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ここ一番の会議は「段取り力」で勝負一歩先を行くSEの頭の使い方(3/8 ページ)

一歩先を行くSEの「頭の使い方」を考える。今回は会議における疑問や不満の原因を分析し、より効率的な話し合いをするための方法論を紹介していく。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

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  • 2.会議案内

 会議の目的と参加メンバーが決まったら、日時の調整を行い、会議の案内をする。会議案内においては、アジェンダ(議事次第)の作成が最も重要な作業である。アジェンダは、時間や場所に加えて、プロジェクト全体の中での会議の位置づけ、討議したい内容の概略を示すものだ。

 下図は、私がプロジェクトマネジャーを務めた案件で実際に使った、ある進捗会議のアジェンダである。通常のアジェンダでは、表右上にある枠中にあるような、日時、場所、議題、配布資料等の形式的な情報しか記載されていないことが少なくない。

 しかし、このアジェンダには、上記に加えて、これまでの作業内容と今後の予定が記載されており、さらに、議論の目的や主なポイントが詳細に書かれている。

 ここ数年、私が関わった会議やファシリテーションに関するコンサルティング案件では、この形式のアジェンダが取り入れられることが多い。ぜひ、参考にしていただきたい。

 一見、会議のために無駄な手間をかけているように見えるが、そうではない。

アジェンダ作りに時間をかける意味は、主に2つある。

 1つは、参加者の時間の節約である。よく、発表者は会議の前日までに各自資料を準備し、参加者は事前に目を通しておくように、という会議ルールが設定される。理想論としては正しいが、あまり現実的ではない。私もこれまで何百という会議に参加してきたが、そういったことを実際にできる会議は全体の2-3%程度である。役員へ意思決定をお願いする会議、ユーザーへ要件定義の確認を取り付ける会議など、非常に重要な会議に限られる。通常の進捗会議のようなものでは、事前に資料が揃わないことが多いし、参加者も事前に資料を読んでおく余裕もない。

 ファシリテーターが丁寧にアジェンダを準備することで、参加者の時間が大いに節約できることが、ポイントの一つである。

 もうひとつは、主催者が会議のシナリオや落としどころを綿密に検討できることだ。丁寧なアジェンダは、深く考えないと作ることができない。こうしたフォーマットを使うことで、主催者に周到な準備を促すことが、ふたつ目のポイントだ。

 アジェンダが完成したら、参加者にメール等で配布しておこう。

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