【Q&Aで解説】HCIから「Dell Private Cloud」へ AI時代に選択肢を失わないITインフラとは:3層構成の柔軟性とHCIの使い勝手を両立する仕組み

ライセンス体系の変更やハードウェアコストの高騰で、HCIの限界が見え始めています。デル・テクノロジーズの「Dell Private Cloud」が3層構成の柔軟性とHCIのような使い勝手をどう両立するのか、デル・テクノロジーズの真下英之氏と羽鳥正明氏が移行事例とともに解説します。

PR/ITmedia
» 2026年10月30日 10時00分 公開
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この記事の概要

  • HCIはコンピュートとストレージが一体のため、AI向けにデータ容量を増やすと不要なCPUまで増え、ハイパーバイザーだけを切り替えることも難しい
  • 「Dell Private Cloud」(DPC)は自動化ツール「Dell Automation Platform」(DAP)を中核に、3層構成の柔軟性とHCIのような使い勝手を両立する
  • 「VxRail」からDPCへ移行した企業は導入・運用コストを大幅に削減し、GPUの搭載も視野に入れたAI開発基盤への先行投資につなげている


 生成AI活用が本格化する中、それを支えるITインフラ整備の悩みが深まっています。ハイパーバイザーのライセンス体系変更やハードウェア調達コストの高騰はIT予算に大きな打撃を与え、AIの進化の速さは、導入したインフラが短期間で陳腐化して投資回収が長引くリスクを高めています。デル・テクノロジーズの真下英之氏(法人営業統括本部 第一営業部 シニアアカウントマネージャ)によると、顧客から最も多く聞くのは「AI利用が前提になったが、何からどう始めればよいか分からない」という声で、ハードウェアコストの高騰を受けて「AIインフラをいつ購入すべきか判断が難しい」という相談も増えているといいます。

 こうした状況に対して同社は「いま決め切るのではなく、選択肢を失わないことが大事」と主張し、AI時代を見据えた変化対応力の高いプライベートクラウドソリューションに注力しています。アイティメディアの内野宏信統括編集長が聞き手を務めた対談を基に、デル・テクノロジーズの真下英之氏と羽鳥正明氏(インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部 製品本部 PowerFlex & Dell Private Cloud 製品スペシャリスト)の知見から、Dell Private Cloudの仕組みと導入効果をQ&A形式で解説します。

Dell Private CloudによるITインフラの見直しについて語るデル・テクノロジーズの真下英之氏(法人営業統括本部 第一営業部 シニアアカウントマネージャ)と羽鳥正明氏(インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部 製品本部 PowerFlex & Dell Private Cloud 製品スペシャリスト)、聞き手 内野宏信(アイティメディア 統括編集長)

データ容量の増加とライセンス高騰で見えてきたHCIの限界

Q VxRailなどのHCIからDell Private Cloudへの移行を検討する企業が増えているのはなぜですか?

A AI活用に向けてデータ容量を増やしたり、ライセンス高騰を受けてハイパーバイザーを見直したりする場面で、HCIの一体型の構造が足かせになるケースがあるためです。

 デル・テクノロジーズは、HCIとして同社とVMwareが共同開発したVxRailを、3層構成のシステムとしてDell Private Cloud(DPC)を提供しています。真下氏によると、AI活用の本格化を見据えて、VxRailからDPCへの移行を検討する顧客が増えていると言います。

 背景にあるのは、HCIのメリットがデメリットに転じるケースです。HCIはコンピュートとストレージが一体化したアプライアンス型のため、ストレージを増やすとCPUも増えます。真下氏は、AIで利用するためにデータ容量を増やすと、必要のないCPUまで増えてリソースのムダにつながることがあると指摘しています。

 データ削減の効率にも差があります。羽鳥氏によると、SSDのデータ削減率は、3層構成の専用ストレージが5対1(80%削減)であるのに対し、HCIは1.5対1(約33%削減)程度にとどまります。SSD価格が高騰している現在、データ削減の効果はインフラの導入価格に直接影響します。さらにHCIはハイパーバイザーとハードウェアが一体のため、ライセンスが高騰してもハイパーバイザーだけを切り替えることは困難です。羽鳥氏は、環境の変化に合わせてシステムを柔軟に作り替えられないことが投資判断の遅れにもつながると説明する一方で、HCIにもメリットはあり、それを生かしながらインフラを見直すことが求められていると述べています。

自動化ツールDell Automation Platformが3層構成にHCIの使い勝手をもたらす

Q Dell Private Cloudは、3層構成でありながらどのようにHCIのような使い勝手を実現しているのですか?

