ウイルス拡散をトータルで防ぐ、NECのPC検疫ソリューション：管理者の運用負荷を考えた機能に魅力（2/2 ページ）

持ち込みPCなどによるウイルスの内部感染を防止する検疫ソリューション。しかし、実際に導入した場合、自社で運用できるものなのだろうか？　こんなユーザーの疑問をNECが解消する。

[ITmedia]

ITmedia　検疫ネットワークに隔離されたエンドユーザーは、どのような操作が必要となるのでしょうか。面倒な手順が必要になることはありませんか？

向山氏　検疫ネットワークに隔離されると、検疫サーバは適用すべきOSのセキュリティパッチなどの一覧をユーザーのPCにポップアップ表示します。ユーザーは、パッチの番号の左隣に表示される「GO」ボタンを押して、次に表示される画面でexeファイルをクリックすれば、パッチを適用できます。簡単な操作ですので、大きな負担にならないと考えています。

エンドユーザー利用イメージ

ITmedia　端末にパッチの一覧が表示されたとしても、エンドユーザー自身が「Go」ボタン押さず、そのままウィンドウを閉じてしまうことも考えられます。

飯塚氏　ポップアップ画面の下にある「閉じる」をクリックすれば、その｢パッチ一覧画面｣を終了させることはできます。ただし、当然セキュリティポリシーに反するので、そのユーザーは社内ネットワークに接続できなくなってしまいます。

　こうしたインストール作業をエンドユーザー自身に行ってもらう仕組みにしているのは、パッチを適用するという作業を行うことでセキュリティに対する意識を強く持ってもらいたいからなのです。いくらシステム側でセキュリティを強化しても、それを使うエンドユーザーのセキュリティ意識が低いままでは、完全なセキュリティ対策にはなりません。ユーザーの教育も含めた検疫ソリューションを提供したい。そう思い、このようなシステムを開発しました。

　強制的に適用したいという場合は、有償オプションの「CapsSuiteセキュリティパッチ強制適用機能」を使えば、強制的に配布することも可能です。お客様のセキュリティポリシーに従って、オプションを採用していただけます。

ITmedia　大勢の社員がさまざまなPCを使用している状況で、環境にあった形でパッチ管理を行っていくのは、管理者の負担が多くありませんか？

飯塚氏　ご安心ください。まず、すべてのPCにおけるセキュリティパッチなどの適用状況は、CapsSuiteで統合管理できます。適用状況の調査には、弊社の「パソコン見張り隊」というツールを使います。これは、各PCのインベントリを収集するエージェントソフトで、このツールで収集される情報と、パッチを適用すべきアプリケーションの情報をCapsSuiteで対応させ、端末のパッチ適用／未適用状況を管理できます。一般的なウイルス対策ソフトウェアはもちろん、OSやIIS、SQL Serverなどのパッチも対象とできます。

　何よりネットワーク管理者の方が不安に感じているのは、最新のセキュリティパッチを常に自分たちで収集し、管理しなければならないという点だと思います。UNIVERGE PC検疫ソリューションでは、このような不安にお答えできるよう、有償オプション「CapsSuiteパッチ適用情報パッケージ」をご用意し、簡単に解決できるようにしています。

向山氏　これはNECのセキュリティ管理センターが最新のセキュリティパッチに不具合がないかどうか検証してから、お客様へ提供するサービスになります。NECグループ16万台のPC／サーバに適用して、問題が発生しないことを確認できたもののみを提供します。お客様は安心して最新のセキュリティパッチをユーザーに配布できるわけです。

ITmedia　最後になりましたが、最近増えてきた無線LANも検疫の対象にできますか？

向山氏　はい、もちろんです。無線LANでよく使用されているIEEE802.1X方式による認証やVLAN技術を採用しているので、無線LAN環境でもまったく問題なく、ご導入いただけます。有線LANと無線LANが混在するネットワーク環境であれば、「UNIVERGE WLシリーズ」のような無線LANシステムを導入していただくと、さらに運用が楽になります。

飯塚氏　UNIVERGE PC検疫ソリューションは、運用面における管理者の負荷を軽減するだけでなく、拡張する社内ネットワークにもマッチするソリューションとなっているのです。