自律化はデータベース運用に何をもたらすのか(2/2 ページ)
自律化といえばサーバレイヤーで語られることが多いもの。しかし、日立が「HiRDB Version7.2」で実現したポリシーベースの自律運用は、データベース自体でも対応するアプローチだ。その効果を探る。
データの挿入、削除が繰り返し発生すると、データベースは断片化を引き起こし、性能劣化につながることがある。そのためデータメンテナンスを実施する必要があるが、従来はその時期の判断は、データベース管理者の経験に対する依存が非常に大きかった。
HiRDBでは、これまでも再編成を実施する判断を行うため、視覚的にデータベースの状態を表示するという機能を提供してきた(画面1)。しかし、これでも実際再編成時期を決めるにはデータベース管理者の経験に頼ることになる。
今回、リリースされるHiRDB Version7.2では、新たに「再編成時期予測」機能を提供することで、より的確な時期の判断を支援することができるようになった。つまりこれは、
- データベース格納状態を監視する
- データベースの断片化の状態に応じて、メンテナンス時期(予測日)とその方法を提案する
- メンテナンスを自動的に対処する
という機能である。また予測日とともにメンテナンス方法としては次のような、3つの状態に応じて運用管理者に提案してくれる(画面2)。
- 使われていない空きページを回収し、再利用可能とすることで断片化を軽減するガベージコレクション機能
- データベースの詰め替えを行い、断片化を解消するデータベース再編成機能
- データエリアの拡張機能
つまりHiRDBでは、適切なタイミングを図るために、定期的に指定された対象のテーブルやデータ領域を一定の間隔で監視を行い、予測日とその対処方法を管理者へ示すことが可能だ。これらの対処は、どうしてもデータベースに負荷がかかるため、オンラインサービスの停止や、比較的負荷の低い日時を選んで実行する必要がある。しかし、予測日をあらかじめ提示することで、事前に対処する計画を立てることができるわけだ。これにより、問題が顕在化することなく対処ができるだろう。
「自律化実現によって、データベース運用の敷居を下げることができた」と日立では主張している。
関連記事
- 日立、HDD非搭載ノートPCによるセキュリティシステムを発表
- グループウェアはコラボレーションポータルへと向かう
- 監視と自律性追求のアプリケーションサーバ、Cosminexus V6.5
- Interview:SOA実現への現実的なフェーズ、日立の戦略とは
- 2005年新春インタビュー:グループで培った多業種ソリューション展開へ
- サーバからケータイまで、2004年に築いた日立の基盤とは
- 日立、BladeSymphony体感のコンピテンス・センター開設
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.