PeopleSoftユーザーのテストを受けるOracle(2/2 ページ)
PeopleSoftの所有権を手に入れるという念願をかなえたOracleを次に待ち受けているのは、同社の意図に懐疑心を抱く多数のユーザーだ。
買収を通じて手に入れたアプリケーションの改良とサポートを続けるという約束をOracleが果たすものと信じているユーザーもいるようだ。
オレゴン州ポートランドにあるSchnitzer Steel Industriesで情報サービスを担当するディレクターで、J.D. Edwards のユーザーグループであるQuest International Users Groupの会長を務めるフレッド・ポンド氏は、「今のところ、Oracleはすべて正しいことを述べており、当社を含む大多数の顧客が望んでいる約束をしていると言わざるを得ない」と話している。
ポンド氏は、「Oracleに協力するのはやぶさかではないが、PeopleSoftが開発中のアップグレード製品をOracleが提供することを望んでいる」と話す。また、現在サポート中のバージョンのEnterpriseOneのバグフィックスと定期アップデートも提供してもらいたいという。
まだ漂う不透明感
ロンドンを本拠とするコンサルティング会社Ovumのリサーチディレクター、フィリップ・カーネリー氏は、「PeopleSoftがOracleの提案を受け入れることに合意したことは、何カ月にもわたってユーザーの上を覆っていた不透明な雲を取り払うものであることは確かだ」と報告書で指摘している。
「少なくとも現時点では、PeopleSoftの顧客の不安感が多少なりとも解消された。たとえこのような結果を好まないとしてもだ」とカーネリー氏。
しかし、長期的には新しいアプリケーションベンダーを見つけるしかないと考えているユーザーもいる。
アイダホ州ボイスにある牛肉販売業者Agri Beefのケーシー・マクマレン氏は、「10〜12カ月後に当社がほかのベンダーの顧客になっている可能性は十分ある」と言う。
「私がOracleとビジネスをしようという気持ちになるためには、Oracleはもっと努力する必要がある」(マクマレン氏)
マクマレン氏は、Oracleや同社の製品、そして同社の派手好みのラリー・エリソンCEOを好きになれないという。「エリソン氏が去り、Oracleが今後もPeopleSoft製品の開発を続け、これらの製品がSQL Serverなど複数のデータベース上で動作することを保証するというのであれば、同社の顧客としてとどまってもよい」と同氏。
関連記事
- エンタープライズソリューション
- エンタープライズTopへ
- PeopleSoftから見た買収劇とOracleの今後の展開
- OracleのユーザーグループがPeopleSoftサイドに協力呼び掛け
- Oracle社長、PeopleSoft統合プランを語る
- Oracle/PeopleSoft合併でIBMやSAPはどう動く?
- Oracleは売り? 懐疑論が渦巻くPeopleSoft買収
- PeopleSoft買収決着、その背景にあるものは?
- “OracleSoft”恐るるべからず、アナリストが助言
- [WSJ]「Oracleはさらに強大に」――PeopleSoft買収成功のエリソンCEO
- 新規ソフトウェアライセンスが好調、Oracleの第2会計四半期は好決算に
- 「一つの真実」を追い求めて信念を貫くOracleのエリソンCEO
- PeopleSoft買収はお預けだが「11i.10」の新機能を売り込むウォール執行副社長
- 「The Information Company」を掲げたOracleのフィリップス社長
- OracleのPeopleSoft買収、最後の障壁は判断持ち越し
- Oracleの「最後のプロポーズ」の行方は?
関連リンク
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.