分析のパラダイムシフト、SAPジャパンがAnalyticsを国内発表
SAPジャパンが「今」の業務そのものを把握し、担当者に判断力を与える「SAP Analytics」を発表した。ESAに基づいて開発されており、複数のシステムから必要なデータを引き出し、業務の実行画面とポータル上で一体化できる。
「企業における“分析”の在り方を根底から変えてしまうだろう」──SAP Analyticsの記者発表会でSAPの玉木一郎バイスプレジデントはこう切り出した。
SAPジャパンは6月21日、刻々と変化するビジネスをリアルタイムで分析し、現場の業務担当者が必要とする判断材料を提供する「SAP Analytics」を国内でも年内に出荷することを明らかにした。ビジネスインテリジェンス(BI)が過去の結果を分析し、KPI(主要業績指標)などを用いて達成率を評価するのに対して、SAP Analyticsは「今」の業務そのものを把握し、担当者に判断力を与える仕掛けだという。
SAP Analyticsは4月下旬にコペンハーゲンで行われた欧州SAPPHIREや5月中旬のSAPPHIRE Bostonでもデモされた。
企業のビジネスプロセスは、マルチチャンネルで受注し、製造は海外拠点で行うといったように、複数のシステムを横断していることが多い。このため日々の業務を遂行する担当者からすると、例えば、納期回答を顧客から求められたとき、各工場の在庫データをリアルタイムで取ることが難しくなっている。こうした例外処理への対応力は、かつてであれば、上司に判断を仰げば良かったが、今やそんな時代ではない。
「彼らはその日のうちに納期回答を求められている。Analyticsのメインユーザーは業務を担当するビジネスユーザーそのもの」(玉木氏)
Analyticsは、SAPが掲げるSOAベースの「ESA」(エンタープライズ・サービス・アーキテクチャー)構想に基づいて開発されており、複数のシステムから必要なデータを引き出し、業務の実行画面とポータル上で一体化させて見せることが柔軟に行える。ESAのメリットを具体的に実感できる仕掛けでもあるという。
実際の業種・業務シナリオに合致した、例えば、販売目標と実績の比較分析のような、そのまま使えるAnalyticsアプリケーションが100種類以上提供されるほか、「SAP NetWeaver Visual Composer」を使えば、ドラッグ&ドロップで開発できるという。
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