Hack!Hack!Hack! Giga LANDISKをDebian化(1/4 ページ)
個人でNASを導入するユーザーが増えてきた。しかし、パワーユーザーはNASとしてではなく、安価で小型のLinuxマシンとしてとらえているようだ。本特集ではGiga LANDISKをDebian化してみよう。
玄箱、白箱の次はコレ?
アイ・オー・データ機器から満を持して(?)登場したギガビット・イーサネット搭載NAS、「Giga LANDISK HDL-G」シリーズ。ネットワークインタフェースに100BASE-Tを搭載していた前シリーズから大きく進化し、CPU及びその周辺チップとしてIntel XScaleシリーズのIOP(I/Oプロセッサ)を採用、同じくIntel製のギガビット・イーサネットコントローラをPCI-Xバスに接続しています。
そしてOSにはDebian GNU/Linux 3.1(Sarge)のARM版をベースに次のような改造を施したものがインストールされています。
- 一部コマンドをbusyboxで置き換えて容量を節約
- NASとして稼働するだけならば必須ではないファイル(Debianのパッケージ管理システムのファイルやマニュアル類など)を削除
- kernelを本機ハードウェアに併せて一部改造
- LEDやボタン、ブザーなどのドライバとその管理プログラムを追加
同様のHDD搭載型個人向けNASとしては、玄人志向の玄箱や挑戦者のLANTANK(白箱)など比較的低価格なものも多く出てきており、それぞれ腕に覚えのある有志の手によって、Linuxサーバとして利用する方法が確立されています。
本記事では、同製品をとことん活用するために、同製品にほぼ素に近いDebian GNU/Linux 3.1をインストールする方法を紹介したいと思います。
警告
本記事ではGiga LANDISKを分解、HDD内の本機ファームウェア部分を改造します。記事執筆にあたっては筆者で動作確認を行っていますが、完全な動作を保証するものではないことに注意し、実施する際は下記をご覧の上、自己の責任においてご利用ください。
- 本記事ではPC及びLinuxの知識をある程度有する人(PCにDebianを自力でインストールできる程度)を前提にしています
- 分解/改造を行うとメーカーの保証が失効します
- 本記事では試作機に正式版ファームウェア(1.00)を載せたものを使用しています。製品版では一部異なる場合があります
- 本改造により、元のGiga LANDISKとしての機能を失います
- 共有領域に保存されたデータは作業の中で失うため、あらかじめ待避しておく必要があります
- この記事を見て行った正規の仕様外行為(分解、改造など)は、ITmedia編集部、著者、メーカー、購入店などはその責を負いません
- ITmediaおよび筆者への個別のご質問、お問い合わせについてはご遠慮ください
では、まず今回の作業に必要なものを挙げてみます。
- HDL-Gシリーズ
- Linuxがインストールされた作業用のPC
※ATAのハードディスクが少なくとも1台接続できる空きポートがあること。USBでの増設でもかまいません。
- UTF-8に対応したターミナルソフトウェアがインストールされたPC
※RS-232C(COM)ポートが少なくとも1つ利用可能なこと。空きポートが無い場合はUSBなどで増設する必要があります。
- SERIAL-KIT(挑戦者ブランドのシリアルコンソールケーブル)
- プラスドライバー
- USBキーボード
※通常は使用しませんが、作業ミスなどでOSは起動するがログインプロンプトがでない、という状態になった場合、[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーを押すことで安全にリブートできます。
インストール作業用にPC計2台が必要としていますが、これは、それぞれ事前のバックアップを取得する際と、インストール工程の一部で使用するためです。作業の見通しのためには別々のPCを使用する方が望ましいのですが、PCが1台しかない場合は両OSのデュアルブートなどでもかまいません。なお、筆者は前者をFedora CoreのPC、後者にWindowsのノートPCを用いて作業しました。
また、ターミナルソフトウェアについては、Windows上であれば、有名なところでPoderosaやTera Term Proなどが存在します。ただし、通常のTeraTermではUTF-8に対応していないため、一部文字が化けます。そのため、Tera Term Proを使う場合はUTF-8対応版を使用してください。Linux環境でもいくつかターミナルソフトウェアがありますが、UTF-8の対応状況が執筆時点で確認できていないため、ここで紹介することは控えさせていただきます。
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