界中でブームを巻き起こした。「自然言語で利用可能」という新奇さと手軽さに多くの人々が注目し、生成AIを調べものやアイデア出しに活用するビジネスパーソンが増えてきた。

 今日では個人利用にとどまらず、組織全体で業務効率化や新事業創出に寄与する活用法が模索されている。「RAG」(検索拡張生成)を使って自社独自のデータを生成AIで扱えるようにしたり「AIエージェント」を利用してユーザーフレンドリーな機能を実現したりする動きが活発になっている。

 しかし、こうした技術を使って生成AIの機能を拡張するには一定のスキルやノウハウが必要なため、AIに詳しいITエンジニアを抱えている一部の企業しかその恩恵にあずかれなかった。そうした実態について、マクニカの田牧啓吾氏(IT本部 グローバルIT統括部 ITインフラマネジメント部長)は次のように話す。

photo マクニカの田牧啓吾氏

 「当社は、RAGが登場した直後からクラウドAIサービスを使って技術検証してきました。幸いにも社内に多くのAI技術者がいるためこうした取り組みが可能でしたが、専門人材がいない企業が独力で同様のことを行うのは難しいかもしれません。かといって外部のベンダーに頼ればいいかというと、今度はベンダーロックインの危険性が生じます」

 さまざまなベンダーがRAGやAIエージェントをより手軽に扱える「ローコード/ノーコード開発ツール」を提供しているが、それらを使いこなすのにも一定のスキルが必要なので多くの企業にとってハードルが高いことに変わりはない。

Boxコンテンツに手軽に生成AIを適用できる「Box Enterprise Advanced」

 こうした状況に一石を投じるサービスが登場した。Boxが2025年1月に提供を始めたライセンスプラン「Box Enterprise Advanced」(以下、Enterprise Advanced)だ。法人向けライセンスの最上位プランで、「Box Enterprise Plus」の全機能にワークフローの自動化や生成AI関連の新機能を追加して“次世代のエンタープライズコンテンツ管理”を実現する。Boxに保管しているコンテンツを基にAIエージェントを手軽に構築できる。幾つかのツールを駆使すれば、生成AIを活用した業務フローの構築を迅速に行える。

 Enterprise Advancedに含まれる「Box AI Studio」機能を使うと、自社の業務に合わせてAIエージェントを簡単にカスタマイズできる。申請や問い合わせの受け付けフォームを簡単に構築できる「Box Forms」やフォームに入力された情報を基にコンテンツを自動生成する「Box Doc Gen」、コンテンツのメタデータ情報などをさまざまな切り口で集計して結果をダッシュボードに表示する「Box Apps」などの機能を組み合わせて、Boxのプラットフォームで簡易なワークフローを手軽に構築・運用できる。

photo Enterprise Advancedは、Enterprise Plusの全機能に加えて、AIによる自動化とワークフローを可能にするこれらの機能を利用できる(提供:Box Japan)《クリックで拡大》

 マクニカの市川 敦氏(ネットワークスカンパニー セキュリティ第2事業部 第2技術部 第2課 課長代理)によれば、すでにBoxを利用している企業がEnterprise Advancedを利用すれば、最低限の投資で生成AIの本格活用が可能だという。

photo マクニカの市川 敦氏

 「Boxに自社コンテンツを集約している企業であれば、ライセンスプランをアップグレードするだけでこれらの機能を使ったRAGやAIエージェントのユースケースを即座に実現できます。人材や予算の制約を理由に新技術の実装に乗り出せなかった企業にとっては、導入メリットが非常に大きいと思います」

 AI開発者を抱えている企業にとっても、Enterprise Advancedの機能群が大いに役立つと市川氏は話す。全社で利用する大規模なシステムは従来の生成AI開発のスキームに従って機能を丹念に作り込み、部門レベルで利用する小規模なシステムはBoxの機能を使って素早く組み上げる、という「すみ分け」が可能になる。

Enterprise Advancedを使った生成AI開発をいち早く実践

 これまで数多くの企業にBoxのソリューションを提供してきたマクニカは、新機能が登場するたびに自社で試してノウハウを蓄積している。Enterprise Advancedに関しても、提供開始直後に導入して機能や有用性について実業務のユースケースを用いた検証を重ねたという。

 先述したように、RAGをはじめとする生成AIの拡張技術についてもかなり早い段階から検証してきた同社。その過程においては幾つかの課題を感じていたと田牧氏は語る。

 「クラウドAIサービスを使ってRAGを構築するには、データソースを移し替えたり連携させたりしなければなりません。アプリケーションごとにRAGを構築、管理する手間も掛かっていました。Enterprise Advancedに含まれる生成AI機能を使えば、こうした作業をすることなくRAGやAIエージェントを利用できます。非常に大きな可能性を感じました」

