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SEに求められる「アーキテクチャ的思考」ITR 内山悟志の提言(2/3 ページ)

ITRアナリスト内山氏の寄稿の2回目。前回の総論に引き続き、各論に入る。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

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 そして、このような都市計画を具体的に実現するために、標準化、規範、適切な運用が必要となる。企業の情報システムにあてはめて考えると、ビジネス環境や業務要件の変化にも柔軟に適応できるシステムを構想することを意味する。

 また、全体最適化のために、どの個別要件を切り捨てるか、システムを少ない運用コストで長く使い続けるためにどのような技術を採用するかなどを考慮することが重要となる。

アーキテクチャ的思考を身につけるには

 顧客に対するシステム構築の提案の際にも、外部環境の変化や顧客の課題を構造的に捉え、仮に個別システムの構築案件の場合であっても全社システムにおける位置づけを明確にし、標準化や技術的な整合性を考慮した提案を考えることが肝要となる。

 このようなアーキテクチャを考慮した提案を行うには、顧客企業のビジネス要件や課題、そして現状のシステム環境などを十分に把握していることが必要であることはいうまでもない。その上で、要件や課題を論理的に整理し、実現しようとするシステムの全体像や構成をわかりやすく表現する能力が欠かせない。

 事象を構造的に把握したり表現したりするテクニックは数々紹介されているが、共通して基本となるのが分類である。課題を大きく3つに分類する、技術的な解決策を2つの評価軸でパターン化するといった具合に、分類は事象構造化において最も有効な手段といえる。

 物事の本質を見極めたり的確に評価したり、あるいはそうした内容を複数の間で共有・合意するためには、こうした分類や関係性を図示することが非常に有効な表現手段となる。

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