A 中核となる自動化ツールDell Automation Platform(DAP)が、カタログ化されたブループリントに沿ってITインフラの構築や運用を自動化するためです。

 DPCは、オンプレミス環境にプライベートクラウドを構築、管理できるソリューションです。デル・テクノロジーズのハードウェアと、サードパーティーの仮想化基盤やソフトウェアを柔軟に組み合わせ、コンピュート、ネットワーク、ストレージを共有リソースプールとして動的に管理します。

Dell Private Cloudはコンピュート、ネットワーク、ストレージを共有リソースプールとして動的に管理し、3層構成の柔軟性を維持しながらHCIのような使い勝手を実現する(提供:デル・テクノロジーズ)

 この仕組みを支えるDAPには、デル・テクノロジーズが提供するブループリントがカタログ化されています。ブループリントはITインフラを自動化する設計図のようなもので、これに沿ってソフトウェアをインストールしたり、コンフィギュレーションを更新したりできます。ITインフラの可視化、クラスターの拡張と縮退、ライフサイクル管理、AIOpsを利用したモニタリングにも対応し、AI、プライベートクラウド、エッジ環境にわたるITインフラの運用や管理を簡素化・自動化します。羽鳥氏はDAPを「HCIのような使い勝手を3層構成のITインフラで実現した基盤」と表現しています。内野統括編集長も、調達・配備・設定・運用の自動化や、リソースとコストの可視化を軸に、文字通りの「プライベートクラウド」が手に入ると評しています。

ハイパーバイザーの切り替えと既存ハードウェアの流用でコストを抑える

Q Dell Private Cloudでは、ハイパーバイザーの切り替えや既存ハードウェアの流用はできますか?

A 可能です。DPCはハイパーバイザーの切り替えに対応しており、既存のデル・テクノロジーズのハードウェアにDAPをインストールして利用することもできます。

 羽鳥氏は、HCIのようなシンプルさを生かしながら変化対応力を得るためのポイントとして、マルチハイパーバイザー対応、既存ハードウェアの流用、一貫した操作体系、統合的な自動化の4つを挙げています。このうちマルチハイパーバイザー対応は、単一のハイパーバイザーを使い続けるのではなく、必要に応じて別のハイパーバイザーに切り替えられるようにする考え方です。「このハイパーバイザーの方がコストメリットが高い」「既存のHCIの方が運用管理しやすい」といった複数の選択肢から、ワークロードごとに適切な手段を選べます。DPCは例えば「VMware vSphere」から「Microsoft Hyper-V」や「Nutanix AHV」への移行に対応しており、HCIでは果たせなかった運用を3層構成のメリットを生かして実現できる点が特徴です。

 既存ハードウェアの流用は、コストに直結します。一般にインフラを見直す際は、既存ハードウェア上での移行が複雑で難しいため、新規に構築してデータやシステムを移す方法が選ばれ、ハードウェアやライセンスを新たに導入するコストが発生します。DPCでは「Dell PowerEdgeサーバー」や「Dell PowerStore」などを利用しますが、新規導入に限らず、既存のデル・テクノロジーズのハードウェアにDAPをインストールして使えます。羽鳥氏は、既存ハードウェアを流用できれば、こうしたインフラコストを大幅に削減できると指摘しています。

vCenterの操作はそのままに、ブループリントで自動化を統合

Q Dell Private Cloudを導入すると、使い慣れたVMware vCenterでの運用や既存の自動化の仕組みはどうなりますか?

