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2005/05/16 00:00 更新


クライアントの「Real Partner」としての存在を目指す

アビームコンサルティングは、8年連続でSAPのパートナーアワードを受賞するほど、SAPへのコミットメントが深い企業として知られている。SAPプロジェクトには成功事例が多く、さまざまな企業がSAP導入においてコンサルティングを依頼している。SAPPHIREのセッションでもクライアント企業に登壇してほしいという同社の展望を聞いた。

 アビームコンサルティング(以下、アビーム)は、旧デロイト・トーマツ・コンサルティング時代から8年連続で日本国内のSAPパートナーアワードを受賞するなど、SAP導入に豊富な実績を持つ。グローバルなシステム展開を視野に入れた大規模プロジェクトの方法論を大企業向けに提供することで、クライアントの「Real Partner」としての存在になることを目指している。

Real Partnerとは?

 同社のコンシューマ・ビジネス事業部で統括責任者を務める岩澤俊典氏は、次のように話す。「なぜReal Partnerなのか?


岩澤俊典氏

 本来、“システムを導入すること”が目的ではありませんよね、システムを使って何かを達成したいという目的があるわけです。ですから、われわれは導入後も引き続きクライアントを支援することで、継続的なBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)という面からビジネスの品質を高めていくためのお手伝いをしていきます」

 “手離れがいい”というフレーズは、IT業界でよく使われる。主にパッケージベンダーが使うのだが、ほとんどがポジティブな意味だ。これは、導入されればすぐに稼働できる完成度の高さというニュアンスがあるためだろう。しかしながら、アビームはこれと全く逆の道を行こうとしている。

 それは、「導入してシステムが稼働したら終わり」なのではなく、導入してからも日々変化するビジネスの形態に合わせて、システムを合わせていくことを支援しようというアプローチだ。もちろん、クライアント企業のビジネスそのものが妙な方向に進まないように、外部の頭脳として歯止めを効かせる役割も担うのだが、それ以上に一過性のBPRを良しとしない感覚が勝るようだ。

日本企業の世界展開をサポート

 アビームは、製造業や流通業、一般消費財メーカーといった、サプライチェーンを構成する企業に対するソリューション提供に実績がある。 SAPソリューションを強力なツールととらえ、それを「使う」企業のために、最適な使い方を指南する。 中でも、グローバル企業のビジネスプロセス・デザインにおける方法論に強い。それを具現した事例が、花王のアジアにおけるSAP全面展開を サポートしたプロジェクトの成功だ。

 花王は、アビームの支援を受け、アジア6カ国22拠点にSAPをビッグバンで導入した。導入モジュールは、 SAP R/3のFI(財務会計)、CO(管理会計)、SD(販売管理)、MM(在庫管理)、PP(生産計画)、APO(需要予測)、BW(データ分析)など主要なものほぼ全てとなっている。

 ビッグバンでこれだけの規模を稼働させた事例はグローバルで見ても非常に珍しいものだが、岩澤氏はそれをおごることなく、次のように話す。


宮田靖氏

「このやり方が、必ずしもすべての企業に最適なわけではありません。海外では、まず基幹系を中心にシステムを稼働させてから、 APOやCRMなどのニューディメンジョン系へと広げていくアプローチが望ましい場合もあります。」

 日本企業であっても、海外製のパッケージを使うメリットはここにあるようだ。

「国産のパッケージでビジネスプロセスのデザインをグローバルに展開しようとすれば、多通貨対応にとどまらないさまざまな制約が出てきます。海外拠点を結ぶビジネスプロセスを確立したい場合には、海外製パッケージしか選択肢はありません」(岩澤氏)

 グローバルでサポートを受けながら、拠点導入を進める。さらに、複数拠点に導入されたシステムを連携させることで、全世界共通の業務基盤として機能させる。アビームでは、そうすることで、本社−拠点をタテ割りにせず、有機的に連動させ、風通しのよいコミュニケーションを実現したい考えだ。

独自の業種別テンプレート

 アビームは、全世界に拠点を持ち、旧デロイト・トーマツ・コンサルティングのノウハウも引き継いでいる。しかし、日本と台湾が中心で、コンサルティングにおける方法論は、日本・アジア企業のエッセンスが強く反映されたものという。

 岩澤氏は、「昔からあった大規模プロジェクトの方法論を再構成し、業種別にビジネスプロセスのテンプレートを用意しています。グローバルファームでありながら、日本が中心というのがわれわれの強み。この業種別テンプレートで、プロジェクトの品質を保つことができます」と話す。

 一般に、テンプレートとして提供されているものは、「どこかの会社の仕組み」をそのまま利用するものだ。これに対して、アビームの業種別テンプレートは、さまざまな企業から高品質なビジネスプロセスを集約して構成されている。

 これは、旧デロイト・トーマツ・コンサルティングから続く伝統の強みだろう。しかし、それだけではない。そこから分離独立して、それまで日本でつちかった方法論を錬成し、独自のテンプレートに仕上げたアビームの意気込みが見てとれる。

「日本を中心にするグローバルなコンサルティングファームとして、この方法論は必ずクライアント企業に価値を提供できるものだと自負しています」(岩澤氏)

 コンサルティングファームの方法論は、すべてが同一ではない。企業がアビームの方法論やテンプレートを選択するメリットは、日本・アジアを中心として見たビジネスのテンプレートを唯一提供できるコンサルティングファームとして、アビームが着実に日本でビジネスを展開していることにあると言えそうだ。

SAPへの深いコミットメント

 これを裏付けるのが、8年連続SAPサービスパートナーアワード受賞、5年連続SAPプロジェクトアワード受賞という実績だ。また、アビームのSAP認定コンサルタントは1309人(2005年1月31日現在)と国内でナンバーワン。これまで190を超えるSAPプロジェクトに関与し、現在40強のSAPプロジェクトを展開している。

「日本の大企業では、まだそれほどERPが使われていません。ERPの一部を導入している企業は多いですけれど。ですから、われわれは大企業に対して、ERPの価値をさらに啓蒙していきたいのです。最近、SAPは中小規模企業向けソリューションにも力を入れているようですが、大企業向けのビジネス展開も引き続き力を入れてほしいですね」(マーケティング部 統括責任者 宮田氏)

 アビームの大企業向け業種別テンプレートは、SAPPHIREに出展される。大きなブースを構え、広く潜在顧客にソリューションの優位性を訴えるほか、大手企業でSAPをうまく使っている顧客の事例も紹介。さらに、セッションでもクライアントに登壇してもらい、アビームとSAPの実績を具体的な事例としてアピールしたい考えだ。

[ITmedia]

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