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OpenOffice.org 2.0はMicrosoft Office代替えにふさわしいかOOo 2.0が変えるオフィスアプリ基準 第1回(1/4 ページ)

正式リリースが迫るOpenOffice.orgの新版2.0。この特集「OpenOffice.org 2.0が変えるオフィスアプリ基準」第1回は、オフィススイートに求められるべき要件は何なのかを整理し、機能性、互換性、それともシェアなのかを検証していく。

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オフィススイートに課せられているもの

 ほとんどの企業では、オフィススイートとしてMicrosoft Officeを利用しているだろう。たとえば企業の求人情報の多くには「Word、Excelのできる人」と書かれている。例としてGoogleで「求人」「一太郎」で検索してみると、約2万1千件がヒットしたのに対し、「求人」「ワード」で検索すると約43万6千件と、実に20倍以上の開きがあるのだ。企業の中には「一太郎しか使わない」というところもあるかもしれないが、取引先からWordファイルが送られてくれば、使わざるを得ないはずだ。

 特定のオフィススイートがマーケットを独占している場合、いくつかの利点が考えられる。たとえば、ユーザーはひとつのツールの使い方を覚えれば、新しい操作を覚える必要がない。各社のオフィススイート間で文書ファイルを相互にやり取りする方法を考える手間が省ける。

 しかし、独占状態には欠点もある。何より価格競争が起こらないため、製品が成熟しても価格は下がらない。これは、1人1台のPCを使う時代になると、多くのユーザーを抱える大企業ではライセンス料が巨額になることを意味する。また、特定のツールに依存したITシステムは、脆弱性が見つかった場合、大きな被害を生む可能性が高くなることだ。

 このような状況を打破する可能性があるオフィススイートが、OpenOffice.org(オープンオフィス・ドット・オルグ:以下、OOo)である。オープンソースで開発されており、低コストで利用できるのが特徴となっている。XMLを利用したOpenDocumentフォーマットもポイントの1つであり、他社ツールとの相互運用も考慮されている。使い方を割り切れば、Microsoft Officeを置き換えることも可能だ。

新版2.0が登場間近

 このOOoの新バージョン、2.0の正式リリースが間近となっている。この特集「OpenOffice.org 2.0が変えるオフィスアプリ基準」は、すでに公開中のサンへのインタビュー記事に始まり、全8回の予定で新版2.0の特徴、新機能レビュー、そして日本ユーザー会のオピニオンリーダーが語るOOoの今をお届けするものだ。特に、多くのユーザーが知りたいと考えているMicrosoft Officeとの互換性については、詳しく掘り下げていく。

 なお、この特集では、OpenOffice.orgの開発版(1.9.m104)とMicrosoft Office 2003を比較対照とした。OpenOffice.orgの開発版(Snapshot Build)は、2週間置きにリリースされており、誰でもダウンロードが可能だ(関連リンク)。開発版を日本語化するためには、ランゲージパックをインストールする必要があるが、先ごろリリースされたベータ版ではランゲージパックが不要になっていた。このため、正式リリースでも同様の形態になると予想される。

 第1回は、OOo 2.0の全体像について取り上げていこう。

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