いくらやっても終わらない……:「コンセント、抜けてます。」
この記事は秀和システム社発刊の書籍『コンセント、抜けてます。』の一部を許可を得て転載しています(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
○月×日までにこれこれ、同時平行でその3日後までにあれとこれ、といった具合に、仕事のスケジュールがオーバーラップしまくることは、コンピュータの開発業界ではごく普通にあることです。
もともとはそういう予定ではないんです。仕事が3つあったら、3つが全部重なるなんてことがないように、ちゃんとプロジェクトを作って管理するのが普通です。しかし、だいたいというか、100%の確率ですべてのプロジェクトは遅れます。1カ月で終わるはずが2カ月目になってもまだ半分という状態になっても、次のプロジェクトは予定通り開始されます。
以下繰り返しでどんどんスケジュールがオーバーラップしていきます。こなせる仕事量には限界がありますから、当然全部いっぺんに仕立てるなんてことはできません。たいていの場合は、自分より上流で遅れたしわ寄せがどんどん溜まっていき、下流からは早くしろと突つかれます。自分のせいで遅れたわけではないとしても、自分の担当個所が終わらなければ全体の進行が遅れるという状況に陥ります。
大企業がいくつかの下請けに出して大きなプロジェクトを仕上げる場合、度重なる仕様変更や意思疎通の問題で、「こんなはずじゃなかった」ということが日常茶飯事です。しかも元請けは「下請けの作業が遅い」とか文句を言います。遅くなったのはダレのせいだと噛み付いてもどうにもなりません。
そこで一句!
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栗林 彰(くりばやし あきら)
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