企業にサーバ製品を提供する販売店にとって、パーツ構成の作成、販売価格の確認、キッティングなどの作業が大きな負担になっている。人手不足の状況で、この課題はますます深刻化するだろう。これらを解決する方法はあるのか。
販売店によるサーバ製品の販売は、要件に応じてCPUやメモリ、ストレージなどを組み合わせる構成作成が不可欠だ。だが、構成作成やそれに伴う見積もりの作成、キッティングなどの作業が担当者に重い負担を強いている。
さらに昨今はパーツ構成の選択肢が多様化し、そうした作業が複雑になっている半面、専門知識を持つ人材の不足が続いている。結果として見積もり依頼への回答時間がかかり、機会損失が生じるリスクと隣り合わせの状況だ。顧客からは「もっと早く」との声が上がる中、販売店は作業に追われ、本来注力すべき付加価値の高い提案活動に十分な時間を割けていない。
本記事は、サーバ販売ビジネスの成長を阻むこれらの課題に必要な施策を考える。
サーバ製品を取り扱う販売店が直面している課題の深刻さについて、大手ディストリビューターとして全国約1万9000社の販売店にサーバ製品などを提供しているダイワボウ情報システム(DIS)の石井秀直氏は次のように説明する。
「サーバ製品は構成が年々複雑になり、見積もりの作成に多くの時間を要しています。その負担を被るのは、販売店やディストリビューターの担当者です。見積もり作成の過程でミスがあれば、誤発注や作業の手戻りなどにつながります」
DISの宮城真将氏(販売推進本部 ITインフラ販売推進部 IT基盤1グループ マネージャー)は、「選択肢が多過ぎるため、お客さまの要件に最適なものを確認するのに多くの時間がかかります。地方の販売店は技術に強い従業員を多く確保するのが難しく、営業担当者が技術面もカバーして提案活動するケースが増えています」と実情を語る。
ファイルサーバの増設や急なシステムリプレースなどで「すぐに新しいサーバが欲しい」と声がかかることは多い。しかし、構成作成やサーバベンダーへの割引価格の確認(特価申請)、キッティングなどに時間がかかる従来の販売プロセスでは、顧客の期待に応え切れない場面が増えている。このような状況は、販売店の機会損失につながりかねない。
これらの課題を解決するため、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が2024年10月に開始したサーバ販売パッケージが「HPE Smart Choice(スマチョ)」(以下、Smart Choice)だ。HPEの稲留紗英氏は、そのコンセプトを次のように説明する。
「Smart Choiceは、ニーズが高いサーバ構成をあらかじめパッケージにした販売形態です。タワー型やラック型といった筐体(きょうたい)タイプやAMDおよびIntelのCPUを搭載したサーバなど32モデルを用意しています。小規模な利用や安価な導入に適した『ベーシック』、標準的な売れ筋の構成の『スタンダード』、『Windows Server OS』をプリインストールしてRAID設定済みの『プレミアム』を、“松竹梅”といった形で用意しています。これにより、販売店はサーバの構成作成にかかる手間や時間を大幅に削減できます」
Smart Choiceが特に効果を発揮するのが見積もり作成工数の削減だ。従来サーバを見積もるためには、パーツ構成を決めてHPEなどのサーバベンダーに問い合わせ、その構成に適用可能な割引を確認する必要があり、顧客への見積もり提出に1週間前後を要することも多かった。
「Smart Choiceは各モデルの構成と価格が決まっており、問い合わせにすぐに回答できます。これまで1週間前後を要していた工程が数分で終わるので、工数削減の効果は歴然です」とHPEの長島修一郎氏は話す。経験が浅い担当者でも、構成を間違わずに迅速に提案できることも大きなメリットだ。構成ミスがなくなることで、誤発注や手戻りなどもなくなる。
価格を把握しやすい点もSmart Choiceの魅力だ。稲留氏は、「販売店が案件ごとに値引き交渉をする手間を省くため、Smart Choiceには高い競争力のある割引価格(ベストプライス)をあらかじめ適用しています。定食屋のメニューのように価格が一目瞭然です」と説明する。これにより、価格交渉などの工数も削減され、販売店はよりスムーズに商談を進められる。
プレミアムモデルにはWindows Serverがプリインストールされているため、開梱(かいこん)して電源を入れればすぐに使用できる。販売店はキッティングやインストールの工数を大幅に削減できるというメリットもある。
