【Q&Aで解説】A業務を回すだけで「AI Readyデータ」が育つ仕組みとは:SmartDBは企業のAI活用をどう変えるのか

大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB」は、ノーコードの業務アプリで日々の申請・承認を回すだけで、意味・文脈・権限を備えた「AI Readyデータ」を蓄積します。AI機能「SmartDB Practical AI」や今後の進化構想までQ&Aで解説します。

PR/ITmedia
» 2026年10月20日 10時00分 公開
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この記事の概要

  • SmartDBは、事業部門も完全ノーコードで業務アプリを作成できる、大企業向けの業務デジタル化基盤だ。
  • SmartDB上で業務を回すと、判断の経緯や関連文書、権限情報がつながった「AI Readyデータ」が自然に蓄積される。
  • 2026年4月に「SmartDB Practical AI」が実装され、2026年後半から2027年にかけて意思決定を支える基盤へと進化する計画だ。


 生成AIの活用が広がる一方で、「自社業務で使えない」「PoC止まり」と悩む企業は少なくありません。SmartDBを提供するドリーム・アーツは、その壁はAIの性能ではなく“データの質”にあると指摘しています。同社は2026年6月、AI活用コンセプトの最新版「DAPA(DreamArts Practical AI) 2.0」を発表し、データに業務上の意味、文脈、権限を持たせる「意味のDX(Semantic DX)」を中核に据えました。SmartDBは、この考え方を実現する基盤の一つとして位置付けられています。

 ドリーム・アーツの石田健亮氏(取締役 常務執行役員 CTO/サービス&プロダクト開発本部 本部長)の知見を基に、AI時代におけるSmartDBの役割と機能をQ&A形式で解説します。

ALT ドリーム・アーツの石田健亮氏(取締役 常務執行役員 CTO/サービス&プロダクト開発本部 本部長)

SmartDBの基本と特徴

Q SmartDBとは、どのような特徴を持つ業務デジタル化基盤ですか?

A 大企業の複雑かつ大規模な業務をデジタル化する基盤で、Webデータベース、柔軟なワークフロー、複雑な権限制御を一体で備えている点が特徴です。

 SmartDBは、ドリーム・アーツが手掛ける大企業向けの業務デジタル化クラウドです。情報システム部門だけでなく事業部門も完全ノーコードで業務アプリを作成でき、申請、承認、受発注といったプロセスを現場主導で構築・改善できます。

 石田氏が強調するのは、SmartDBが単にデータをためる場所ではなく、申請・承認・判断といった日々の業務そのものを動かす基盤である点です。業務や組織が複雑で現場の独自性が強い日本の大企業では、全社データを一カ所に集めてトップダウンでAI基盤を整えるよりも、日々の業務からデータとその意味を積み上げる方が現実的だとされています。現場が自ら業務アプリを作り、改善を重ねる「内製化」を支える基盤として、SmartDBはその役割を担っています。

SmartDBが「AI Readyデータ」を生む仕組み

Q SmartDBで業務を回すと、なぜAIが活用できる「AI Readyデータ」が蓄積されるのですか?

A 申請・承認・コメントといった日々の業務を重ねることで、「誰が、どのような判断をしたのか」「どの文書が関連しているのか」が文脈を伴ってつながるからです。

 石田氏によれば、LLM(大規模言語モデル)は世の中の一般的な知識は持っていても、個々の会社のことを知りません。予算額や稟議の承認結果といった確定情報はERPやCRMなどのSoR(System of Record)に残りますが、そこに至る議論や差し戻しコメント、意思決定の根拠といった文脈は抜け落ちがちです。また、データレイクに全社データを集約しても、データの関連性や作成・変更の経緯はAIに伝わりません。

 SmartDBでは、現場の担当者がアプリを作って申請・承認を回し、コメントを残すという日々の業務そのものが、文脈を伴うデータの蓄積につながります。こうしてできる構造は「Context Graph(コンテキストグラフ)」と呼ばれ、データの意味や相互の関係性を整理した知識の設計図である「オントロジー」の形成にもつながります。石田氏は、データをわざわざ集めて分析しなくても、現場でアプリを使っているだけでAI Readyデータが副産物として自然とたまり、それが宝の山になり得ると述べています。

 ドリーム・アーツは、業務アプリケーションが生み出すデータを「Data as a Product」として整え、アプリケーションや部門を越えてつなぐ「データメッシュ」の世界観を目指しており、SmartDBはその構成要素の一つです。データレイクも構成要素として生かしながら、データの意味や業務との関係性を保つ点が、中央集約型のアプローチとの違いです。

データガバナンスと複雑なアクセス権限の管理

Q 複雑な組織や権限を持つ大企業で、AIに社内データを安全に活用させるにはどうすればよいですか?