 マクニカがEnterprise Advancedを導入して真っ先に試した生成AI機能の実装が、Box FormsとBox Doc Gen、Box Appsを組み合わせた「システム障害報告・管理」だ。Box Formsを使ってユーザーがシステム障害を報告するフォームを手早く開発し、入力された情報を基に障害報告書を自動的に生成して起票する仕組みをBox Doc Genで築いた。

 さらに、ここで生成されたコンテンツから特定の情報をメタデータとして抽出する処理をBox AIを使って実装。その結果を障害の発生数や対応状況などのステータス情報としてダッシュボードに可視化する仕組みをBox Appsで構築した。

 これと並行して、AIエージェントをBox AI Studioでカスタマイズする取り組みも進めている。同社は、以前からクラウドAIサービスを使って独自のプロンプトをベースとしたAIエージェントの開発やカスタマイズをしている。Box AI Studioを使えば同等の開発作業をより効率的に実現できるという手応えをつかんでいるという。

 「Boxに保管しているコンテンツをベースにしたFAQやチャットbotなどの仕組みを、従来の開発手法よりはるかに効率的に実現できると考えています」(田牧氏)

 近い将来、複数の大規模言語モデル(LLM)から自社のニーズに合ったものをBox AI Studioで選べるようになる点にも大きな可能性を見いだしていると市川氏は話す。

 「『テキスト処理に強いもの』『画像解析に強いもの』『表の解析に強いもの』といったように、各LLMは異なる強みを持っています。その中から特定のユースケースに適したものを選んで利用できる点は、一般的な開発環境にはない非常に大きなメリットだと思います」

自社導入のノウハウを生かして顧客の生成AI活用を強力にバックアップ

 マクニカは、Boxの一次代理店として1600社以上の導入を支援してきた豊富な実績がある。Boxの導入検討段階から導入作業、利用定着までのフェーズでニーズに即したサポート体制を敷いている点も強みだ。今後はこれに加えて、自社導入によって培ったEnterprise Advancedによる生成AI開発の知見やノウハウを顧客にフィードバックする予定だ。「実践に基づく提案ができる点がマクニカの強みです」と市川氏は力説する。

 「当社は、情報システム部門を巻き込みながら実業務のユースケースを想定した検証を続けてきました。まさに『生きたノウハウ』を豊富に有しています。今後Enterprise Advancedの導入を検討するお客さまに対して、当社の経験を基にしたノウハウや活用ポイントを紹介しながら実践的な提案ができると考えています」

photo マクニカのサービスマップ。段階に応じた支援サービスを用意している(提供:マクニカ)《クリックで拡大》

 Boxを使ってコンテンツを集約しているものの、生成AIで活用するためのスキルや予算が不足している企業や生成AI活用を次のステップに進められずにいる企業にとって「Enterprise Advancedは極めて有効な解になり得るのではないか」と田牧氏は述べる。

 「Enterprise Advancedは、Boxに蓄積したデータをうまく活用できていない企業の救世主となるはずです。生成AIによるデータ利活用をクイックに実行できます。そのような課題を抱えている企業はぜひ一度、当社にご相談ください」

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「BoxWorks Tokyo & Osaka 2025」開催決定

コンテンツの力で、ビジネスに革新を

コラボレーション、セキュリティ、ワークフロー自動化そしてAI――。セキュアなコンテンツ管理基盤に加え、AIの力を最大限に活用しビジネスに革新を起こす「インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム」として進化を遂げているBox。本イベントは、Boxの最新情報だけでなく日本を代表する多くのリーダーを招き、さまざまな事例とともに「Content + AI」による働き方の未来について紹介します。

開催日時・会場

東京
・2025年6月10日(火)午前9時〜午後5時半(午前8時半受付開始)
 ザ・プリンス パークタワー東京(港区)
・2025年6月11日(水)午後1時〜6時
 オンライン

大阪
・2025年7月17日(木)午後0時半〜(正午受付開始)
 ハービスホール(大阪市北区)

製品に関するお問い合わせ

株式会社マクニカ Box担当

TEL:045-476-2010(平日午前9時〜午後5時)

E-mail:box-sales@macnica.co.jp

Webサイト:https://www.macnica.co.jp/business/network/manufacturers/box/

※本稿は、マクニカからの寄稿記事(2025年4月16日の取材を基に作成)を再構成したものです。

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提供:株式会社マクニカ、株式会社Box Japan
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2025年6月2日