HPEは長年培った管理ツールやセキュリティ機能を搭載した「HPE ProLiantサーバー」を、Smart Choiceによって低価格で提供している。これは運用管理に人手をかけられない中堅・中小企業にとって大きな魅力だと稲留氏は力を込める。
「HPE ProLiantサーバーは、サーバの導入から運用、監視までのライフサイクルをリモートで一元管理できるクラウドベースの管理ツール『HPE Compute Ops Management』(COM)を利用できます。専門知識がなくても操作可能な管理画面でファームウェアの管理やアップデートができ、サーバに障害が発生するとHPEのサポートセンターに自動で通報します※」
※DIS注:HPE Smart ChoiceにCOMは含まれていません。販売店様は別途DISからご購入ください。
また、HPEのサーバ管理チップ「HPE Integrated Lights-Out(iLO)」はファームウェアの段階で強固な防御をしており、サーバ起動時から不正を防ぐなど、サーバのライフサイクル全般で堅牢(けんろう)なセキュリティ機能を実現している。
Smart Choiceが持つ構成のシンプルさや価格の明確さに加えて、大手ディストリビューターであるDISから購入することで、販売店はさらにメリットを享受できる。それは、DISが長年の事業で培ってきた「短納期」「迅速な情報提供」「手厚いサポート」によってもたらされる。
DISから購入する最大の利点は納期スピードだ。
「当社は東日本と西日本に大型の物流拠点を構えており、Smart Choiceの売れ筋モデルの在庫を常に確保しています。そのため、在庫があるものに関しては注文の翌日に届けることも可能です」(宮城氏)
迅速な情報提供もDISの強みだ。その中核となるのが、同社のBtoB電子商取引システム「iDATEN(韋駄天)」だ。宮城氏は、「iDATEN(韋駄天)は製品の検索から在庫確認、発注までワンストップで実施できます。DISでは専用のプロモーションサイトも用意しており、販売店が顧客に提案する際に使用する製品資料などをいつでもダウンロードできます」と利便性を強調する。Smart Choiceで用意されたモデルではどうしても要件に合わないという場合は、iDATEN(韋駄天)と連携するHPEのオンライン構成サイト「HPE DirectPlus」でカスタマイズモデルを見積可能だ。
DISは全国に101の営業拠点を構えており、地域に根差した担当者によるきめ細かなサポート体制で販売店をサポートしている。HPEの稲留氏は「日本中の販売店をサポートするこの拠点網は、HPEだけでは到底実現できません。1万9000社以上のパートナーさまとの長年の取引で培われたDISさまの知見と経験が、Smart Choiceを全国のお客さまにお届けする上で非常に大きな力となっています」と話す。
Smart Choiceは、販売店の提案スタイルそのものを変える可能性を秘めている。ある地方の販売店は、不動産業界向けの業務パッケージとサーバをセットで提案する際にSmart Choiceによって大きな成果を挙げた。
「その販売店は、以前は案件ごとにサーバの構成を組んで見積もりを出していました。それをSmart Choiceに置き換えることで、提案から納品までのスピードを劇的に向上させ、リピート受注にもつながっていると聞きます」(長島氏)
DISは今後、Smart Choiceを生かした提案活動にも力を入れる。例えば、「Windows 10」のサポート終了に伴うPCの入れ替え需要に合わせて、「Windows 11」と親和性の高い「Windows Server 2025」を搭載したSmart Choiceを提案し、サーバリプレースの需要を喚起する。
石井氏は、「AI活用が本格化すると、ローカル環境でのセキュアな利用を目的として中堅・中小企業におけるサーバの需要はさらに高まるでしょう。Smart Choiceは、そうしたニーズに対応する主要な選択肢となります」と先を見据える。
「ITで世の中を豊かにすることが当社の理念です。Smart Choiceによってサーバ販売の工数と負担が削減され、販売店がお客さまへの新たな価値提案に多くの時間を使えるようになれば、理念の実現に一歩近づきます。HPEおよび全国のパートナーさまと共に、今後もSmart Choiceを通して多くの価値を届けます」(石井氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:ダイワボウ情報システム株式会社、日本ヒューレット・パッカード合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2025年12月11日