DX推進や生成AI活用が急務となり、情シスの役割は「守り」から「攻め」へと変化している。しかし、現場は日々のPC運用や人材不足、PCのコスト高騰による負のスパイラルに直面している。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や生成AI活用が急務となる中、情報システム部門(情シス)に求められる役割は、単なる「システムの安定稼働」から「企業変革への寄与」へと大きく変化している。もはや「外部からの脅威を防ぐ」という守りの役割にとどまらず、ビジネス変革をどうサポートするかという「攻め」の役割が期待されているのだ。
しかし、現場の実態はどうだろうか。本記事では、ソフトバンク 法人事業戦略本部の鈴木善敬氏への取材を通じて、情シスが直面する過酷な現実と、そこから抜け出すための具体的な解決策の一つ、「PCライフサイクルマネジメント」(PCLCM)の効果を探る。
「上層部からの期待が『攻め』に変わる一方で、情シスの現場はかつてないほどの負荷にあえいでいます」。そう語るのは、ソフトバンクの鈴木氏だ。
システムに関する問い合わせ、PCのキッティング依頼、アカウント管理、システム障害への対応。これらは情シスの必須業務だ。AI活用やDX推進など戦略的な業務に力を入れたくても、現実には今の運用を回すだけで手いっぱいになり、どこから手を付ければいいのか分からない情シスが多いのだという。
さらに追い打ちをかけるのが、拡大し続けるセキュリティ領域と深刻なIT人材不足だ。ランサムウェアの被害が後を絶たない昨今、ゼロトラスト、多要素認証、生成AI利用時の情報漏えいリスク対策など、「守り」の対応範囲は広がる一方だ。しかし、経済産業省の試算によると、2030年までに最大79万人ものIT人材が不足すると予測されており、「人を増やす」という解決策は通用しなくなっている。「守らなければならない範囲は広がるのに、人員は増えない。情シスは今、非常に深刻な負のスパイラルに陥っています」と鈴木氏は警鐘を鳴らす。
だからこそ、今ある属人的な運用をどれだけ「標準化・平準化」できるかが、次なる改革の第一歩となるのだ。
情シスを悩ませているのは運用業務だけではない。業務用PCを取り巻く環境も、今まさに3つの大きな変化を迎えている。
第一に、労働人口の減少に伴う若手採用競争の激化だ。「新入社員に画一的なPCを支給する従来のアプローチは従業員の潜在的な不満を増大させ、モチベーションの低下を招きかねません」と鈴木氏は指摘する。業務に最適なデバイス(Windows PCかMacかなど)を選べる「従業員選択制」の導入が、優秀な人材を確保してエンゲージメントを高める鍵になっている。
第二は、ハイブリッドワークの定着だ。コロナ禍を経てオフィス外での勤務が当たり前になり、トラブル時のリモート対応を前提としたIT運用体制の再設計が急務になった。
第三の変化は、PC価格の高騰だ。円安傾向や半導体不足の影響で、主流であるWindowsノートPCの調達コストが軒並み上昇している。この状況は今後も続くと予想され、「安いPCを大量に調達する」時代から「1台を長期的に安定運用する」時代へと意識をシフトさせる必要がある。
このような状況下で、新たな選択肢として注目を集めているのが、Appleが2026年3月にリリースした「MacBook Neo」だ。11万円台からとリーズナブルな価格が魅力だ。
「Windows環境に慣れた情シス担当者は、『メモリ8GB』というスペックで業務利用に耐えられるのかと疑問を持たれるかもしれません。しかし、マルチタブでのWebブラウジングといった実際の業務環境を想定してソフトバンクグループが実機検証した結果、十分使用できるのではないかと思われました」と鈴木氏は話した。
Macは今や技術やデザイン部門だけのものではない。エグゼクティブ、モバイルワーカーなどに幅広く利用されるようになった。
MacBook Neoのようなコストパフォーマンスに優れた端末を取り入れ、従業員に選択肢を与えるメリットは大きい。しかし、「OSが混在すると管理が煩雑になり、ただでさえ忙しい情シスの負担が増えるのでは?」と懸念する人もいるだろう。
この疑問に対し、鈴木氏は「Macの管理は決して難しくありません」と断言する。既に社内でiPhoneやiPadを導入している企業であれば、そこで使われているMDM(モバイルデバイス管理)ツールなどの管理ノウハウをMacに流用できるからだ。Appleが標準で提供する「Apple Business」などを利用すると、ゼロタッチ運用(ゼロタッチ展開)やAppleデバイス全体の一元管理も可能だ。
「重要なのはWindows PCかMacかという二者択一ではなく、統合管理の設計をすることです。ポリシーをどうするか、IDやSaaSをどう管理するかという運用設計を改めて見直すチャンスと捉えるべきです」と鈴木氏は強調する。多様化を禁止するのではなく、業務端末が多様化しても回る体制への変革が必要なのだ。
多様化するデバイス環境を統合的に平準化し、情シスを日々の運用負荷から根本的に解放する。そのための解決策としてソフトバンクが提案するのが、「PCライフサイクルマネジメント」(PCLCM)だ。
PCLCMとは、調達、キッティング、配送、導入後の保守運用体制、回収、廃棄までのライフサイクル全てを、一つのサービスとして外部に委託する考え方だ。
「これまで情シスが一生懸命頑張ってきた運用業務を、われわれが巻き取ります。単なるアウトソースではなく、PC運用全体を標準化・効率化し、お客さまの環境に沿う形で提供するのがソフトバンクのLCMです」と鈴木氏は語る。「属人化している作業を標準化されたメニューに切り替えたい」「セキュリティを安定化させたい」という要望に強く応えるサービスだ。
ソフトバンクのLCMサービスの強みは、Windows PCとMacの混在環境への対応力にある。端末の調達方法は、従来の一括購入だけでなく、レンタルも可能だ。マルチベンダーとして各社製品を自由に組み合わせて提供できるメリットもある。
これからの情シスは、システムを守り、問い合わせに対応するだけでなく、企業を内側から変革する「攻め」の役割が求められている。そのためには、何よりもまず情シスのリソースを解放することが必要だ。
「日々の運用に追われ続ける状況から脱却し、AIの活用やDXの支援といった、未来に向けたより戦略的な業務にシフトしていただく。その一助として、ソフトバンクのLCMサービスをご検討ください」と鈴木氏は力強く結んだ。
情シスが本来すべき仕事に集中できる環境をつくること。PCの運用・管理から手を離すその決断こそが、企業の未来を変える大きなターニングポイントになるはずだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年8月12日