A 既存の運用方法を維持したまま移行できます。DPCエクステンションでvCenterの管理画面にDPCのメニューを表示でき、AnsibleやTerraformによるIaCとも連携できるためです。

 羽鳥氏は、インフラの見直しに伴って新しいソフトウェアの管理方法を学ぶことは大きな負担であり、数十年慣れ親しんだ操作が変わると想定外のミスも起きやすくなると指摘しています。インフラが変わっても操作体系は変わらず、簡単に使い始められることが求められるという考え方です。DPCはDPCエクステンションを使って他システムと統合できるため、例えば使い慣れた「VMware vCenter」の管理画面にDPCのメニューを表示させ、既存の運用方法を保ったまま新しい環境にスムーズに移行できます。

 自動化の面で羽鳥氏が課題に挙げるのは、運用を自動化するツールやAPIの多くが特定の分野に限られ、「自動化のサイロ化」を招いている点です。DPCはCI/CDとの連携や、「Ansible」「Terraform」によるIaC(インフラの構成をコードで管理する手法)に対応する他、独自のブループリントを作成してバックアップやネットワーク機器のファームウェアアップデートも自動化できます。生成AIのプロンプトでブループリントを作成するツールも提供されています。内野統括編集長は、ブループリントがサイロ化や属人化を抑えるドキュメント代わりになりそうだと評価し、使い慣れた運用環境のまま各社固有のやり方で標準化・自動化を進められる上、クラウド流の運用にも高度化できる点にDAPの意義があると述べています。

VxRailからの移行でコストを削減し、AI開発基盤への先行投資にも

Q Dell Private Cloudの導入でどのような効果が得られ、どのような規模の企業に向いていますか?

A VxRailからDPCへ移行した企業では、ストレージ、ホスト、ライセンスを含む導入・運用コストを大幅に削減しています。DPCはワンオペ情シスの小規模環境から大企業まで、幅広い規模で採用されています。

 真下氏が紹介した事例では、既存のHCI環境であるVxRailからDPCに移行したことで、導入・運用コストを大幅に削減しました。加えて、本来のシステムを支えるだけでなく、将来はAI開発基盤としても活用できるよう、先行投資として予算を拡大した点もポイントだといいます。HCIでは対応が難しいGPUの搭載や拡張も視野に入れたインフラとして、活用の幅を広げられたとのことです。真下氏は、DPCがコンピュートとストレージを個別に拡張でき、導入・運用の自動化にも対応する点を挙げ、単に以前の構成へ戻るのではなく、こうした点に新たな価値を感じる顧客もいると述べています。

 導入規模について羽鳥氏は、DPCは中小規模から大規模まで幅広く利用できると説明しています。専任担当者が1人しかいないワンオペ情シスの小規模環境、ストレージの専門知識がないIT部門、運用管理体系を変えたくない大企業など、さまざまな企業で採用が進んでいます。

まとめ

 AI活用が前提となる一方で、ライセンス体系の変更やハードウェアコストの高騰、AIの急速な進化によって、ITインフラの投資判断は難しさを増しています。真下氏は、先が見通せない中で重要なのは、いま決め切ることではなく、変化しても選択肢を失わないようにすることだと強調します。AIインフラの価格は右肩上がりのため、「できるだけ早くAIインフラを導入する」のではなく、「システムを見える化して段階的にAIインフラへ移行する」という考え方が重要だといいます。

 DPCは、マルチハイパーバイザー対応、既存ハードウェアの流用、一貫した操作体系、統合的な自動化によって、HCIのような使い勝手と3層構成の柔軟性を両立するソリューションです。羽鳥氏は、中核を成すDAPを軸に、AIやエッジ、OTを含めたエンタープライズ全体をサポートできる点を同社の強みに挙げています。デル・テクノロジーズは現状把握から目的に応じたロードマップの策定、コスト削減や将来のAI活用までを含めて支援するとしており、HCIの見直しやAIインフラへの備えに悩む企業にとって、5年先を見据えた有力な選択肢といえるでしょう。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/掲載内容有効期限:2026年11月29日