特集:全1回 .NET FrameworkをUNIXで動かす「Mono Project」:dev .NET(4/9 ページ)
ノベルが取り組むオープンな.NET Framework環境。「Mono」は、ASP.NET、ADO.NETなどの開発を必ずしもWindows上で行う必要がない、という新たなアプローチとして注目されている。その実力をサンプルを用い検証してみた。
実装されないクラスライブラリ
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Monoには、幾つかの理由で実装されないクラスライブラリや機能もある。その大半は、Windowsに特化しすぎているものだ。
- Win32コードの呼び出しやCOM関連のもの
.NET Frameworkのプログラムは、Win32コード(アンマネージドコード)を呼び出したり、COMコンポーネントを呼び出したりして利用できる。しかしこれらは、Windows以外の環境では動作しないので、Monoではサポートされていない。
- MSMQやCOM+(MTS)
Windowsでは、MSMQで提供されるメッセージキューを使って非同期呼び出しをしたり、COM+を使ってコンポーネントのトランザクション処理をしたりできる。しかしこれらの処理は、Monoではサポートされていない。
ちなみにMonoのソースコードを見るとわかるが、クラスやメソッド、プロパティなどが実装されていないわけではなく、実装されていない機能には、NotImplementedExceptionという例外を返すダミーコードが記述されている。そのため利用できない機能を使うと、コンパイルできないのではなく、実行時に例外が発生するという動作となる。
Monoのインストール
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Monoは、Monoのダウンロードページ(http://www.go-mono.com/download.html)からダウンロードできる。OSごとのパッケージが用意されているので、各OSに適したパッケージをダウンロードすれば、インストールは簡単だ。
Linuxの場合
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Linuxの場合には、RPMパッケージとしてダウンロードできる。たとえば、Fedora2の場合には、次のようにインストールする。
1. Mono本体のインストール
Mono本体は、次のようにインストールする。
# rpm -i libicu26-2.7.2-1.ximian.11.0.i386.rpm # rpm -i mono-core-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm |
これにより、/usr/bin/ディレクトリに、Monoを実行するmonoコマンドなどがインストールされる。また、設定ファイルは/etc/mono/下に、ライブラリは/usr/lib/mono/下にインストールされる。
2. XSPのインストール
ASP.NETを実行するためにXSPをインストールするのであれば、次のパッケージをインストールする。
# rpm -i mono-novell-directory-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-directory-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-nunit-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-ms-enterprise-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-web-services-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-data-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-ziplib-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-web-forms-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i mono-remoting-0.96-1.ximian.8.2.i386.rpm # rpm -i xsp-0.15-1.ximian.8.0.i386.rpm |
すると、/usr/bin/にxsp.exeというXSPを実行するためのコマンドがインストールされる。
Mac OS Xの場合
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Mac OS Xの場合には、ディスクイメージとして提供されている。ディスクイメージは、「mono-0.96-framework.dmg」と「mono-0.96.dmg」の2種類がある。内容は同じであり、前者は/Library/下にインストールするもの、後者は/opt/下にインストールするものであり、どちらを利用してもかまわない。ここでは、前者の「mono-0.96-framework.dmg」を使うことにした。
1. Mono本体のインストール
mono-0.96-framework.dmgをマウントすると、mono-0.96-framework.mpkgというパッケージファイルが現われる。
このパッケージファイルをダブルクリックしてインストールすると、画面2のようにインストーラが起動する。インストーラに示されている通りにインストールを進めれば、/Library/Frameworks/ディレクトリ下に、Mono.framework/ディレクトリができ、その下にMonoの基本パッケージがインストールされる。
また、/usr/bin/ディレクトリ下には、コンパイラや実行のためのコマンドなど、Monoを構成するコマンド群が格納される。
2. XSPのインストール
ASP.NETを実行するためのXSPは、パッケージに含まれていないので、ソースコードからインストールしなければならない。ソースコードは、xsp-0.15.tar.gzとしてダウンロードできる。
xsp-0.15.tar.gzを展開すると、xsp-0.15ディレクトリができる。このディレクトリには、configureスクリプトがあるので、次のようにしてインストールする。
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$ ./configure $ make $ su # make install |
上記のようにconfigureスクリプトに何もオプションを付けなかった場合には、/usr/local/bin/下にXSPがインストールされる。
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