Microsoft Intune導入後に陥る「運用形骸化」のわな 設定のブラックボックス化をどう解消する?:目的不在の導入が招く想定と実態のズレ

「Microsoft Intune」を利用し始めた企業では、「Active Directory」が残る環境での管理方針の曖昧さや、設定のブラックボックス化といった運用課題に直面しがちだ。なぜIntuneを使うのか、ビジネスを支援するための運用はどうあるべきか。数万台規模の支援実績を持つ専門家に、設定と実態のギャップを解消して運用を最適化するポイントを聞いた。

PR/ITmedia
» 2026年10月19日 10時00分 公開
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目的が曖昧なまま導入したIntuneが引き起こす課題

 「Microsoft Intune」(以下、Intune)は、「Windows」端末を中心とする社内システムと親和性があり、企業のデバイス管理基盤として普及している。Intune導入を目的としなくても「『Microsoft 365』の企業向けライセンスに内包されているから」という理由で試しに使い始めるケースもある。

 しかし広く普及したからといって、全ての企業がIntuneを理想的に使いこなせているとは言い難い。「導入してみたものの、従来の『Active Directory』(AD)中心の管理体制から抜け切れない」「前任者が退職してしまい、Intuneの設定内容がブラックボックスと化している」といった悩みが、情報システム部門の現場から聞こえてくる。

 Intuneの導入を検討する段階の企業からも「現状の管理方式からどのように運用が変わるのか分からない」という不安の声があるという。クラウドネイティブの根本宗一郎氏は、問題が大きくなりがちなのは「目的を曖昧にしたまま導入を進めてしまうケース」だと指摘する。

根本氏 クラウドネイティブの根本宗一郎氏(情報システムセキュリティアドバイザー/デバイススペシャリスト)

 「Intuneの導入目的を明確にしないと、設定の妥当性を判断できません。IT環境や業務の在り方が変化すれば設定の最適化が必要になりますが、判断基準となる目的がなければ変更の要否を決められません。中長期的な視点を持って、システム全体の方向性や業務の移行計画を見据えた上で、デバイスの管理方針を検討する必要があります」

 過去の設定経緯が不明瞭で、なおかつ運用管理の目的を曖昧にした状態では、変更時の影響範囲を推測しにくいために、現状維持(既存設定の変更の回避)に判断が傾きやすい。このように運用が停滞した状態は、将来のOSアップデートなどで仕様や機能が変化したときに必要な設定更新ができず、機能の停止やセキュリティ設定の不備といったリスクの顕在化につながる。

 導入時に見落とされがちなのが、エンドユーザーの業務運用や操作性への影響だ。Intuneによる統制強化は、端末の初回登録作業やPCのログイン方式の変更、ローカル管理者権限の制限などを伴う。これはエンドユーザーの操作性に影響を及ぼすことに留意する必要がある。

 「これまではエンドユーザーが自由にできたアプリケーションのインストールや設定変更などが、Intuneのローカル管理者権限の制限によって実行できなくなる場合があります。業務利用していたアプリケーションが使用不可となり、業務に支障を来すケースも想定されます。導入前にエンドユーザーへの影響範囲を検証しておくことで、情報システム部門と事業部門の負担を抑制できます」

 Intuneの導入をゴールとせず、導入後の運用とポリシーの見直しまで計画に含めることが、デバイス管理のモダン化を推進する重要なポイントだ。

ADが残る環境でIntuneをどう使うか 管理の在り方を決める起点は「中長期的なシステム計画」

 オンプレミスのADが残る環境でIntuneを活用する場合、デバイスをどの方式で管理するか、AD時代のグループポリシーをそのまま引き継ぐのか、パスワードレス認証のようなクラウド前提の仕組みをどう取り入れるのか、といった点が十分に検討されないまま決まっていることがある。いずれも、デバイスの種類や業務要件、将来のシステム構成によって最適解は異なる。

 こうした判断は、中長期的なIT戦略から逆算して決める必要がある。既存のオンプレミス環境を縮小するか廃止するかによって、デバイス管理の要件は変化する。オンプレミスシステムへの依存が一部の業務に限定される場合は、それ以外のデバイスを「Microsoft Entra ID」(以下、Entra ID)とIntuneの統合管理に段階的に移行するクラウドシフトのアプローチが有効だ。既存環境の機能を「残すもの」と「クラウドへ移行するもの」に分類して要件を定義したい。

 導入時に決定した構成を維持し続けることは運用リスクを伴うため、環境変化に応じた定期的な見直しを運用プロセスに組み込むことが重要だ。

辻󠄀氏 クラウドネイティブの辻󠄀宗己氏(情報システムセキュリティアドバイザー/デバイススペシャリスト)

 「導入時にADがあったからといって、ADとEntra IDの両方に参加させるハイブリッド構成を選択したとしても、それを長期間維持し続けることが自社にとって最適とは限りません。2〜3年後の環境変化を見据える必要があります。ADに依存した構成のまま移行の時期を迎えると、その制約によって、切り替え時のエンドユーザーへの影響やIT管理者の作業負荷が大きくなりかねません。設計・導入の段階から将来の移行を見据えて環境を整備することで、移行時の負担を抑制できます」と、クラウドネイティブの辻󠄀宗己氏は述べる。

