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データを制するSEがシステムを制す現場から見るSEの「地力」(3/3 ページ)

企業を支えるデータを正確に把握すれば構築するシステムの質は自ずと高くなる。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

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CRMプロセス実行のためのデータ

 次に、CRMプロセスを実行するために必要なデータを考える。CRMであるから、基本的にお客様(顧客)のデータとそのお客様との関で発生するデータ(問合せ、要望、クレーム、営業/マーケティング活動、訪問/電話記録など)である。

 さらには、会計処理用の売り掛け、買い掛け、元帳、固定資産、なども忘れずに書き出しておく。ここまでは、通常の業務を行う上で必要なデータであるが、企業経営を考えると、これだけでは十分ではない。これらの業務がうまくいっているかどうかをチェックし、必要なアクションをとるためのデータ、すなわち、業務管理用のデータが必要になるはずである。

 したがって、最後は、報告・管理・分析レベルのデータということになる。これには、上述した業務処理データに対応する形で、次のようなデータが必要になる。受注・販売実績、発注・入荷実績、受注効率、在庫推移、受注充足率(欠品率)、顧客ダイナミクス、営業活動分析、電話放棄率、一次回答率、製品ダイナミクス、クレーム率、品質管理データ(不良品率など)、調達リードタイム、など多岐にわたる。

 上記のようなデータを、例に示すようなデータ体系図にまとめていく。最初はきれいに整理できないかもしれないが、まずは書き出してみることが大事である。できれば、ドラフトを作る過程では、模造紙に図のような枠を書いて、その上に、付箋紙に一つずつデータを書いたものを貼っていくとよいだろう。付箋紙なら、自由に動かしてみることができるので、頭の整理に非常に役に立つ。

 整理の際に注意する点は、最終的に縦方向に確認してみて、計画、それを実行する業務処理レベルのデータ(主に実績)、そして計画どおり業務が遂行されているかをチェックするための分析・管理データの整合性がとれているかをチェックすることである。もし、ここに不整合がある場合には、業務がうまくいっていないか、管理がうまくいっていないか、無駄があるかなど、何らかの問題がある。

 では、本日の演習として、各自体系図を作成してみてはどうだろうか? いきなり会社全体のデータ体系図を作成するのは無理としても、あるプロセスの一部や業務領域を取り上げて、作成してみるとよい。

 次回は、このデータ体系図へのマッピングを通じて、アプリケーションアーキテクチャの考え方を説明してみたい。

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杉山 正二

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