AI時代のなりすましメールを「受信後」に一括自動駆除する新常識とは毎月数十時間の追跡作業をゼロに

AIで高度化するなりすましメールは水際防御をすり抜ける。手動の事後追跡に追われるセキュリティ担当者の泥沼を脱し、「受信後」の脅威を自動削除する新たな防御策とは何か。

PR/ITmedia
» 2026年09月11日 10時00分 公開
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 「至急、指定の口座に資金を振り込んでほしい」――。ある日、経理担当者の元に届いた経営陣からのメール。文章に不自然な日本語はなく、送信元アドレスや署名も普段目にするものと何ら変わりない。しかし、指定された口座へ送金した直後、それが精巧に仕組まれたビジネスメール詐欺(BEC)だったことが判明した。

社長からの緊急指示に潜むわな、AIを使ったメール攻撃の進化

 最近、メール攻撃の脅威はかつてないスピードで進化を遂げている。その背景にあるのが、急速に普及しているAIの存在だ。従来のフィッシングメールやなりすましメールといえば、不自然な文法や誤字脱字、明らかな不審ドメインなど、注意深く観察すれば違和感を察知できるケースが多かった。しかしAIを悪用すれば、攻撃者は極めて自然で洗練された日本語文章を瞬時に作成できる。

 日本特有のビジネス習慣や組織構造を悪用した攻撃手法も巧妙化の一途をたどっている。社長や役員、実在する取引先になりすますBECはもちろん、メールで言葉を交わして一定の信頼関係を築いた後、「LINE」といった外部ツールへ誘導して詐欺を完了させる手口も広がりつつある。

 一見すると正規の業務連絡と見分けが付かないメールに対し、従業員の不注意や目視確認だけに頼る従来のセキュリティ対策はもはや限界を迎えている。

受信時に止める限界と、組織を苦しめる受信後の変貌

 企業のセキュリティ担当者を悩ませているのは、メール攻撃の高度化だけではない。メールセキュリティの構造そのものが抱える「時間差」にも課題がある。

 従来のメールセキュリティ製品の大半は、「ゲートウェイ型」だ。入口(受信時)で悪意のあるメールをブロックする前提で設計されてきた。既知の攻撃パターンを集約したシグネチャーや、怪しいURLのデータベースと照合することで、社内ネットワークへの侵入を水際で防ぐ。

 しかし、最近の攻撃者はその裏をかく。受信時点では無害なWebサイトのURLを記載したメールを送信し、セキュリティチェックを通過させた数時間後に、そのリンク先をフィッシングサイトに切り替える手口が常態化している。これを「遅延型フィッシング」と呼ぶ。一度は安全と判定されて通過したメールが、ユーザーのメールボックス内に届いた後に被害をもたらす。

 受信後に脅威に変化するメールに対処しようとすれば、セキュリティ担当者は手動で全ユーザーの受信トレイを調査し、該当するメールを1件ずつ特定して手動削除しなければならない。しかし、セキュリティ人材が不足している企業や、情報システム部門が一人で運用を回す環境において、こうした対応は不可能だと言える。

 入口さえ守れば安全だとする従来のセキュリティ常識は破綻しており、企業は新たな対策を迫られている。

「受信後」をカバーするBarracuda IEPとは

 こうしたニーズに対して、バラクーダネットワークスジャパンはメールセキュリティツール「Barracuda Integrated Email Protection」(Barracuda IEP)を提供している。

 この製品は、受信前の防御(ゲートウェイ)にとどまらず、受信後の継続監視や自動対応を一体化させた包括的なメールセキュリティを実現しやすくする。同社が個別のツールとして展開していた、なりすまし検知機能(Impersonation Protection)、インシデント対応機能(Incident Response)、ドメイン詐欺対策機能(Domain Fraud Protection)という3つを統合。「受信後」における脅威対応の自動化を目的に開発された。

写真 Barracuda IEPの全体像(提供:バラクーダネットワークスジャパン)《クリックで拡大》

 Barracuda IEPの核になるのが、自社開発されたAIエンジン「Barracuda IQ」だ。このエンジンの特徴は、一律のシグネチャー判定に頼るのではなく、ユーザー企業ごとに専用のAIモデルを構築し、組織固有のコンテキスト(文脈)を学習する点にある。

 Barracuda IQは、「この会社の社長は普段どのような文体で指示を出すのか」「この部署とこの取引先は、毎月どういった流れで業務メールをやり取りしているのか」といった組織内の定常的なやり取りパターンを自律的に学習する。汎用(はんよう)的なルールでは見抜けなかった微小な違和感を捉えることによって、巧妙なメール攻撃を検知するという。

 「Microsoft 365」や「Google Workspace」といったクラウドメール環境とAPI経由で直接連携する点もBarracuda IEPの強みだ。受信時に見逃した脅威が事後に判明した場合、APIを通じて全ユーザーのメールボックスから該当メールを自動で一括削除する。管理者が異常に気付いて調査を始める前に、システムが裏側で自動的に脅威を無効化するため、担当者の運用負荷は減る。

直感的なAIと低コスト導入のメリット

 Barracuda IEPがもたらす価値は、技術的な検知精度の高さだけではない。現場の運用者にとってメリットになるのが「説明可能なAI」機能だ。

 従来のセキュリティアラートは、専門的なコードや判定結果のみが表示され、担当者が「なぜこのメールが危険なのか」を判断するために時間を費やすケースがあった。一方、Barracuda IEPは、不審と判断した理由を「送信者のドメインが通常と異なる」「本文の文体が過去の履歴と一致しない」といった自然言語で説明する。専門知識があまりない担当者でも、アラートの真偽を即座に把握・判断できるようになる。

 管理面では「Microsoft Defender」の隔離環境との統合を実現した。「Microsoft Quarantine」内の隔離メールをBarracuda IEPの管理コンソールから直接確認できる。

 導入コストとハードルの低さもBarracuda IEPのメリットだ。メールの配送経路(MXレコード)を変更する必要がなく、API経由で即日接続できる。既存のゲートウェイセキュリティと並行して動作させられるため、稼働中のシステムに悪影響を与えることなく迅速に運用を開始できる。

 Barracuda IEPは、これまで個別に購入が必要だった3つのセキュリティ機能を集約したことで、導入/維持コストを削減する。

自律型の脅威対応へ

 高度化するメール攻撃との「戦い」において、バラクーダネットワークスジャパンは今後も機能拡張を予定している。

 まず、日本市場での利便性を高めるために、AIを使ったメール本文の分類機能に続き、管理画面(UI)やアラート通知の完全日本語化を近日中に実施予定だ。加えて、大規模言語モデル(LLM)を利用したBEC誤検知削減の取り組みも進行しており、日本語特有の文脈理解力と検知精度の向上に取り組むという。

 バラクーダネットワークスジャパンが目指すのは、自律的なセキュリティ対応の実現だ。「将来、AIが状況を判断し、対応アクションを自動で実行する仕組みの開発を進めている」と同社は説明する。

 AIの悪用によって、メール攻撃は急速に巧妙化している。しかし、それを上回るAI技術と自動化で「受信後の世界」を防御するBarracuda IEPは、企業のIT資産と従業員を守る強力なツールになるだろう。

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提供:バラクーダネットワークスジャパン株式会社
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