ファイルサーバ検索・文書管理ソフトウェア「FileBlog」を提供する鉄飛テクノロジーが、オンプレミスに軸足を置き、パッケージソフトウェアという形態にこだわり続けるのはなぜか。代表取締役の岡田国一氏に、FileBlogの設計思想に込められた思いを聞いた。
Windowsファイルサーバの文書をWebブラウザで閲覧、検索、編集できるファイルサーバ検索・文書管理ソフトウェア「FileBlog」を提供する鉄飛テクノロジーは、2000年の創業以来「『最新IT』が生む新たな課題を『成熟したIT』で解決する」という企業理念に基づいて現場の「情報の探しやすさ」を追求してきた。
FileBlogは、オンプレミス環境向けのパッケージソフトウェアとして提供されている。世の中が「クラウドファースト」のトレンドに染まる中で、同社はなぜオンプレミスに軸足を置き、パッケージソフトウェアという形態にこだわり続けるのか。そこには、代表取締役を務める岡田国一氏の流行に流されない冷静な分析と、利用者の利便性を最優先に据える熱い技術者魂があった。
なぜ今、クラウド重視の戦略を見直し、オンプレミス環境を併用して「確実な運用」を維持しようとする企業が増え始めているのか。企業内のデータ量が加速度的に増大する今、立ち返るべき「データ管理の正解」とは何か。FileBlogの設計思想に込められた、データを将来にわたって守り抜くためのこだわりを聞いた。
鉄飛テクノロジーの主力製品であるFileBlogは「Windowsファイルサーバ」の利便性を高め、文書管理や共有を促進するオンプレミス環境向けのパッケージソフトウェアだ。Windowsファイルサーバと連携させることで「全文検索機能」や「Webブラウザ閲覧・共有機能」などを利用できる。
特筆すべきは、既存のフォルダ構造やアクセス権限を一切変えずに導入できる点だ。使い慣れたネットワークドライブを使って、Webブラウザを通じてファイルサーバに置かれたファイルを閲覧・編集したり、全文検索したりできる。Active DirectoryまたはWindowsローカルユーザーアカウントでユーザー認証をするため、ユーザー登録や権限設定を追加する必要がない。バージョンアップを重ねており、バージョン管理機能やAIチャットなども備えている。
製造、建設、不動産、出版など、図面や画像を含む膨大な量のドキュメントを抱える幅広い業種が導入しているFileBlog。岡田氏は、同製品を開発した背景を「情報の洪水による負荷を軽減したかった」と振り返る。
「2000年の創業当時は、インターネット革命の真っただ中でした。それまで紙だった文書がデジタルデータに、電話やFAX、郵便物が電子メールに置き換わり、大量の情報が洪水のように押し寄せました。本来なら、新たな技術の登場によってコミュニケーションは楽になるはずです。しかし、膨大な量の情報が一部の人に集中するという新たな問題が生まれました。当時、私も同じ状況に悩んでおり『情報が集中して、処理に追われて疲弊している人々を助けたい』と考えたことが開発のきっかけです」
創業当初、文書管理システムは顧客ごとにオーダーメイドでスクラッチ開発することが多かった。そうした開発に関わる過程で、岡田氏は既存の文書管理システムの限界を痛感することになる。
「従来のシステムは、担当者が手動でファイルを登録する必要がありました。しかし、多忙な現場にそんな作業をする時間はありません。情報整理をユーザーに強いるシステムは、結局使われなくなってしまいます。そこで、サーバ内のファイルをプログラムがスキャンして、テキストや作成/更新日時、サイズなどの情報を検索用の索引(インデックス)として自動で登録する手法を適用しました。
こうした機能などを既存のファイルサーバと連携させることで、データの置き場所はそのままに、Webブラウザから素早く検索・閲覧できるようにしたのがFileBlogです」
当時、企業内のシステムを横断的に検索するエンタープライズサーチ製品は既に存在していたが、高額なものばかりだったという。岡田氏は、この便利なインフラを大手企業だけでなく中小企業にも届けたいと考えた。
「私たちは、中小企業の『システム横断検索はできなくてもいい。ファイルサーバ内の検索ができれば十分だから、もっと安価な製品が欲しい』という声に応えたかった。そこで、ユーザー数やファイル数に応じて細かく選べる柔軟な料金体系を構築しました」
FileBlogが低コストで安定した運用を可能にしている最大の理由は、既存のWindowsファイルサーバに検索機能を付加することで、ファイルサーバを「文書管理システム」として再定義する設計思想にある。
