続報! ATOK/一太郎:UNIX USER2004年12月号特別企画より転載(1/4 ページ)
12月22日にATOK/一太郎のLinux版が発売される。どのような製品となっているのか気になっている方は多いだろう。ここでは、開発版の情報をベースに、機能や仕組みなどについて紹介していこう。
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ATOKは、古くから実績のあるかな漢字変換ソフトウェアだ。その変換精度には定評があり、長文でも適切な漢字に変換してくれる。現在では、Windows版、Mac OS X版があるほか、SolarisやHP-UX、各種PDA/携帯電話にも搭載されている。
Linux版は、1999年7月、ATOK 12ベースの簡易版「ATOK12 SE」(Standard Edition)を各ディストリビューションへバンドルしたのを皮切りに、翌年機能拡張されたATOK Xが単体発売され、現在に至っている。ATOK SEはkinput2から利用するシンプルな変換エンジンだったが、ATOK Xでは、IIIMF*対応、GTK+を使ったATOKパレット/候補ウィンドウが用意され、Windows版ATOK12とほぼ同様の機能となっている。
12月に発売される*ATOK for Linuxは、ATOK17をベースとした最新のエンジンだ(図1)。Windows版やMac OS X版と互換性があり、UTF-8ロケールへの対応、UCS-2ベースの外字やJIS第3・第4水準の漢字にも対応している。
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Linux版としては、ATOK X以来の新製品となるので、基本的にはATOK 12からATOK 17までに行われた機能拡張が盛り込まれた状態である。Windows版を含めたATOK全般の話にもなってしまうが、ATOK Xからの強化点を整理すると以下のようになる。
・変換エンジンの強化 |
文脈を考慮した助数詞の変換 |
話し言葉、方言、文語への対応 |
・辞書の強化(図2) |
標準辞書に3万語以上の単語追加 |
カタカナから英語に変換できる辞書(2万5000語) |
トレンド辞書(2004年版) |
人名辞書(11万語) |
専門用語辞書(コンピュータ・インターネット用語辞書、経済・ビジネス用語辞書) |
記号辞書 |
JIS第3・第4水準漢字辞書(フォント、アプリケーションの対応が必要) |
・推測変換機能(図3) |
・校正支援機能(図4、5) |
・クリックパレット(図6) |
・UTF-8ロケールへの対応 |
図3 インクリメンタルサーチによる入力も可能。「UNIX USER」と入力して確定した後、「うn」(un)と2文字入力した状態でTabキーを押した状態(1文字入力後にTabキーでも表示されるが、当然候補が増える)。変換候補が表示されるので、Tabキーで選択し、Shift+Enterキーで確定させる。先頭の数字を入力しても確定できる。Zsh(Bash)の補完機能と操作感が似ているので、シェル補完機能をよく利用しているユーザーなら非常に便利だ(クリックで拡大します)
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