A データ自体に「アクセス権限」を持たせ、利用者の異動や昇格に合わせてリアルタイムにAIの提示可能な情報範囲を制御する仕組みを取り入れることです。

 複数部門の兼務や頻繁な組織改編がある大企業では、アクセス統制が課題になります。ドリーム・アーツが提供する業務デジタル化基盤「SmartDB」では、権限もデータの一部として管理されています。SmartDBを通じて質の高いデータを蓄積できるだけでなく、ガバナンスを確保した安全なAI活用も実現できます。

SmartDBの権限管理とAIガバナンス

Q SmartDBは、AI活用において懸念される大企業の複雑なアクセス権限に、どのように対処しているのですか?

A 権限もデータの一部として持っているため、異動や昇格にもリアルタイムに追随し、利用者の権限に合わせてAIが提示する情報を制御できます。

 大企業のアクセス統制は複雑です。複数部門の兼務、プロジェクト単位で異なる権限、さらには組織改編や人事異動などが重なり、誰がどのデータを見てよいのかを正しく管理し続けるのは容易ではありません。AIが社内データを参照するようになれば、この権限管理はそのままAI活用の安全性に直結します。

 SmartDBは、権限をデータと切り離さず、データの一部として保持しています。そのため、異動や昇格といった変化にもリアルタイムに追随し、利用者の最新の権限に応じてAIが提示する情報を制御できます。石田氏は、この点がガバナンスにおいて大きな差になると述べています。意味と文脈をひも付けるContext Graphやオントロジーに加え、データと一体となった権限を日々の業務の中で育てることが、ドリーム・アーツの掲げる「意味のDX」の実体です。

SmartDB Practical AIでできること

Q 「SmartDB Practical AI」を使うと、業務におけるAI活用スタイルはどのように改善されますか?

A 業務ごとに設計したプロンプトを業務プロセスに組み込み、利用者は画面に表示されたAIのサジェストを確認・修正するだけでAIを活用できます。

 2026年4月に実装された「SmartDB Practical AI」が重視するのは、AIを業務プロセスそのものに組み込み、組織として継続的に活用することです。業務ごとに設計したプロンプトは「プロンプトデータベース」で一元管理され、あらかじめ業務プロセスに組み込まれます。ユーザー自身がプロンプトを入力する必要はないため、個人のAIスキルに依存せず、日々の業務の中で自然にAIを使える仕組みになっています。内製化の対象が、業務アプリの構築からAI活用へと広がり始めているといえるでしょう。

 石田氏が紹介した事例では、ある企業で稟議(りんぎ)を上げる際、Excelの膨大な規定集から分類コードを入力する手順が原因で、入力ミスによる差し戻しが6割に達していました。AIオプションを組み込んだことで、規定集を学習したAIが適切なコードをサジェストするようになり、意思決定の遅れを解消できたといいます。会社独自のルールや暗黙知を業務プロセスに組み込み、申請時のチェックをAIが支援することで、利用者は意識しないままAIの恩恵を受けられます。

SmartDBの今後の進化と「業務コンテキストサーバ」構想

Q SmartDBは今後、AIエージェント時代に向けてどのように進化していくのですか?

A 2026年後半から2027年にかけて「意味のDX」を段階的に実装し、意思決定を支える基盤へと進化させる計画です。

 2026年に入り、AIエージェントは質問に答える存在から「実務を代行してくれる存在」へと変わりつつあります。こうした流れを受け、SmartDBは業務の文脈を踏まえてAIが意思決定を支援する基盤を目指しています。例えば、取引先を引き継いだ営業担当者がAIエージェントに「過去の経緯を知りたい」と入力すると、AIは商談履歴や関連文書、これまでの判断を踏まえて要点を整理し、次のアクションまで提示します。上司の承認時にも、過去の経緯や権限に応じて必要な情報が提示されます。

 さらに将来的には、MCP(Model Context Protocol)を通じて外部のAIエージェントに業務データを安全に供給する「業務コンテキストサーバ」としての利用も構想されています。その鍵となるのが、どのエージェントにどこまでアクセスを許すかを管理する「AIエージェント台帳」です。石田氏は、参照できるデータや実行できる操作まで十分に制限できなければ事故につながりかねないため、エージェントごとに権限を設定して適切に管理する必要があると述べています。権限をデータの一部として扱ってきたSmartDBの特性が、ここでも生かされることになります。

まとめ:AI時代こそ「DX内製化」を推進する

 石田氏は、AIで成果を挙げるにはまず業務をデジタル化する必要があると語ります。Excelやメールを使う定型業務をシステム化して、業務の文脈を蓄積する。「急がば回れ」の姿勢が欠かせません。

 日本ではデジタル人材の約7割がITベンダー側にいるとされ、IT活用を外部に委ねてきました。だからこそ、自社の業務を知る人が自らデジタル化し、その知識や文脈を社内に蓄積することが重要です。石田氏は、AIの専門家がいなくても、現場がSmartDBでアプリを作り日々の業務を回す積み重ねが、他社には模倣できない「AI Readyデータ」を自然に育てると述べています。数年かかるデータ統合を待つ必要はありません。目の前の業務を一つずつSmartDBでデジタル化していくことが、AI時代の競争力につながります。

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提供:株式会社ドリーム・アーツ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年11月19日