UI(ユーザーインタフェース)は、多くのビジネスパーソンが使い慣れた「Windowsエクスプローラー」の操作性を再現している。画面左側のフォルダツリー、あるいはフォルダ一覧で目的のフォルダを選択すると、その配下のファイル一覧が表示される。ファイル名やサムネイルをシングルクリックするだけで、同じWebブラウザ上でファイル内容をプレビューできる。スマートフォンやタブレットを使って社内のファイルサーバにアクセスして、ファイルサイズが大きい図面や資料を瞬時に閲覧可能だ。
「特にこだわったのは、情報にアクセスするまでのスピードを高めることです。検索エンジンの価値は手間の少なさと速さに集約されます。クリック数を1回減らして、カーソルを動かす距離を数センチ短くする。その積み重ねがユーザーのストレスを軽減させます。シングルクリックでプレビュー表示する機能は、開発当初から搭載しています。CADやDTPなどの大きなファイルも印刷イメージで確認できますし、ダウンロードせずに全ページを閲覧可能です」
低コストで安定した運用を実現させた要因の一つに、FileBlogがWindowsファイルサーバという「成熟したIT」での運用にこだわっていることが挙げられる。Windowsファイルサーバは1990年代からの歴史があるインフラで、ハードウェアの選択肢や運用ノウハウが豊富なため、低コストで長くデータを守れる。
「Windowsファイルサーバを30年以上運用している企業も多いでしょう。ハードウェアが古くなったら、新しいサーバを買ってきて、データをコピーするだけで移行できます。成熟した技術であるWindowsファイルサーバは、データを安定して長期間運用しやすいというメリットがあります」
近年、多くの企業がデータをクラウドに移行させているが、岡田氏はそのリスクについて指摘する。
「クラウドのストレージサービスにデータを完全に移行すると、データアクセスの性能低下を招く懸念があり、アクセス量に応じた従量課金によって新たなコスト負担が発生する可能性もあります。ベンダー都合によるサービス終了によってデータが取り出せなくなるリスクを考えると、成熟した技術でデータを守り続けられる安心感に魅力を覚えるお客さまも多いと考えています」
SaaSが台頭する今、あえてパッケージソフトウェアを選択する意義はどこにあるのか。岡田氏は「システムの主権、データの主権をお客さまの手元に残すこと」だと強調する。
「SaaSは便利ですが、ベンダーのサービス終了や大幅な値上げ、仕様変更にユーザーは従わざるを得ません。しかしパッケージソフトウェアは、一度導入すればその運用ペースはユーザーがコントロールできます。特に、お客さまにとっての大切な資産である『データ』を預かるインフラにおいて、この継続性は決定的な差となります」
FileBlogは、検索エンジンなどにオープンソースソフトウェア(OSS)を利用している。これらをハードウェアの進化に合わせてち密にチューニングして導入企業からのフィードバックを反映させることで、独自のノウハウを蓄積してきた。
「OSSをただ組み合わせるだけでは十分ではなく、どのソフトウェアを選定してどうチューニングするのかが重要です。お客さまの大切な資産であるデータを守り続けるためには、途中でメンテナンスが終了するようなOSSを選ぶわけにはいきません。私たちの『目利き』の能力が問われていると思っています。
FileBlogは、100万文書規模のデータであっても2日で導入可能です。導入も運用も簡単で、何より動作が軽くて速い。それが当たり前のインフラとして使ってもらえることを目指しています」
パッケージソフトウェアとしての完成度を高めることは、全てのユーザーが使う基本機能と特定のニーズを満たす機能の「最小公倍数」を見極める作業でもある。その先に、岡田氏が見据えるミッションがある。
「データさえしっかり自分の手元にあれば、それを使うアプリケーションは後から何とでもなりますから、まずはデータを守ることが重要だと思います。私たちの役割は、情報化の進展によってかえって負荷が高まっている人々を救うことです。『枯れた技術』とも言える成熟した技術で問題を解決することで、より多くの人を救えると信じています」
「AI革命」が急速に進む今、FileBlogは新たな課題をどのように解決するのか。後編では、鉄飛テクノロジーのAIとの向き合い方を聞く。
※この記事は、鉄飛テクノロジーより提供された記事をITmediaエンタープライズ編集部で一部編集したものです。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年5月23日