「100億人の善玉P2P」目指すNECの新プラットフォーム
NECがピュアP2Pプラットフォームを開発。セキュアにファイル交換が可能な上、大規模掲示板などコミュニティサービスの構築にも活用可能という。来年度の実用化に向けアプリケーション開発を進める。
NECはこのほど、P2P技術を活用した情報流通プラットフォームを開発した。著作権を保護しながらコンテンツ配信が可能な上、掲示板やBlogなどの構築にも活用できるのが特徴。将来は100億人規模の利用にも耐えうる仕組み作りを目指して研究開発を進める。
開発したのは「P2PWebプラットフォーム」と呼ぶソフトウェアライブラリ。分散ハッシュテーブル(DHT)技術の採用により、コンテンツ所在情報などを分散管理することで、中央サーバを介さずにコンテンツをやり取りできる。デジタル著作権管理(DRM)技術によるトレーサビリティや、暗号化によるアクセス制御機能なども備えた。
コンテンツファイルの交換だけでなく、大規模掲示板サイトやBlogサービスの構築にも利用できる。管理サーバ不要のアクセス制御技術を使うことで、メンバーを限定したコミュニティサービスをオープンなP2Pネットワーク上でで形成することも可能という。
同社によると、ネット上のトラフィックの6割以上はP2P通信が占める。ただ現状のP2Pでは、違法コピーされたコンテンツの流通などが大きな問題になっている。NECは「悪玉P2Pを安全・安心な善玉に」として、同プラットフォーム上に各種アプリケーションを構築することで、一般ユーザーが安心して情報発信できるネットワークを低コストに構築できるとしている。
利用第一弾として、専門性の高いプロフェッショナル向けコミュニティの情報共有基盤として採用する予定で、2005年度の実用化を目指してアプリケーション開発を進める。
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