 オンプレミスインフラを維持するかどうかの判断は、システム構成や業務要件によって変わる。重要なのは、初期構成をそのまま踏襲するのではなく、現在の要件に対して最適かどうかを定期的に検証するプロセスを設けることだ。

管理画面の設定と端末の実態に生じるギャップの把握が改善の出発点

 Intuneの運用においては、管理画面で想定した設定と端末側の実態にギャップが生じることがある。運用支援の現場で頻出する課題として「Windows Autopilot」による端末セットアップの失敗が挙げられる。また、更新プログラムの割り当て漏れによって、OSのアップデートが全体の6割程度にしか適用されていなかったケースもある。他にも「BitLocker」による暗号化が一部の端末に限定されている、ローカル管理者パスワードが全端末で共通化されている……などの「設定の不備」はセキュリティリスクとなる。

 こうしたギャップが生まれるのは、導入後の監視・保守体制の不備に起因する。「初期導入時に設定したポリシーを定期的に確認する運用フローが構築されておらず、メンテナンスが滞っているケースが見受けられます。IT担当者が他の業務に追われて、設定の不備を検知する仕組みが欠如している状態です」と辻󠄀氏は指摘する。現状の構成を正確に把握し、設計上の意図と実態との差分を可視化することが、運用改善の第一歩となる。

導入フェーズを問わず包括支援する「Intuneマネジメントサービス」

 情報システム部門が抱える課題全般を支援してきたクラウドネイティブは、その知見を生かし、Intuneに特化した「Intuneマネジメントサービス」を提供している。同サービスは現状診断(アセスメント)から設計・構築、運用マネージドまで体系化しており、企業のフェーズに応じて任意のプロセスで利用できるのが特徴だ。

サービス範囲 Intuneマネジメントサービスの支援範囲(提供:クラウドネイティブ)《クリックで拡大》

 「『導入から数年がたち、現在の構成のままで問題ないか確認してほしい』という現状診断の相談が増えています。もともと当社は、導入支援やオンプレミス環境からの移行、導入後の問い合わせ対応といった支援を個別に提供していました。これらを時系列で整理して体系化したのがIntuneマネジメントサービスです。どの段階からでも利用できるのは、こうした成り立ちによるものです」と根本氏は説明する。

 同社はID管理、認証、セキュリティなどの専門チームを社内に擁し、相互に連携してシステム全体の最適化を支援する。数万人規模の大手企業に対しても、管理画面で見落とされがちな設定漏れや、数千台規模のOSアップデート適用失敗などを能動的に検知して改善提案をした実績を持つ。

 さらに同社は、Entra IDやIntune、Windows Autopilotといったモダンなデバイス管理の技術に関する専門性を持つ企業として、日本マイクロソフトから「ゼロタッチデバイス管理パートナー」および「GIGAソリューションパートナー」の認定を受けている。その上で、実績と実体験に基づく助言を強みとしている。「公式ドキュメントをうのみにせず、実際の動作や影響範囲を実機で確かめてから提案することを徹底しています」と辻󠄀氏は話す。こうした取り組みが評価され、2026年には辻󠄀氏が「Microsoft Top Partner Engineer Award 2026」(Security部門)を受賞した。

ロゴ
ゼロタッチデバイス管理パートナーGIGAソリューションパートナー

 「当社はデバイス管理だけでなく、システム全体を踏まえた現状把握から設計、運用まで提案できます。目の前の課題を解決することはもちろん、将来どう在りたいかを見据えて、情報システム部門とエンドユーザーの双方が業務を円滑に進められる状態を一緒に考え、伴走していきたいと考えています」と根本氏は話す。

「管理目的」に立ち返り運用改善のサイクルを確立する

 Intuneは導入して終わりのツールではなく、運用の過程で継続的に構成を見直し、意図した状態へ近づける基盤となる。

 「大切なのは、管理画面の設定だけでなく、現場で稼働する端末の実態を正確に把握することです。管理画面上では設定できているつもりでも、割り当て漏れや競合によって、端末が意図した状態になっていないケースはよくあります。個別の課題への対処も大事ですが『何のためにIntuneで管理をするのか』という根本的な導入目的に立ち返り、判断基準を明確にする必要があります。よく『ベストプラクティスを教えてほしい』と聞かれますが、環境も目的も企業ごとに違うので、答えは一つではありません」(根本氏)

 Intuneはあくまでも管理の目的を達成するための手段であり、適切な管理状態を維持することで、エンドユーザーが安全に業務を実行できる環境を維持するツールと言える。同社は数名規模のスタートアップから数万人規模の企業まで支援しており、規模や導入段階を問わず相談できる。現行のIntuneの構成や運用体制に不安がある場合、最初のステップにはIntuneマネジメントサービスの「エンドポイント現状診断」で棚卸しとリスクの可視化から伴走してもらうのも一つの方法だ。

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提供:株式会社クラウドネイティブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年11月18日